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【広島4コマ】けっこう奥が深い広島市内3つの美術館


イラスト担当のかわずです。

僕が描く4コマ作品の舞台は、広島市内にある架空の専門学校。これは僕自身が市内のデザイン系専門学校へ通っていた経験がモチーフとなっていますが、学生時代は「キャンパスメンバーズ」という制度で市内の美術館に無料で入れる、という恩恵を受けていたため当時よく通っていました。

今回はそんな広島市内にある美術館をご紹介します。市中心部には主に3つの美術館があり、それぞれがコレクション内容で担当を分けているのも特徴です。


近代洋画コレクションと、誰もが親しみある企画展が売りの「ひろしま美術館」

4コマ作品でも2人が訪れているひろしま美術館は1978年に開館した、広島銀行による民間の美術館。

日本でも大人気のフランス印象派を中心とした西洋絵画コレクションがメインで、日本近代洋画や日本画も展示。

目玉はひまわりでおなじみのゴッホが最晩年に描き、“塗りつぶされた黒猫が実は作品内に存在している”などミステリーも多い「ドービニーの庭」。そのため館内のグッズショップは黒猫グッズも多く、カフェにも黒猫の絵が使われています。

一方で、誰もが幼い頃に触れたであろう国内有名絵本作家の企画展が不定期に開催されているのも特徴です。


地元にこだわり、大規模巡回展も開催される「広島県立美術館」

市の中心部、八丁堀交差点から白島線沿いに進むと見えてくる立派な美術館が、県が運営する「広島県立美術館」。1968年に開館し、現在の建物は1986年に完成したもの。

主に地元広島ゆかりの作家作品や日本・アジアの工芸品、戦前(1900年代初頭)のコレクションが所蔵されています。

えぐいくらいの人入りだった記憶・・・

また、公立美術館で展示設備が県内屈指なのもあり、全国で巡回される「ジブリ展」「藤子・F・不二雄展」などの、バックが巨大で多くの来場者数が見込めそうな大規模企画展もこちらで行われることが多いです。

地下にある「県民ギャラリー」は主に地元団体による企画展や発表会などに利用されており、僕が通っていたデザイン学校で年1度ある作品展示会も、こちらで開催されています。広島で創作活動を行う人々の身近に存在する美術館ではないでしょうか。

この場所にはかつての広島藩主、浅野家の別宅があり、その敷地内にある庭園「縮景園」は海外からの観光客にも大人気のスポット。美術館から直接の出入りも可能でセットで楽しむ利用者も多いようです。


豊かな環境で現代アートが存分に楽しめる「広島市現代美術館」

掲げられてる鯉のぼりは、岡本太郎の作品

広島市中心部のそばにある、標高70メートルほどの高さの比治山。一帯は「比治山公園」として市民の憩いの場となっています。その山頂にあるのが「ゲンビ」こと広島市現代美術館。公立では初の現代アート専門美術館として広島市により1989年に開館。以来国内外問わず、戦後の美術作品や新進気鋭のアーティストの作品が展示されています。

近年改装工事が行われ数年間休館ののち、今年春にリニューアルオープン。その時ちょうど帰省していたのでオープン直後に母と訪れましたが、難解な現代アートを誰もがわかりやすく楽しめる工夫が随所になされており、当日は戦後の広島に長く存在する「看板のフォント」に注目し、それらを「アート」「デザイン」の目線で見ることで、リニューアルの際の売店やコインロッカーなど美術館施設のデザインに活かした・・・という企画の紹介展示がされていました。

左下の「プ」は、たぶんお好み村内のお好み屋だな・・・
ボールメーカー「モルテン」の“モ”の字。

確かに「このデザイン、どこかでみたような・・・」と長く広島に住む地元民なら思ってしまうような好奇心に溢れる展示だらけでした。

新たに誕生したオープンカフェでは、皆がワイン片手にランチを楽しんでおり、中には慣れた感じの外国人の姿も。東京や大阪のオシャレシティでありそうな光景が広島の比治山で繰り広げられている・・・少し不思議な気分でした。


そもそも平和都市として世界的知名度の高い広島。
芸術を通して世界に平和やメッセージを伝える、というのはこの先
も大切なことなのかもしれないですね。今回紹介した3つの美術館はどこも市内の狭い範囲に集約されているので、ぜひ覗いてみてください。


過去の広島4コマ作品はpixivで全て読めます。ぜひどうぞ。↓