ミャンマーでの暮らしをつづる:日本語を教えるミャンマー人

新しい校舎へ異動になりました。バスに乗らなくてよくなった一方で大きなショッピングモールやコンビニが通勤経路になくなって少し困っています。

ミャンマーでは今日から4月17日までティンジャン(水祭り)でお店やレストランは休業、街のあちらこちらに水を掛けるためのステージが設営されて歩いていると色んなところから水をかけられます。昨日私も職場で、Donationがあり全身びっしょりになるぐらい水を掛けられました。厄払いのために水を掛けるらしいので、厄がとれていますように。

日本語教師として、現地法人に直接採用されて2019年3月から働いています、なおと申します。

被写体のお休みに伴い、名前をななこから本名のなおに変えました。

日本で会社員兼ポートレートモデルをしていた私が、ミャンマーで働くことになった経緯やミャンマーでの生活について書きたいと思っています。


今回は、ミャンマー人が日本語を教える理由について聞いてみた編。



私が勤めている日本語学校には社長以外に、日本人教師が出向で来ている上司と現地法人の私を含めて2人、教務主任のミャンマー人教師、その他ミャンマー人教師7人が所属しています。

教務主任のミャンマー人の先生は、大学の専攻が日本語で日本への留学経験があり、こちらの大学での教授経験もあります。

その他のミャンマー人の先生たちは、1人を除いて日本へ行ったことすらありません。行きたくても留学ビザがおりないのが現状です。うちの学校では留学ビザの許可率が4%しかありません。

なのに、どうして日本語が教えられるのか、日本語を教えたいと思うのか本当に不思議です。なので教務主任の次に長く教えているミャンマー人に聞いてみました。


①いつからこの学校で働いていますか?

2015年11月から。最初は事務員として入社しました。


②前の仕事は何をしていましたか?

コンピュータ関係の仕事をしていました。大学の専攻もコンピュータでした。

補足:ミャンマーでは、高校での成績がいい人から順番に大学での専攻を選ぶそうです。ですから、よほど成績のいい人でない限り自分の行きたい専攻の学部にはいけないそうです。


③この会社に入社する前から日本語は勉強していましたか?

いいえ。全然話せませんでした。日本から出向してきた先生や教務主任の先生を見て、日本語を勉強しはじめました。そして、教師になるトレーニングを受け、事務員から日本語教師になりました。



④日本語教師の仕事はどうですか?

とても楽しいです。日本語を見ているだけでとても幸せな気持ちになります。毎日が幸せです。


⑤日本へ行きたいですか?

行きたいです。ビザがもし下りるなら留学したいです。



彼女は、私がミャンマーへ来て一緒に働くまで、出向で来ている日本人としか話したことがないから、私の日本語は大丈夫ですか?と言っていました。

でも彼女の日本語はとても上手だし、なにより日本語をとても勉強しているのでネイティブが無意識になりがちな文法をよく知っています。場合の前に接続する動詞の形、動詞た形+ら、など日本語ネイティブは考えなくてもふさわしい形に変換しているので、ついスルーしてしまいやすいところです。なので、彼女の授業を見学すると、学生が難しいポイントやチェックするポイントがよくわかって私自身すごく勉強になります。


そして、とても嬉しかったのが「日本語を見るだけでとても幸せな気持ちになる」と彼女が言ったときの表情が本当に幸せそうに愛おしそうに教科書を見ていたことでした。お金を稼ぐための手段としての日本語ではなく、そんなに大事にしてもらえる言語を私は持っているのだなと誇らしくなりました。


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