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あの仕事を続けていたら、今私はどこにいるんだろう




転職を何度もしている。

もう何社目か数えていないので、だいたい20社くらいと言っている。


たとえば、一つ前の仕事を続けていたら、今私は何を考えているんだろう。上司がきもちわるいとか、やっぱり煙草を吸う同僚とのランチは奢ってくれても嫌だなとか、毎日暇で暇でしょうがないとか、独り言おじさんうるさいとか、愚痴っているはずだ。

デスクワークでチャットツール(SkypeやChatWork)がない事務は、もうできないと確信したところである。わざわざ内線するとか、メールをするとか、その部署に出向かなくてはいけない。たった一言、伝えるだけなのに。


たとえば、二つ前の仕事を続けていたら、今私は何を考えているんだろう。パートのおばさんが相変わらずうるさいとか、お客様と意思疎通ができずにつらいとか、日本人でもわかりあえないとか、長時間労働立ち仕事はもう年齢的に無理とか、やっぱりストレスをかかえているはずだ。

立ち仕事が嫌いなわけでもない、接客仕事も苦手じゃないと思っていたのに、本当はどっちも嫌いなのかもしれないと感じてしまった。もうこのままここにいたら、性格が悪くなる、笑顔ができなくなると思った。たった4ヶ月なのに。


たとえば、三つ前の仕事を続けていたら、今私は何を考えているんだろう。引っ越しもせずに都内に住んでいて、毎日同じような日々を送っていたに違いない。仕事は慣れていて、教えるのも飽きてきて、毎年同じようなミスをしている人たちにうんざりしていたに違いない。

同じような毎日は退屈で、変化もなく、時間だけがただ過ぎていく。仲良しの人と喋るのは楽しいけれど、仕事は楽しくなかった。惰性で続けてしまった気がする。それでも続けてよかったとは思うんだ。この仕事に就いていなければ、ブログやnoteを始めなかったかもしれないから。


結局、なんだかんだ言い訳ばかりをして、仕事を辞めている。辞める理由が私のなかではっきりしているけど、客観的にみたらそれは言い訳なんだと感じる。でも、しんどいなとか、これは許せないなとか、ここが嫌だなとか思ったら、人間正直に生きてもいいはずなんだよ。


嘘はつけないし、顔に出ちゃうんだな。しょうがない。

だから、次の仕事を探すんだ。


それでも、たまに「あの仕事を続けていたら、今私はどこにいるんだろう」って思い返す。




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