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懐かしい匂いのロールオンアロマ

アーモンドスイートオイルを買った。
そして間違えてロールオンタイプの香水瓶を買った。
なのでロールオンパフュームみたいなのをつくってみた。

香水としてはあまり香り立ちがよくないし、持ちも良くない。

けど、肌に塗ったときの香りは好きだ。
最初のイメージでは甘すぎない花の香をつくるつもりだった。たとえば、ツツジのような。

ローズゼラニウムを少し
パチュリを少し
マジョラムスイートをメインに
ベルガモットで最後の仕上げ

できたのは、少し甘く、でも香水にするには野性味がありすぎるものになった。

肌に乗せると、懐かしい、と感じた。懐かしい? なぜ? 思い出したのは、古い薬箱、おばぁちゃんの家の曇硝子、真夏の日差しと、小学校のグラウンドの土手の藪につくった、秘密基地。秘密を知っている子どもたちはたぶん50人くらい。もはやただの藪の中の休憩所。

これは、美しい思い出。小さな、忘れかけていた、忘れても良いような、どうでもいい、でも悲しみは一滴も入ってない、思い出。

このロールオンアロマは、私だけのものにする。

少し青みのかかった綺麗なグリーンの小瓶。
名前は「余韻」にしよう。

おはよう、余韻。今日は日付が変わる頃にしなければならない仕事があるけど、藪の中を走っていたあの頃を思い出して、あのエネルギッシュな怖いもの知らずの動物的強さでもって、がんばるよ。

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