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オンラインでもできる!インセプションデッキづくりワークショップのススメ

8月に入社しました、マネーフォワード デザイナーの松永です。
『マネーフォワード クラウド』の新規プロダクトのデザインを担当させていただくことになり、とても刺激的な毎日を過ごしております😉

わたしの担当するプロダクトは今まさに、チームを立ち上げる段階にあります。

先日、チームビルディングも兼ねてインセプションデッキづくりワークショップをオンライン上で行いました。
ワークショップの流れとオンラインならではの工夫、そして改善できそうなことを紹介したいと思います。

ファシリテーターはプロジェクトメンバー外の、アドバイザー的な立ち位置の方にやっていただきました。(感謝です🙏)

そもそも、インセプションデッキとは?

インセプションデッキ自体については恥ずかしながらあまり詳しく知らなかったので、調べてみました。

インセプションデッキとはアジャイル開発のツールとして考案されたもので、10個の質問から構成されています。

1. 我われはなぜここにいるのか?
2. エレベーターピッチをつくる
3. パッケージデザインをつくる
4. やらないことリストをつくる
5. 「ご近所さん」を探せ
6. 解決案を描く
7. 夜も眠れなくなるような問題は何だろう?
8. 期間を見極める
9. 何を諦めるのかをはっきりさせる
10. 何がどれだけ必要なのか

上記の質問に対する答えをメンバー間ですり合わせていき、最終的に10枚のスライドを完成させます。メンバーが一堂に介して議論し、合意したという認識を持つことで、納得感を持ってプロジェクトをスタートすることがインセプションデッキのねらいです。

今回私たちは2つのスライドを作りました。

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ちなみにインセプションデッキの10の質問が、直訳だからか、微妙にわかりづらいと思うのはわたしだけでしょうか(汗)

ワークショップの流れ

ワークショップは、長めのキックオフMTGという建て付けで2時間×2日に分けて行いました。
参加者は14名と、けっこうな大人数です。

参加者:ファシリテーター / プロダクトオーナー(以下、PO)/ デザイナー(自分)/ フロントエンドエンジニア / インフラエンジニア / ステークホルダー(連携が必要な他プロダクトの関係者)

ー 1日目 ー

1. インセプションデッキとは?
2. 参加メンバー紹介
3. プロダクトの概要説明
4. ワーク「我々はなぜここにいるのか?」

まず、ファシリテーターよりインセプションデッキについての説明と、ワークショップのグランドルールが紹介されました。

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次に、今回POのほうであらかじめステークホルダーマップを用意していたのでその紹介と、プロダクトの概要説明がありました。

私たちが作ろうとしているのは主に中小企業の経理の方が使うプロダクトであるため、会計や経理業務への理解が必要です。ワークショップの前に簡単に(とはいえ30分はかかる)プロダクトの説明がありました。

1日目ワーク「我々はなぜここにいるのか?」

・各自考えて、スプレッドシートに記入(5分)
・ひとりずつ発表
・議論(→ 時間がなかったので次回へ持ち越し)

オフラインであればホワイトボードや模造紙に付箋を貼っていくスタイルが多いと思うのですが、全員オンラインのため、Googleスプレッドシートを使いました。
まずは個人で、自分or自分たちがプロジェクトをやる理由を思いつくだけスプレッドシートに書いていきました。

スプレッドシート

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発表パートでは特に制限時間を設定しなかったのですが、2〜3分ほど話すメンバーが多く、当初の予定より時間がかかりました。(いいことですね🤘🏻)

1日目はここで終了です。
我々はなぜここにいるのか、をワークショップの時間内にまとめることができなかったので、ファシリテーターとPOが持ち帰り、次回までにまとめてきてくださることになりました。

ー 2日目 ー

1. POより「我々はなぜここにいるのか?」草案を発表
2. 全体で議論
3. 「エレベーターピッチをつくる」ワーク
4. 他のデッキについて議論

1日目のワークで出たみんなの意見をどう収束させるのか検討もつかなかったのですが、POがみんなの意見を取りこみつつ上手にまとめてきてくれました。

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草案があったおかげで、2日目はそれをたたき台にしてすぐ議論に入ることができました。

2日目ワーク「エレベーターピッチをつくる」

・各自考えて、スプレッドシートに記入(5分)
・ひとりずつ発表
・スライドに清書

1日目と同様に、まずは個人で考えてスプレッドシートのセルを埋めていきました。おおかた同じような答えが集まったこともあり、1枚のスライドにまとめるのはスムーズにできました。

スプレッドシート

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まとめた1枚のスライド

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ワークショップを終えての感想


🙆🏻‍♀️ 
メンバーの想いを相互に知ることができた
🙆🏻‍♀️ 一人ひとりの役割を知ることができた
🙆🏻‍♀️ メンバーがプロダクトのことを理解できた
🙆🏻‍♀️ 自分自身、心理的安全性が確保できた

オンラインでのチームビルディングはとても難しそうで、ワークショップがうまくいくのか?正直想像もつかなかったのですが、ファシリテーターやPOのおかげで、納得感のあるかたちで終えることができました。

オンラインで行う際には、極力ビデオオンで参加し、誰かが話しているときには笑顔やうなずきでリアクションするのが大事だなと思いました。(オフラインではあたりまえのことですがあらためて)
今回参加していたメンバーはそれが自然にできていたので、安心しました。

Googleスプレッドシートを使って同時編集ができたのも、手軽でよかったです。デザイナーのみで行うワークショップであればmiroやFigmaで行うことが多いですが、誰でも気軽に操作ができるという点でおすすめです。Googleスライドでもよさそうですね。

改善できそうなことをあげるとしたら

💡 オンラインではひとりひとりが話す場を意識的につくる

誰かが話している時に、オンラインだと余計に話しづらいですよね。
参加者が多いこともあり、全体で議論する際に話す人が限られてしまったように思います。zoomのブレイクアウトルーム機能を使うなどしてまず3,4人で議論してから全体に発表するという流れにすると、なにも話さずに終わるメンバーが減るかなと思いました。

また、話すハードルを序盤で下げるためにも、チェックインの時間を設けて自分の想いを話すなどしてもよかったかもしれません。(2日あるなら、2回やるとよい)

「これは話すことのほどではないな…」と思うことはzoomのチャット機能でコメントをするのもいいと思います。実際に今回のワークショップの最中も、zoomのチャットでカジュアルにコメントが飛び交っていました。
slackでスレッドを立ててもよさそうです。

💡 ワークショップの目的をはっきりしてから実施する

インセプションデッキには大きく分けて、プロジェクトの合意形成とチームビルディングの2つの目的がありますが、ワークショップをはじめる前に目的を伝えてから実施すると、より納得感が生まれるかもしれないと思いました。

2日目のエレベーターピッチのワークの前にメンバーから「これはPOがすでに考えているのでは?全員でやる意味あるの?」という質問があがりました。(するどく、いい質問ですね!)

実際に個人がエレベーターピッチを作ってみると、みんな同じような意見になるかもしれないし、オーナーと違う意見が出るかもしれない…

ワークショップはメンバーが考えていることを知ることだったり、一緒につくりあげたという認識を持つことがねらいであるため、全員でやることに意味があると思います。

また、こんな質問もありました。
「このインセプションデッキはどれくらいの完成度を求められるの?」

これも難しい質問ですが、上述のとおりメンバー間で議論することが目的で、現時点でメンバーにとって納得感のあるものになっていればそれで十分だと思います。完成度は求めず、プロジェクトが進む中で違和感が出てきた際に随時更新していければと思います。

なお、チームビルディングや合意形成のためであれば、成果物はインセプションデッキでなくてもよいかと思います。
ユーザーストーリーマッピング、サービスブループリントなど、参加メンバーが一緒になってつくりあげる過程を持つことが大切だと思いました。

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回は「我々はなぜここにいるのか?」「エレベーターピッチ」の2つのスライドを作成したわけですが、プロジェクトはまだまだ始まったばかり🐣これからプロジェクトが進む中で立ち返ったり、付け足したり、修正したりしながらインセプションデッキを完成させていけたらと思います。

そして、『マネーフォワード クラウド』のユーザー様にいち早く価値あるものを届けられるよう、がんばります💪🏻💪🏻💪🏻

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