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【快楽の果てにあるもの】

夏の日暮れの
残光は

尽きることなき
情熱を

にわかに
蘇らせる

嗚呼

太古より

名もなきワレワレの
名もなき祖先たちは

そうやって

来る日も来る日も
懸命にはたらき

子や孫や
遠い未来の
子孫たちの

幸福な未来を
思い描きながら

樹木を植え
田を耕し

豊かな大地や
清浄な水と大気

自然の恵みに
感謝を絶やさず

人と人との
和を大切にし

その生を
つないできたのだ

近代という
言葉の魔法は

そのすべてに
対価を要求し

まさにそれこそが
先進文明である
富裕の証明だと

あらゆる手段を
つかって
誘い込んできた

そう

味覚を娯楽を睡眠さえも
快楽の極地へと
昇華させてきた

この計画の
緻密かつ壮大なことは
この200年にわたる
出来事をつぶさに
観察してみれば
一目瞭然

考えてみれば
200年もの間
生きている人間など
いるはずもなく

この実行者は
数百年単位での
計画案を遂行している
ことになる

つまり

その立案者は
ヒトではない可能性もある

さて

名もなきワレワレは
このままもくもくと
あの崖に続く道へ

みんなで墜落すれば
こわくない

とばかりに
思考を放棄したままで
お手てつないでゆく



ね 💀










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