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「サステナブルライフ」を読んで

大山千春さんの「サステナブルライフ」を読みました。

大山さんには、1度だけ何かのイベントでお会いしたことがあるのですが、ガーナで起業した女性です。ガツガツした女性起業家から刺激でも受けようかなと思って読んでみたものの、良い意味で裏切られました。全然ガツガツ・バリバリ系ではなく、肩の力をぬいて、私も無理なく幸せに生きていこう、という気分になりました。

大山さんは31歳で舌ガンになり、手術をし、そこから、自分の体質を変えない限りは、またガンを生み出してしまう、と考え、食生活を見直します。

「体に取り入れるものが、体になる」

加工食品に含まれる食品添加物が、腸内細菌にダメージを与え、免疫力を下げるのではないか。「食品の安全」を考えるとき、均質で長期間保存できる安定したものが求められる一方で、食品添加物の少ないナチュラルな食品も求められるのではないか。「西洋医学」と「東洋医学」その両方の良さを活用する治療がサステナブルではないのか。大山さんの実体験から来る色んな言葉は、とても示唆に富んでいます。

「雨の日は、雨の日の過ごし方を」

ガーナでは、雨の日は交通手段のトロトロが止まって、仕事も休まざるを得ない人が普通にいる。雨の日にまで、無理して晴れの日と同じように働かなくてもいいんじゃないか。震災が起きても無理してまで出勤しようとする日本人にガーナ人はびっくりしてた、という話を読んで、ほんとにそうだよな、日本人は真面目すぎて、ストレスばかり抱えて、疲弊してるよな、もっと日本人も肩の力抜いて、雨の日は休む、くらいに大らかになってもいいのにな、という気分になりました。

「あんたね、いい年になったら結婚して子供を産むのよ。何でって、あんたのお母さんがあんたを産まなければ、あんたは今ここにいないでしょう。だからあんたも産むのよ。」あんたは今ここにいて幸せでしょう。だから、そんな一人を送り出すのよ。与えられたその生を、ただ生きれば良いのです。

ガーナ人から大山さんが言われた言葉。なぜか私の心に優しくストンを落ちました。私自身は、不妊治療を苦しみながら続けていて、子供を産む意味って何だろう、産まない人生もあるのかもしれない、とずっと悩み続けていたのですが、生きていて幸せなら、そんな一人を送り出すのよ、という考え方が、何だかとてもシンプルで、優しさに包まれているようで、いいな、と思いました。産むべきか否かを難しく考えるでもなく、産むっていいじゃない、と。でも決して、産まない生き方を否定せず、そこも包み込んでくれるような、そんな温かさすら感じたのです。

素直に、私も「サステナブルライフ」を送りたいな、と思わせてもらいました。

自分自身が、無理なく、肩の力を抜いて、自分らしく生きていきたい、と。

大山さんは、ガーナで起業し、ガンになって、そこから日本社会を見ると、色んな違和感を覚えたと書いています。それは、食であったり、医療・薬のあり方であったり、働き方や他者との関係であったり。その違和感は、私も今日本に暮らしていて、共感するのです。もちろん豊かで便利で平和な日本は大好きだけれど、どこか閉塞感があって、心も体も病んでいくような。もっと違和感なく、みんなが無理なく幸せに生きていけるような社会であってほしい。私自身のために、日本社会のために、サステナブルなライフを追求していきたいな、そんな風に思えた1冊でした。


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