#過去
過去の1場面物語~とある者の独白~
最初に思い出すものと
最後に思い出すものが
一緒というのは幸せだと僕は思う。
僕は始まりの為にいたから
始まってしまった今、終わらなければならない。
あの薄暗く湿った空間で君が目覚めたあの日から
「サヨナラ」に向かって僕は歩きだしていたんだ。
子供達のお喋りする声や
僕の親代わりの人との生活
自分が何者なのか悩んだ日々
そして、君が僕を呼ぶ。
それは、始まりの終わり。
終わりから始まりが
過去の1場面物語~ある人の独白~
私は……間違ったのだろう。
そう思う。
此処は何時でも薄暗く湿っている。
手元を照らすライトが唯一の光だ。
暖かな陽の光を見たのは何時だったか。
私がそれを見る事はもうないのだろう。
それが私の背負った罪なのだから。
滑らかな背中に手を当てると
体温らしい体温を感じる。
それにホッと胸を撫で下ろしながら
私は直し続ける。
何故、こんな事になってしまったのか。
私はこうなると知っていたのではな
過去に書いた1場面物語。題名はなかった。
「べつに 好きにしな」
呆れた顔に、呆れた感じの溜め息。
言って直ぐの煙草。
見上げるくらい長身。
ちょっぴり長めの髪が夕日で赤に染まる。
隣を歩く。
ここにいたるまで
どれだけ私が苦労したことか。
別に駄目とか、嫌だとか、彼女がいたとかはない。
私の一人気遣いの結果だ。
しかし、
最近気が付いたのだ。
気遣いがすべて無駄になる。 と言うことに。
だから
「勝手に彼女ですって言っち