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【ネタバレ】スパイファミリー映画のキャラ誇張と解釈について考察

スパイファミリー映画を観て、やはり2時間の枠組みの中で、原作とは違う映画ならではの演出や描かれ方をしていると感じた部分があるのでまとめてみました。

※映画の内容のネタバレを含みます

キャラクターの特徴が誇張されている

ロイドもとい黄昏は変装の達人。それに脚色されていました。

映画では船で軍人とスナイデル大佐に変装していましたが、その際の変装道具がなく時間はものの数秒という早技。

もはやマジックの域(怪盗キッドかな?)

原作ではこんな短時間での変装シーンはありません。
遠藤先生が監修された今回の映画。尺が限られる中、多少のフィクションということで許容範囲だったのでしょうか。


ヨルはとにかくスケールがでかい!

身体能力を鑑みれば映画ということもあり、許容範囲なのかもしれませんが。

ロイドと夜帷が顔を近づけている(風に飛ばされた帽子を取っている)場面を目撃したのは、数百メートル離れた市役所の屋上から。
ヨルがここまで視力が良い描写は原作ではありません。

また、ロイドが発進させた飛行機に走って追いつき飛び乗るシーンも。
船での戦闘は殺し屋というよりも格闘家でした。

豪華客船編でも凄まじいアクションが見られましたが、あくまで殺し屋としての働き。
映画では戦艦の上を走り、銃弾を体内に搭載するサイボーグ相手に一発も喰らうことなく勝利しました(デート回でお尻撃たれても痛いで済んでるので、銃弾当たっても平気かもしれませんが)

このように、ヨルの身体能力が過度に描かれていると感じました。
映画一作目なのに、1人だけスーパーサイア人並み。はは強し。

キャラクターの解釈が違う?


ヨルの方向音痴設定が謎でした。

ユーリが登場した際、姉は知ってる街でも迷子になると言っていましたが、原作でそんな描写はありません。
豪華客船編では、船内構造をしっかり把握していましたし、アニメオリジナルでアーニャの忘れ物を届けにイーデン校まで走っています。

ユーリが心配するあまり行こうとするための設定でしょうか?
でもユーリなら姉の旅行先で事件が起きそうというだけで、「姉さんが心配だ!!」と駆けつけそうですが。


また、ヨルがタイプFと戦闘中、ロイドからプレゼントされた口紅を燃やして敵を倒すことを閃きますが、彼女の人柄からして勝つためとはいえプレゼントを燃やそうとしないのでは?

ここでの心理描写がカットされていて、苦渋の決断だったのでは?と思いました。

「ロイドさんからいただいたものを燃やすなんて……!」と葛藤しつつ、脳裏にアーニャたちの笑顔が浮かんで、自分が守りたいものはプレゼントより家族だと決断したのではないでしょうか。

そもそもトイレでヨルが口紅をつけてから、なぜコートの下の洋服のポケットに入れていたのか謎です。何度考えても整合性の取れる理由が浮かんできません〜〜

こういうのは黄昏の変装時間と同じで、あまり深く考えない方がいいようですね。


アーニャが鍵を見つけて、ボンドの予知でお宝があると知るシーン。
今までアーニャが心を読んで行動するのは、好奇心もあるけれどピンチの時や悪者の狙いを阻止するためでした。

でも映画では、宝物が平和を脅かすものだとも、ルカとドミトリが悪者だとも分からない状態で決めつけて勝手に人の荷物を開け、運悪くではありますがチョコレートを食べてしまう。

私はアーニャちゃんに、読心の超能力を平和のために使っても、テストでカンニングするなど自分のために使ってズルはしてほしくないなと思っています。

黄昏といばら姫が各々の正義を抱いて、自分の手を汚しているけれど、彼らが身を挺して守っている平和な世界の中で、アーニャちゃんは真っ直ぐ笑顔で過ごしてほしいなあと願っています。

なので自分よがりにトランクを開けてしまうこのシーンに違和感がありました。

でも最後にロイドさんとヨルさんがきちんと叱ってくれて、アーニャちゃんがちゃんと反省していて安心しました。
仮初の家族でも、間違ったことをすれば怒ってくれるちちとははがいてくれて本当に良かったです。


あと、ロイドが軍用飛行機に乗って通信で夜帷から連絡を受け、頼りになると褒めるシーン。

夜帷は黄昏先輩が好きという感情をひた隠しているので、通信が続いてる状態で声を抑えつつも漏れてしまって、飛び跳ねて喜んでいるのは違和感でした。

褒められたことを内心で千切れるほど噛み締めながら、「これくらい当然です」と澄まして言うくらいが原作の感じがします。

あと、目がハートになっていましたが、原作だと「す」の写輪眼ですしね。
まあ面白かったのでいいんですが笑

夜帷は黄昏先輩に、スパイは感情を表に出すなと指導されたからポーカーフェイスを保っていますが、当然、黄昏に恋心は何も伝わってないので、もう少し感情リミッター外すくらいがちょうどいいなと思います。

色々書きましたが、この映画だからこそ見られる、いつもと違うスパイファミリーだと認識しています。

舞台挨拶は外れてしまって残念……
公式アカウントは、映画映像をネタバレでどんどん流すより、舞台挨拶の映像で宣伝してほしいです。

公式アカウントが、舞台挨拶でキャストが描いたイラストを公開してましたが、なぜあの絵が生まれたのか画伯に説明していただきたい(江口さんのアーニャらしきものがナッシーみたいで笑いました)

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