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京都・奈良・滋賀で味わう日常と非日常 〜旅でみつけた幸せ18個〜


5月の連休は、7日間の休みをとってふたり旅をしていた。

毎年必ず訪れている京都を中心に、お隣の県にも足を伸ばして奈良と滋賀へ。

帰ってきて思うのは、今回の旅は日常と非日常のバランスが絶妙だったなあということ。

何度も訪れている京都にも非日常の瞬間はたくさんあったし、反対に、はじめましての奈良と滋賀にも、日常の時間は流れていた。

どちらもあったからこそ、日常と非日常、それぞれに幸せを感じることができた。そんな気がする。

***

小さな幸せのかけらは、誰かの次の旅につながるかもしれない。そんな想いで、この7日間の旅で出会った18の日常と非日常の瞬間を、ここに書き留めておこうと思う。


1. 穏やかな湖に心がやさしくなる、滋賀

〜日常編〜

①「gururi」で珈琲を飲みながら読書

大津駅から少し歩いたところにある、小さなカフェ。

「琵琶湖が好きでここにお店を構えた」という若いご夫婦が営んでいるこのお店では、いろんなお客さんが思い思いの時間を過ごしていて、地域の人に愛されているのがひしひしと伝わってくる。

窓側のカウンター席では、ひとりでのんびり過ごす人もちらほら。


ゆっくりとした時間が流れる落ち着いた空間で、本を読みながらのんびり過ごす時間は、旅で訪れたわたしたちでも、琵琶湖のほとりで暮らす日常を感じることができる。

珈琲タルトはサクサク香ばしくて、苦味と甘さのバランスが絶妙で癖になる味。
小腹が空いたら、野菜たっぷりのスパイスカレーを。



②穏やかな朝の琵琶湖を、のんびりお散歩

晴れた日は、朝の琵琶湖をお散歩。

海よりも穏やかな波の音を聴きながら、砂浜に座って湖を眺めていると、心も次第になだらかになってゆく。



③車窓から、ぼんやり琵琶湖を眺める

車窓から見える琵琶湖も美しくて、ついつい外を眺めてぼーっとしたくなる。これこそが、日常の小さなしあわせなんだろうなあと思える瞬間。

淡い水色とクリーム色のコントラストが可愛い、島の関駅。


〜非日常編〜

びわ湖バレイで、アクティブに動きまわる

100人乗り(!)の大きなロープウェイに乗って向かう先は、びわ湖バレイ。

冬はスキーができる山で、それ以外の季節はアスレチックやピクニック、お花見が楽しめるらしい。

リフトに乗ってのんびり景色を眺めたり、湖を臨む丘の上のブランコに乗ってはしゃいだり。子供に戻ったような気分になれる、自然の中のテーマパーク。

リフトからの眺め。湖を眺めながら、山の斜面でのんびり過ごす人たち。

リフトに乗っていると、ファミリーや年配のご夫婦、若いカップル、いろんな人たちとすれ違う。

みんなにこにこ楽しそうで、いつか家族ができたらまた来たいね、なんて話したり。穏やかな幸せに包まれる時間。

目の前の大きな青に飛び込むように、ブランコを漕ぐ。


①青空の下、びわ湖テラスでお昼ごはん

お腹が空いたら、びわ湖テラスにあるレストランでお昼ごはん。

青空の下、テラス席で近江牛がごろごろ入ったカレーやハンバーグを食べながら開放的なランチタイムが過ごせるDining Lake viewは、あたたかい季節にぴったり。

(真夏や真冬は、広くて快適な店内がおすすめ。)

空に浮かんでいるような気持ちになる、びわ湖テラス。



③湖に浮かんでいるような「佐川美術館」でアート鑑賞

旅先で、雨の日でも安心なのが美術館。

初日の雨予報に、急遽屋内で楽しめる場所を探してみつけた佐川美術館。

建物の造りがとても美しくて、廊下を歩いたり写真を撮ったり、外観だけでもたっぷり満喫。

何度でも歩きたくなる廊下。
水面を眺めながら過ごせる、明るいカフェも。


2. 静寂の中、都に流れる時を感じる奈良

〜日常編〜

①朝の奈良公園をお散歩

朝は少し早起きをして、奈良の町が一望できる若草山へ。広々とした芝生の上で、ゆっくり深呼吸。

山頂を目指している途中に出会った、奈良美人。
最初の丘から見えた景色。



②奈良公園内にある、ゲストハウスで奈良の素に出会う

今回の旅でお世話になった、奈良公園の中にあるゲストハウス。


窓を開けて見下ろすと、すぐそばに野生の鹿がいる!

朝も夜も奈良公園内を自由にお散歩できるのが魅力のゲストハウス「The deer park inn」

ゲストハウスのオーナーさんに奈良のおすすめスポットを教えてもらったり、他の旅人たちと会話をしたり。

駅の近くの旅館やホテルに泊まっていたら出会えなかったような、奈良の素の顔に出会える場所。

木を基調とした、あたたかみのあるお部屋。窓の外には鹿たちが。



③栄養たっぷり!竈で炊いた朝ごはんを食べる

風通しがよくて、広々とした明るい店内で気持ちよく過ごせる「鹿の舟 竈」

竈を囲むカウンターに座って身体にやさしいごはんが朝から食べられる、奈良で人気のお店。

元気をチャージしたら、併設されているお店でこだわりの食品や調理器具を眺める。ひとりで入りやすいのも、嬉しいポイント。

大きな竈で炊いたご飯と、野菜の天ぷら。(これは、お昼ごはん。)


〜非日常編〜

①二月堂から、幻想的な奈良の夜景を眺める

静寂に包まれた夜の奈良公園に、荘厳な空気を纏って佇む二月堂。

階段を登ると、そこは幻想的な空間が……!

写真ではなかなか伝わらないのが悔しいけれど、奈良の夜景がこんなにも美しいなんて、全く知らなかった。

目に飛び込んできたこの夜景は、心に刻み込まれた旅の大事な1ページ。



②着物を着て、ならまち散歩

大人になるとなかなか着る機会のない着物に
ついついご機嫌になる。

近鉄奈良駅近くにある「わぷらす奈良」さんで着物の着付けをしてもらって、ならまちを散策。

普段とは違う装いをしているだけで、ふわふわした気分になるから不思議。

奈良で人気の「ほうせき箱」のかき氷を食べたり…
奈良の地酒「春鹿」5種類を飲み比べしたり…
町屋カフェ「カナカナ」で、のんびりおやつタイムを楽しんだり…
着物を着ても、結局食べてばかりなわたしたち。



③樹齢300年の松のある庭を眺めながら、飛鳥鍋に舌鼓

色々な種類のきのこと鴨が入った、豆乳ベースのお鍋。

100年の歴史がある古民家の2階で、贅沢な大人時間を過ごせる「松籟〜まつのおと〜」

樹齢300年という、大きな松の木のあるお庭を臨む縁側のような席からは、ゆっくりと移ろう奈良の空を眺めることができる。

暮れゆく空の色。何度見ても、ため息をついてしまうような美しさ。


久しぶりに五感すべてが満たされて、ああ、幸せってこの感覚のことを言うんだったな…って思い出した。

歳を重ねるごとにまた訪れたいと思う、大切な場所。

「お酒好きのためのお店」というのも納得の、お酒が進んでしまうおつまみ。
鍋の〆は、古代米のリゾット。
ライトアップされた松の木と三日月。幽玄という言葉がしっくりくる。


3. 文化が溶け合い、しなやかに変わり続ける京都

〜日常編〜

①鴨川沿いで朝ごはん

その日の気分で、好きな場所を選ぶのも楽しい。


晴れた日は、鴨川沿いで朝ごはん。
近くのパン屋さんで気になるパンを買って、ピクニック。

京都はパン屋さんがたくさんあって、いつも朝から大行列のイメージ。

いつか鴨川で、いろんなパン屋さんのパンを集めて豪華な朝ごはんの会を開くのが小さな夢。

神宮丸太町 bakery ukiの
よもぎの香りが爽やかな、あんバター。


②哲学の道を歩きながら、人生について考える

哲学の道の入り口あたり。白いお花が咲くこの道が好き。

哲学の道を最初から最後まで歩いたのは、実は今回がはじめて。

「せっかくだから、哲学ゲームをしよう」という彼の提案で、お互いにお題を出し合って("美しさ"とは何か?みたいな)、自分にとっての定義や意味を語り合ったら意外と盛り上がって、気づいたら1時間以上経っていた。

ついつい日々の忙しさに流されてしまうわたしにとっては、こういう時間こそ大切にしたいなあと思った日。

奥へと進むにつれて、緑が深くなってゆく。


ひと休みしたくなったら、近くのカフェへ。

前回はお腹がいっぱいで(毎日食べすぎて)入れなかった、念願のGOSPELへ。

洋館で優雅なひと時を過ごせるカフェ。
完全予約制の「迷子」も気になる。
大きなスコーンと、たっぷりのアイスコーヒー。
ゆっくり考えごとの続きができる。



③夕暮れ時の鴨川で、お酒を飲む

ちょうど川床が出始める、5月の鴨川が好き。

今までは寒い時期に訪れることが多くて、今回はじめて叶った夢のうちの一つが夕暮れの鴨川でお酒を飲むこと。

淡い水色の空に橙色が混ざり始めてから、藍色に染まるまでの時間はほんとうにあっという間。まるで魔法にかけられているみたいな時間だった。

水辺では、なぜかビールが飲みたくなる。
日が暮れると、幻想的な雰囲気に。
ずっと眺めていたくなる。


〜非日常編〜

出町ふたばでお祝いに「名代豆餅」を買う

大学生の頃から憧れていた、出町ふたばの名代豆餅。

ちょうど端午の節句の時期だったこともあって、朝から大賑わい。20個、30個と豆餅を買っていく地元の人に混ざって、待つこと1時間。

店内は大忙し。
見ているだけで心が躍る、大福やお餅。


京都に暮らしていたら、お祝いごとの時はここで大福やお餅を買うのかなあ…と、日常の中の非日常を想像してみる。

地元の人に長く愛され続けている「名代豆餅」に、ついにご対面。
手作業で一つひとつ笹に包まれている、ちまき。
みそあんの柏餅、はじめて食べた。
桃色が可愛らしいなあ。


②緑あふれる、貴船神社を歩く

新緑に包まれた、朱色の神社。

空気がひんやりしていて、水の音を聴いているだけで夏でも涼しく過ごせそう。

ここへ向かう電車が途中で通る「もみじトンネル」も綺麗だったな。少し遠いけれど、次は秋や冬にも訪れてみたい。

いつか、ここの川床で食事をしてみたい。
大きく深呼吸したくなる、緑いっぱいの貴船。


③究極の非日常が味わえる、MOGANAに泊まる

今回の旅の最終日は、MOGANAへ。

ここに泊まるために、6日間のうち5日は費用を抑えて調整。(そのギャップもあって、部屋に入った瞬間の感動は何倍にも増した気がしている……!)

フロントから続いている、黒く艶やかに輝く廊下。
奥にはギャラリーが。


この日宿泊したのは、「MOGANA BLACK」という黒いお部屋。洗練された黒のお部屋に鮮やかな緑が映える、落ち着いた空間。

細部にこだわりが宿っていて、どこを見渡しても、何度眺めても、美しくて見惚れてしまう。

朝目が覚めても、美しさにうっとり。
鉄瓶で淹れるお茶と、お蕎麦屋さんのお菓子。


せっかくいいホテルに泊まるのだから…!と、16時前にはチェックインをして、お部屋で写真撮影会をしたり、お茶菓子を食べてのんびりしたり、1階のギャラリーを見に行ったり。

夜ごはん、バー、朝ごはんと、20時間のMOGANAでのステイを満喫。(思ったよりも長居してしまった…)

お部屋でいただく夜ご飯は、憧れの料亭「瓢樹」のお料理。
2階にあるバーでは、ゆったり夜の時間が楽しめる。
今まで食べた中で、いちばん贅沢な朝ごはんでした。


***


終わりにー 旅の中の「日常」と「非日常」


こうして振り返ってみると、今回の旅は、日常も非日常もぜんぶ宝物のようだったなあと思う。

そんな旅をして気づいたのは、旅における日常と非日常のバランスって、案外大事なのかもしれないなあということ。

非日常も長く続くと、感覚が麻痺して心の振れ幅が小さくなってしまう。7日間の旅を通して、そんなことを実感した。

わたしはもともと、どちらかというと「旅先では、その土地の日常を味わいたい」と思うタイプである。

とはいえ、旅に出たいと思うきっかけは「日常を忘れられる、どこか遠い場所へ行きたい」という気持ちから生まれることが多いのが現実で。

そんな矛盾した感情を持つ欲張りな(?)わたしにとっては、結局「日常」も「非日常」もどちらも味わえるのが最高の旅であり、最上の贅沢なのかもしれないなあと思った。

次に長い旅ができるのは、また少し先になってしまうけれど……

これからも新しい土地で、そこにしかない日常と非日常に出会える旅を、早くも心待ちにしているのでした。



旅の様子はInstagramにまとめています𓂃𓂂𓏸

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