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あの恋の物語。

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あのとき私は、たしかに恋をしていた。 届くことのなかった、忘れたくない恋の記憶。
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2020年8月の記事一覧

さようなら、たくさん夏をくれた君

夏は恋の季節だ。 そして同時に、失恋の季節でもある。 好きだった人の、知りたくない部分を…

君がいない夜とごはん

料理がおいしければ、それは最高の食事だと 思っていた。 もしかするとそれは違うかもしれな…

夏の終わりを逆走する

「海に行きたい」 彼に唐突にそう電話したのは、ちょうど一週間前の ことだった。 「いいよ…

積み重ねる夏の記憶

夏が好きになったのは、いつからだろう。 厳密にいうと、今も夏は大の苦手で、 「好き」とい…

夏の果て、スペインの車窓にて

2年前の今日、恋人と別れてスペインに行った。 旅行という楽しい時間を過ごせば気が紛れると…

足りないものは、感性じゃなくてたぶん愛

「自分が撮りたいと思うものを探すんだよ、じゃない と見つからないから」 「自分の感性で、…

少女の夏と明け方の空

夏をきちんと終えるために、映画をみた。 タイトルは、「アメリカン・スリープオーバー」。 最初は映画のビジュアルに惹かれただけだったけれど、 あらすじをみたら、少年少女たちの「夏の終わり」が スリープオーバー(お泊まり会)という舞台で描かれた 物語だと書かれていて、今の自分がみるべき映画に ぴったりだ、と思った。 長かった恋が、線香花火のように音もなく終わりを 告げてから、わたしの夏はすっかり終わってしまった。 夏祭りも花火も浴衣も何もかも、夢みて終わった今年 の夏は、

工事現場と夏祭りの夜

夜の工事現場で、ふいに夏祭りを思い出した。 夜道を歩いていたら、道の反対側で工事をしてい…