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遺書

いざ書くとなると、案外書くことは無いようだ。
今更何が残せるというのだ、何が残せたのだ。教えて欲しい。

出てくる言葉が「ごめんなさい」とか「許して欲しい」だけだな。自分をようやく解放してあげられると言うのに、なぜ最期まで誰かに謝っているのだろうか。この選択は誤っているのだろうか。

まず、家族へ。
誰のせいでもなかった。親不孝で本当にごめんなさい。
生まれてこれて良かったと心から思うし、心から感謝しています。幸せや人の温かみ、優しさ。そして最愛の人と出会うことが出来た。充分楽しかった。
ただ、負けてしまったのだ。

残したものはあまりに大きい。最期まで迷惑をかけます。どうか、笑って元気に生きていてください。

そして、友達へ。
何度も気にかけては、飲みに誘ってくれたり、遊びに連れ出してくれたり、本当に救われていました。救えなかったなんて気に病まないで欲しい。仕方なかったのです。

また笑い合いたい、けどこれ以上重荷になりたくないので先にいきます。ありがとうね、出会えて良かった。

最後に、愛しているあなたへ。
私を忘れて、どうか幸せになってください。
次もし、生まれ変わって出逢えたとしたら、次はちゃんと彼女になりたい。


案外言葉にならないものだ。きっと死ぬのはまだ先だろう。遺しておきたかった。いつ、居なくなっても大丈夫なように。あぁ、馬鹿だな。くだらない。

鬱と戦う自分に疲れた、もう許してくれ。

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