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子供の泣き声が大きすぎて、児童相談所に通報された話から1年。作家である母が幼稚園の先生に長い長い手紙を書いた話。

○○幼稚園 年少さん担任 K先生 M先生へ 

こんにちは。ペン子の母の、梢と申します。

改めて自己紹介ですが私は筆名、南々井梢として、作家、ライター業をしております。

この度は我が子、ペン子のお取り扱いについての相談(愚痴)です。
毎日毎日、先生方には大変なお手間をかけていることかと思います。
我が家でも毎日朝晩2回は必ず大癇癪がありまして、その嵐がたった今過ぎ去ったところです。

娘のあまりの強情、頑固さには、赤ちゃんのころから手を焼いておりました。
泣き声のすさまじさから虐待を疑われ、1年ほど前にはご近所に児童相談所に通報されたほどです。

最初の緊急事態宣言下でのできごとですが、娘は見ての通り大変健やかですので、疑惑は即時晴れたのですが…。
それについての私の記事が反響を呼んだので、お時間あるときに(笑いながら)読んでいただければと思います。


生まれて以来ずっとあの調子なので、反抗的な態度もイヤイヤ期というよりもはや本人の気質かと受け入れております。
あのような度を越した強情さとワガママ、怒りっぽさで、先生方、お友達にご迷惑ばかりをおかけしているのではないかと、親として本当に気が気ではありません。
ちなみに家ではさらにパワーアップ猛獣化するので、親の私は正直お手上げ状態です。

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娘は、とにかく、人からの指示を受け入れることができません。
起床から朝の準備、食事、お風呂、就寝に至るまで全部の声かけを100%拒否するので、怒りを通り越して親としては悲しいほどです。

起きる時間だから、起きなくてはいけない。
食事の時間だから、食べなくてはいけない。

といういわゆる決まりごとに従うつもりがさらさらないようで「起きたければ起きる」「お腹が空いたら食べる」という自分の欲求ベースでしか稼働しません。

その上、ものすごく生理的欲求に疎く「食べる」「トイレに行く」「寝る」に対してまるで関心を持ちません。というか、どれも毛嫌いする傾向にあるので、声かけする親も本人もひどくストレスを感じます。

私は、この3つの本能が大人よりよほど強いのが子供だと思っていたので、正直驚きました。

娘は基本的に「お腹が空いた」と感じることがないので(1歳4ヶ月の断乳まで、離乳食もまるで食べず、食事は9割以上母乳でした)、「夕飯だから帰ろう」「おうち帰ってお昼ごはん食べよう」がまったく響きません…。

私は空腹のあまりイライラが募るので、幼稚園のお迎えや公園遊びの前に食事をするようになったほどです。

また、大人よりトイレが遠いですし(12時間くらざらに行きません。なんと1歳で就寝中のおしっこはなくなり、おねしょをしたことがありません)、眠るのも大嫌いです。

家ではそんな状態なので、幼稚園でも、また3月まで通った保育園でも、他のお友達よりは自由気ままにすごしているとはいえ、一応は決まった時間にお昼ごはんを食べるなどしていることが、親としては信じられないほどです。

またプライドが高く、指摘されること、叱られることが大嫌いで、いわゆる逆ギレがすごいです。
何事も絶対に自分が正しいと思っているので、とにかく否定されることが悔しい。
それもあって、納得しなければ絶対に謝りません。

私も子供に謝罪を強制することを正しいと思っていませんが、当然反省しなければいけないこともあります。でも、プライドの高さゆえ娘は何度指導しても「ごめんね」ができません。

一般的にママから大激怒された子供は最終的に「ママーーーごめんさないーーー!」と大泣きする様子をよく見かけるのですが、ペン子は、どんなに私から叱られ、激怒されても、大泣きしながら「謝らない!!ごめんなさいしない!!」です。

幼児期特有のあまのじゃくももちろんあると思います。無理難題をふっかけて、(夜10時過ぎてから、ホットケーキを作りたいとか、朝6時にコーラが飲みたいとか、だっこしたまま自転車漕げとか、謎の無理難題を従うまで泣き怒り主張し続けます)親の反応を試しているのかとも思います。

本人は心優しいディズニープリンセスに憧れていますが、傍若無人なわがままで人を振り回す様子は、まるでかぐや姫のようです…。

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この扱いにくさ、こだわりの強さ、怒りっぽさ、癇癪は、発達に問題があるのでは?!と心配になることも正直あります。
ただ、語彙力も理解力もあり、器用で、記憶力は唸るほどです。なかなか頭は良さそうなので、問題はそこではないような気がしています。

本当はとても優しい子です。ひょうきんで、想像力も豊かです。
お手伝いも好きで働き者で、努力家で頑張り屋なところは、我が子ながら尊敬しています。

なのに、あの怒りっぽさとワガママのせいで誤解されるのが気の毒でなりません。

また、自分の不機嫌やワガママで人を支配するようになって欲しくないのです。

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不妊治療の末に体外受精で授かり、切迫流産での入院を経て、緊急帝王切開の高齢出産で授かった待望の一人娘です。
これでもかというほど愛情を注いで育てるつもりだったので、ワガママもご愛嬌だなと覚悟はしておりました。ただ、ちょっと想像を超える展開ではありました。

K先生、M先生、他の先生方、お友達、みなさんが懲りずに愛情たっぷりに接してくださっていることが、娘と私にとって何よりの救いです。

ご覧の通り、親の私でも見惚れるほどの(?!)可愛い子です。「かわいいって得だな」としみじみ感じます(笑)
先生方の「ペン子ちゃんは、かわいすぎて許しちゃう」は、私と夫にとって救いの言葉だったりもします!
娘はプライドが高いと同時に、とても自己肯定感の強い子で、「自分は尊い」ことを(良くも悪くも!?)理解しています。

それは、先生方が、まっすぐに「かわいいね」「おりこうさんだね」と愛情を伝えてくださっているからです。

とりとめもなくなってしまいましたが、お伝えしたかったのは、お詫びと、感謝と、愚痴と(笑)、誤解されやすいであろう娘の本質を知っていただきたくてお手紙を書かせていただきました。


家庭での指導もしつけも、必死にしているつもりですが、行き届かないことばかりです。私も夫も親として娘と一緒に成長できるように努力いたしますので、これからも娘ともどもご指導よろしくお願いいたします。

最後に。

私は▲▲幼稚園出身※娘の幼稚園と姉妹園(1987年卒)です。
K先生に「ペン子ちゃんは、怒るとロッカーに閉じこもってしまう」と聞き、幼稚園児時代の自分の記憶がフラッシュバックし、卒倒するかと思いました。

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(※娘が持っているこの写真は、幼稚園のお泊まり保育で、大好きな先生にカレーを食べさせてもらっている子供の頃の私です)

当時の私も、機嫌を損ねると、一日中机の下に隠れて過ごしたり、トイレに閉じこもったり、うまく集団に溶け込むことができませんでした。

ただ、先生もお友達も優しくそんな私を受け入れてくれて、みんなと一緒にお遊戯ができない(する気持ちになれない)私を「こずえちゃんは、ここにいていいよ」と、先生が弾くピアノの椅子に一日中一緒に座らせてくれたり、特別に1人だけ机の下でお給食を食べさせてもらったり、先生と秘密のお手紙のやりとりをしたり、大らかだった時代ということもあって、いつでも気持ちを尊重してもらいました。

K先生、M先生から、娘のマイペースな振る舞いを温かく見守ってくださっているとお話を聞き、当時を思い出すとともに本当に感謝しています。

ペン子の母である私は、娘と同じくマイペースでわがままで強情で強調性のない子供でした。
みんなでお遊戯するより、本を読んだり、絵を描いたり、想像の中で遊ぶことが大好きでした。

ただ、幼少期にそれを一切否定されることなく良いところを伸ばしていただいたおかげで、こうしてぶれることなく好きなことを貫き、作家になることができました。
その土台を築いてくださった幼稚園の先生方には本当に感謝しています。

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性格が私とよく似た娘が(顔はパパ似ですね!?)、幼稚園で素敵な先生方と出会えたことが、きっと彼女にとって、大きな道標になるのだと私は身を持って確信しております。

私は、幼稚園に入園した翌日から、先生とこっそりはじまった文通が、私のベースを作っています。
クラスのみんなと同じように先生に抱きついたりできなかった内気な私は、「せんせい、だいすき」と書いたお手紙を入園式翌日に渡したこと、そしてお返事のお手紙をもらったこと、そのやりとりが続いたこと、今でもよく覚えています。

K先生、M先生の深い愛情に触れる中で、そんな温かい思い出が蘇りました。

娘の相談(愚痴)ついでの自分語りになってしまいましたが、一度ゆっくりお話させていただきたいと思っていましたので、状況を鑑みてお手紙とさせていただきました。

これからも、どうぞよろしくおねがいいたします。


娘の母 南々井梢


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