𝕀𝕞𝕒𝕘𝕚𝕟𝕒𝕣𝕪 𝕊𝕚𝕓𝕝𝕚𝕟𝕘𝕤* - 空想の兄弟

ひとりっこ、シングルマザー家庭、カギっ子。

そんな環境で育ったわたしの家での遊び相手は、「本」「ぬいぐるみ」「テレビゲーム」「おえかき・うつしえ・ぬりえ」「おりがみ・工作」「幼児向けドリル・クイズブック」「人形を使ったままごと」「ドールハウス遊び」……。
思えば、ひとりっこのおうち遊びは、想像力や空想力、アイディア力の必要なものが多い。ある意味、自分自身と遊んでいるようなものだからだ。

Imaginary friend（イマジナリーフレンド）

イマジナリーフレンド（英: Imaginary friend）とは、「空想の友人」のことであり、心理学、精神医学における現象名の1つである。イマジナリーコンパニオンと呼ばれることや、IFと略されることもある。
出典：フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

こどものころ、空想上の友だちを持っていた人は、少なからずいるのではないかと思う。
これは、発達心理学的にも認知されている現象である。

通常、児童期にみられる空想上の仲間をいう。イマジナリーフレンドは実際にいるような実在感をもって一緒に遊ばれ、子供の心を支える仲間として機能する。
空想の中で本人と会話したり、時には視界に擬似的に映し出して遊戯などを行ったりもする。
主に長子や一人っ子といった子供に見られる現象であり、5〜6歳あるいは10歳頃に出現し、児童期の間に消失する。
出典：フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ひとりっこだったわたしも、もれなく空想上の友だちがいた。
まだ両親がいっしょに暮らしていたころ、父親に買ってもらったキタキツネのぬいぐるみは、いつだってわたしの一番の親友で、話し相手だった。

やがて、多くの児童向け小説やファンタジー、漫画などを読むうちに、想像力が養われていき、自分でもあれこれキャラクターや世界観を創作するようになっていった。

小学校中学年のころだと思う。
コンビニでゲーム雑誌を買うと、プレイしたこともないゲームのキャラクターの絵と名前の記事をハサミで切り取って「空想ノート」に貼り、恋愛相関図を考えたり、ストーリーを勝手に考えたりしていた。
そんな（ちょっと変わった？）こどもだった。

Imaginary Siblings（イマジナリーシブリングス）

「りぼん」を愛読しており、吉住渉先生の『ママレード・ボーイ』や『ミントな僕ら』に出てくるような兄弟関係にあこがれを抱くようになり、やがて「自分に兄弟がいたら……」という空想をするようになった。

それが、イマジナリーフレンド（空想上の友だち）ならぬ、イマジナリーシブリングス（空想上の兄弟姉妹）になるのに、ほどほど時間はかからなかったように思う。

兄弟構成は、男男女女の４人。自分は3番目の長女という位置づけ。
自分を基準にして、3個上の兄、2個上の兄、1個下の妹という設定だったことが、未だに鮮明な記憶として残っている。

とにかく凝り性だったため、空想ノートには、兄妹たちの性格設定だけでなく、家の間取り図まで書いていた（笑）

それぞれの性格設定をnoteにも記録しておきたいと思う。

長男：春樹（はるき）

自分より3つ上という設定で、元気で明るいやんちゃな性格。
今は、陽キャラなんて言うらしいが、当時でいうところの「上グループ」に属しているような、学年でも派手で目立つ存在（ヤンキーまではいかない）。
友だちも多く、みんな家によく遊びに来る。彼女が良く変わる。
リーダーシップはあるが、長男として我慢することも多かったため、本当の感情は押し殺しがちで、実のところ何を考えているかわからないような部分もある。

下の弟妹たちをかわいがっているが、1番お気に入りは、内気で落ち着いた性格の1番下の妹・あやめ。すぐ下の弟・文とは性格が違いすぎるので、つるむことは少ないが、仲が悪いわけではなく、どちらかというと一目置いている。上の妹・紫暢とは、よくケンカになるが、軽口をたたきあえるのが楽しいらしく、ふざけあっているようなものなので、むしろ仲が良い。
弟妹たちからは、「はるにい」「おにいちゃん」と呼ばれている。

次男：文（たくみ）

自分より2つ上という設定で、寡黙で慎重なタイプ。文武両道。
顔が良いのでモテるが、人とのコミュニケーションが苦手なので、クラスの中心にいるタイプではない。友人関係も狭く浅い。

兄・春樹は社交的で我が道を行くタイプで、親は1番下の妹・あやめにかかりきりだったので、無意識ながらも、すぐ下の妹・紫暢は自分が守らなければ……と思って育ったため、紫暢とは仲が良く、家族の中でも特に心を開いていて、かわいがっている。
兄からは「たくみ」。妹たちからは、「たくにい」「にいに」と呼ばれている。
紫暢からは幼いころ、「ちゃーちゃん」（ちっちゃいおにいちゃんが言えずに短縮されたもの）とも呼ばれていた。

長女：紫暢（しのぶ）

わたし。

社交的な部分もあるが、基本的には人見知りで警戒心が強い。ただし、一度気を許した相手には、犬のようになつく。
クラスの「上グループ」にいるが、中心にいるアイドル的存在というよりも、ご意見番で場をまとめる世話焼きタイプを担っている。
外で気を張っている分、家では感情的だったり、わがままな部分もある。
本来は、さみしがりやの甘えんぼうで、すぐ上の兄・文だけには、素の姿を素直に見せることができる。

兄たちからは名前で呼ばれ、妹からは「おねえちゃん」と呼ばれている。

次女：あやめ

自分より1つ下という設定で、末っ子ながら落ち着いていて控え目な性格。
兄妹の中のバランサーで、優しくて気配りができるものの、ちょっぴり優柔不断。姉の背中をついて歩くような内気な面がある。

年が離れているせいか、長男・春樹から娘のようにかわいがられていて、仲が良い。次男・文とは、性格的に共通する部分も多いのだが、たがいに寡黙なため、2人の時はあまり会話が続かず、仲が良いとも悪いとも言えない。
姉・紫暢に対しては、あこがれも強いが、同時に劣等感も感じている。おたがいに信じあって頼りあっているような次男・文との関係性や、軽口をたたきあえるような長男・春樹との関係性を内心うらやましく思っている。

兄姉たちから名前で呼ばれている。
（ただし、妹だけは設定がブレがちで名前も良く変わっていた）

空想上の兄妹たちとの生活

そんなわけで、かなり細かな性格設定がされていた。

母親が保育士をしており、朝が苦手な母親は遅番のシフトが多かったため、帰宅時間は21時過ぎになることも多かった。
小学校を下校してから1人の時間が長いため（4年生までは学童を利用していた）、兄妹たちとの時間を想像しながら過ごしていた。

兄妹で遊ぶのは、テレビゲームやテーブルゲームの対戦など。お菓子やアイスを食べながら、映画を見たりして、時間を過ごしていたような気がする。
買い物なんかにも一緒に出かけていたな。
2人ずつの当番制ということにして、料理を作って、みんなで食べたり。

長男の友だちが遊びに来ている呈で振る舞ったり、時には他の兄弟は出かけていて次男とだけ過ごす日があったり。
妹とだけショッピングに出かけたり、恋バナをしたりするような日もあった。

そのうち、この子たちをメインキャラクターにして、小説を書いてみたいな～と思っている。