2022年12月の記事一覧
過去の1場面物語~小さな夢の生まれる夜空~
これは1場面物語の独白の間。
過去→ある人の独白
未来→ある者の独白
そして今は小さな歩み。
埃っぽい棚にある埃っぽい箱を開けてみた。
そうしたら、中にはそれが入っていた。
私はそれを優しく撫でて埃を払った。
少し冷たくて、とても軽い。
「それなぁに?」
私の後ろにくっついてきた子達に
そう聞かれて皆の目の前でそれを広げた。
サラサラという音と共に柔らかく広がったそれは
ランプの光をうけて
過去の1場面物語~とある者の独白~
最初に思い出すものと
最後に思い出すものが
一緒というのは幸せだと僕は思う。
僕は始まりの為にいたから
始まってしまった今、終わらなければならない。
あの薄暗く湿った空間で君が目覚めたあの日から
「サヨナラ」に向かって僕は歩きだしていたんだ。
子供達のお喋りする声や
僕の親代わりの人との生活
自分が何者なのか悩んだ日々
そして、君が僕を呼ぶ。
それは、始まりの終わり。
終わりから始まりが
過去の1場面物語~ある人の独白~
私は……間違ったのだろう。
そう思う。
此処は何時でも薄暗く湿っている。
手元を照らすライトが唯一の光だ。
暖かな陽の光を見たのは何時だったか。
私がそれを見る事はもうないのだろう。
それが私の背負った罪なのだから。
滑らかな背中に手を当てると
体温らしい体温を感じる。
それにホッと胸を撫で下ろしながら
私は直し続ける。
何故、こんな事になってしまったのか。
私はこうなると知っていたのではな