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復職を目指すにあたっての失敗談と成功談(休職中の過ごし方)

#うつ病 #休職 #復職 #過ごし方

私は、大学4回生の時に精神疾患になり、その後約10年間をうつ病などの精神疾患・心身症と向きあってきました。職務履歴も、
入社(1年)→休職(3ヶ月)→復職(6ヶ月)→休職(3ヶ月)→復職(6ヶ月)※→退職→転職→現在に至る。(在職中)などの経験があり、これまでに何度も休職と復職を繰り返してきています。

そんな私が、できるだけ多くのうつ病や精神疾患の人に読んでもらいたいと今記事を書いているのは、多くの人の支えがあって、現在私のうつ病が寛解しているからです。

今回の記事では、それらの経験を経て、私が失敗した休職中の過ごし方と、
成功した?=このように休職中に過ごすことで、社会復帰がうまくいったと思う過ごし方を、紹介していきたいと思います。

◆1失敗談

人によっては、今から紹介する方法で休職中を過ごすことで、社会復帰に成功できることもあると思います。
今回はあくまで私の体験談です。

●1「生活記録表」


私の休職中の過ごし方については、こちらでも紹介しています。
(記事:うつ病の休職中の過ごし方)


私は、引っ越しなどの理由もあり、約10年間で4人のお医者さんに看てもらった経験があります。
その中の1人の先生が「生活記録表をつけて、自分の生活のリズム、自分の体調が悪くなるタイミングやことをつかみなさい。」とアドバイスしてくれました。
そのアドバイスを元に、当時私が記録していた実際の生活記録表がこれです。


<生活記録表>
半年ほど頑張って記録をつけました。1か月ごとの通院ごとに、先生にこの記録表を見せて、アドバイスをもらう、という流れでした。

ー1記録をつけることが辛くなった

しかし、記録をつけること自体がしんどく、記録をつけても、自分が何に困っていて、どこを治せば身体と心が楽になるのか…それが分からなくなり、半年で記録は終了しました。


生活記録表の紙は、病院でもらえるものではなく、毎回自分で印刷をしていました。うつ病でしんどい当時の私にとっては、それを毎回印刷しにコンビニなどに行くこと自体が辛くて辞めてしまったという背景もあります。
病院でお願いすれば印刷してもらえたのかもしれません。そして、病院の先生も紙くらい印刷して毎回渡してくれればよかったのに…と今になれば思うのですが、当時の私は、「これくらい自分ですればいいのだから。」とか「これくらい自分でできるし、しなくてどうするんだ。」などと思っていました。


そういった考え方も、今となって思えば、うつ病になりうる原因を含んでいたと思います。


ー2言われた事を正しく実行することに捕らわれすぎていた

また私は、「枠にはまった記録をするのが苦手」でした。後ほど成功談で紹介しますが、日々の記録をつけること自体はうつ病の治療には効果的で、私にも大変効果がありました。
私の場合は、固定されたフォーマットに記録していく、ということが向いていなかったのです。
それを感じていながらも、「これは先生がくれたフォーマットだから、何か効果的な意味があるはず…。」と考えて、ただひたすらに、嫌だなあと感じながらも、日々頑張って書いていました。


私は、治療すら、「頑張らねばならない。」という考え方で行っていたのです。


●2家でゆっくり過ごす

これは私の場合、休職中の過ごし方として周囲からよく聞いていた言葉です。


「体調が悪くて休んでいるのだから、ゆっくり休みなさい。」
「心を病んで休んでいるのだから、休職中は仕事のことや、他のことなどを考えないでゆっくり休みなさい。」
こういった言葉を、私は有難いことに周囲の人からかけてもらっていました。
そういった言葉は本当にありがたいことだったのですが、実際にその言葉をそのまま真に受けた私が過ごした家での過ごし方は、以下のようなものでした。


-1うつ病のとき

うつ病の期間は、ほとんど起き上がることができず、寝ている・布団に横になっていることが多かったです。
昼間は部屋を真っ暗にして寝てしまう分、夜はなかなか眠れず辛かったです。
夜眠れないときは、よく遅くまで動画を見ていたりもしました。
ただぼーっと天井を眺めて、ふと気付いたら涙が流れていたり、
胸が苦しくなって息をするのが辛くて泣いたりしていたときも多かったです。


ー2躁うつ病(双極性障害)のとき

躁うつ病(双極性障害)と診断された時期もあります。
その間は、一人暮らしをしていた自分の家でずっと過ごしました。
特に何もせず家で過ごしていましたが、その時はうつ病の時と違って起きている時間が長かったです。
かといって休職して休ませてもらっている身で何かをできるわけでもなく、起きている時間もただ家にいました。
仕事のことを考えずに身体を休ませることが大事かと思い、といっても布団にずっと横になっていても手持ち無沙汰になってしまい、動画を見たりして過ごすこともありました。

1日中布団の中にいて、YouTubeやNETFLIXなどの動画を見ていると、「自分は本当に病気なのか?」「これはただ遊んで過ごしているだけではないか?」「普通の休日と何が違うのだろう。」「私は甘えているだけなのだろうか。」などといった想いが巡りました。

結局その考えが頭から離れず、ゆっくり休むこともできなくて、嫌悪感だけが募りました。
このままではただズル休みしているだけになると職場復帰を急いだ結果、復職にも失敗しました。

◆2社会復帰がうまくいった休職中の過ごし方

私が社会復帰に成功できた休職中の過ごし方は、失敗した場合の生活記録表と似ているかもしれませんが、1冊のノートに、1日の過ごし方や、自分の気持ち、嫌だったこと、しんどかったこと、辛かったこと、できたこと、これからやりたいこと、不安なこと…など本当に様々なことを、自由に書くということです。
最終的にうつぬけ(寛解)することができた時の最後の1年間は、1冊のノートを用意して、そこにとにかく色々なことを書きました。

●1自分の気持ちを吐き出せる場所

自分の今の気持ちや、1日の中の起きていた時間帯の記録、今日食べたものや、これからしてみたいこと、自分の好きなこと・嫌いなことは何か…など、とにかく自由に書きました。実際のノートの写真がこれです。

<うつ治療中に書いていたノート>

ノートにひたすら気持ちを吐き出していました。この頃は休職と復職を繰り返してしまっていた会社を思い切って退職して、春になったら再就職先を探そうと、無職の状態で身体を休めていた頃です。

朝ごはんを食べれたり、1日の活動量が多かったりと、だいぶ元気になってきている兆しがありますが、まだ日によっては1日布団から出れなかったり、活動のある日でも、急にしんどくなってしばらく真っ暗な部屋にこもるなど、徐々に回復しつつあるも、まだ完全ではない頃です。

こうして今ノートを見返すだけでも、自分の状況や気持ちを客観的に見ることができます。ノートを書き進めながらも、当時も時々見返して、「この頃より今はだいぶよくなったよな」などと自分を励ましたり、「朝から起きてご飯を食べれている日が1週間の中でもだいぶ増えてきて嬉しい!」と喜んだり、不定期に自分の気持ちを吐き出したいときだけ書いていた日記を読んで、「この時私本当に辛くてこんな気持ちだったよな…。頑張ったよね。」などと自分を労らったりしました。

●2自分の人生について考え直すことができた。

その結果、自分自身の「本当に大切にしたいもの」が分かり、「自分の生き方」が見つかりました。そこからは一気に症状が回復し、それまで長く回復と再発を繰り返してきましたが、今後はもう再発しないような気がしています。

人生の中で、生きているなかで、自分が一番大切にしたいことがよくわかって、それ以外のことならば、多少の何かが起きようと別に構わない。という気持ちになれたからです。人生の中で、私が一番大切にしたいことは、健康と家族愛・友人愛です。

◆まとめ

休職中は、ゆっくり休むことが大切だと思います。ただ休む、ただ布団に横になる。その時間を身体が必要としているからこそ、うつになっているんだと思います。それまでに自分自身が色々なことをいっぱい考えて、たくさん頑張ってきたからこそ、休職中はゆっくり休んでほしいと思います。

でも、復職を考え始め、会社とも相談して復職の目途がたってきたら、私の経験上は、自分の気持ちや行動を何かに書き出して整理してまとめる時間は必要だと思いました。

例えば、

・医者にアドバイスをもらい、それを元に自分はどう実行していくかを考える。

・自分の気持ちをノートなどにまとめて気持ちをアウトプットする場所を確保する。

・散歩をするなど身体を動かしながら自分の気持ちと向き合う時間を継続的に作る。

などです。何かのきっかけや原因があって、うつになり、休職しています。「頑張らないこと」がうつでは大事と言いますが、復職後にまた、うつに戻らないためには、復職を目指し始める頃には、そのための多少の努力は必要なのかなと感じています。復職が目の前に見えてきたら、再発を防ぐためにできることはやっておいて損はないと思います。休職初期は、身体を休めることが大切です。

休職初期の過ごし方は、こちらにも書いてみました。(記事)

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