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日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! Japan Customer Success Community(JCSC) #11

〜顧客成功のために僕ら(トレタ)が辞めた4つのこと〜

▶︎内容

・オンボーディングで4つのことを辞めたら、オンボーディング卒業率がUPした!?
・再オンボーディングはやっぱり難しい。だから初回オンボーディングは外せない!
・自社だけではなく、パートナー企業を巻き込んでできるサクセスは?  等


登壇者:
トレタ株式会社 カスタマーサクセス部 部長
鈴木 高太郎さん(背骨は営業の方!トレタがマンションの一室時代から!プレゼンは一期一会!前々週に骨折マン!心理的安全性担保の神!圧倒的なマネジメント力!)

パネリスト:
株式会社SmartHR 執行役員・VPカスタマーサクセス
高橋 昌臣さん


▶︎トレタについて
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・飲食店向け予約管理・顧客管理
 ー マケットシェアNo1
 ー 紙の管理を、デジタルに置き換え
 ー 顧客台帳を、iPadを使ってすっきりと管理する
・カスタマーサクセス
 ー インサイドCS、ハイタッチCSに分かれている
・一人当たり1000店舗担当
・アイドルタイムの3時間にしかお客様とコミュニケーションが取れない!


▶︎実施した4つのこと
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1)オンボーディングの歴史
2)機能説明をしないことへの決断
3)お客様のところにいかないことの決断
4)人が説明しないことへの決断

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1)オンボーディングの歴史

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▶︎オンボーディング完了の定義
・「以前まで使っていた予約台帳が無くなったら」完了としていた
 ー 紙台帳 → 直接iPadに置き換わっているか。(転記×)
・電話とメタベースで、顧客管理を行なっていた。
 ※定着については別の指標を見ている

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2014〜 無我夢中期
 ー 獲得・オンボ・サポート全部なんでもやってあげた
2015〜 CSチーム発足
 ー みんなのやり方がバラバラ、オンボの成功率もばらばら
 ー 人によって、成功率に30%の開きがあった。
2018〜 リモート期
 ー オプションが増えてオンボーディング対応が激増!
 ー メンバーからは「もう限界です」の悲痛の声
2019〜 セルフ期
 ー 動画で顧客に事前学習をしてもらう
 ー やっと、オンボーディングループを脱出!


2)機能説明をしないことへの決断

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▶︎顧客の課題
・人は「7つ」までしか覚えられない
 ー 説明を行うときは、7つまでに絞って設計しないといけない。
・現状のオペレーションにフィットするか心配
・日々の業務で疲れ切っちゃう(寝ちゃう)

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▶︎型作りのためにCSを分析
・ハイパフォーマー
 ー 顧客の状況に合わせて柔軟に対応していた
・ローパフォーマー
 ー 今節丁寧に多くの機能説明をしていた

▶︎どうすれば顧客に合わせて、柔軟に対応ができる型をつくるのか?
・機能説明の時間を60分>15分に短縮!
・必要最低限の説明、短縮を行なった
 ー 便利機能の説明はしない!
 ー 「ちなみに○○できます」をすべて排除!お客様に伝えるルートはひとつに。
・代わりに、質問タイムを設けた
 ー 質問=相手のオペレーション
 ー 相手にとって必要なことだけが、質問されつ
 ー コミュニケーションが生まれて、信頼関係が構築される
 ー 重箱の隅をつつくような質問が無くなった

▶︎一方でネガティブなこと
・説明が簡単すぎてセールスに簡単すぎて、引かれた
・2タッチ目には、便利機能はお伝えします!
・人は「7つ」までしか覚えられないのだ!

これらを実施することによって、ハイパフォーマーと、ローパフォーマーのオンボ成功率は30>10%に縮まった


3)お客様のところにいかないことの決断

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▶︎顧客の課題
・すぐに問題を解決したい
・早く使いたい

▶︎2017年CSの課題
・CSMは8名いたが、全然納品ができない。
 ー 契約から2ヶ月待ち!
 ー コミュニケーションをとるのも一苦労
 ー セールスから4名もお借りして、なんとか顧客対応。
 ー 数週間、地方に張り付き状態
 ー CSが獲得のボトムネックになってくるまずい状態に・・・

▶︎インサイド型のサポート実施を決意
・逃げ場がないように環境整備をした!!
 ー リモート用にデスクを改造することで、やっとワークしはじめた
・インサイドに振り切るポイント
 ー 心理的なハードルを下げる 「行ってもいいけど、一旦、リモートでやってみましょう」
 ー 訪問未経験のメンバーを混ぜる
 ー やらなければいけない環境をつくる

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・インサイドで平均オンボ率が5%↑
 ー 2タッチ→4タッチ(14個→28個の情報をゲット)
 ー 26日間→14日間

・オンボーディングの細分化
 ー 難しいスキルが必要ないところを外部に委託
 ー トレーニングが必要な部分を社内で。

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4)人が説明しないことへの決断

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▶︎顧客の課題
・人間は贅沢な生き物である
・トレタの課題:メンバーの8割がオンボーディング業務になってしまった。

▶︎実施内容
・機能説明(大体同じ) / 定着フォロー(顧客ごと)
 ー 機能説明を動画化!
 ー 動画を見ていただくようになんどもPUSHする。
 ー 68%の視聴率

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・見るだけではなく宿題(入力)も行なってもある
 ー 平均オンボーディング成功率 4%↑
・オンボーディングにかかる日数:28日間→14日間→7日間
・やっとカスタマーサクセスに注力できるようになった!!!


まとめ

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パネルディスカッション

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Q 45分の質疑応答で、まだ何もサービスを使っていない顧客は具体的な質問が思い浮かばないこともあると思うのですが、そのような時にはどうやって質問を引き出しましたか?
A 質疑応答がないってことがあまりない。それだけ話していないと思っていただいて大丈夫。何日以内に切り替えますか?みたいなかたちで切り替えを煽り、焦ってもらう。質問がたくさん出てくる。今までの紙を切り替えなくても、回るけど、意思決定者に、あえて期限を短めに設定して。意思決定者と作業者とはコミュニケーションを別々になりがち(鈴木さん)
A 上長と現場担当者に同席してもらって、期限を決める(高橋さん)
Q トップダウンでの現場の反発はおさえられるのか?
A ある。職人気質な方がいた場合、10店舗中、9店舗を攻略し、動きづらい店舗を動かなくてはならない空気感に(鈴木さん)
Q リテラシーが低すぎる顧客のリモートオンボーディングで工夫したことは?
A 低いけど、今は上がっている!なんだかんだやれてんじゃんって人が増えている。いきます!とはいうけど、まずはリモートでやる方法をまずは提案。「できない理由を掘り下げる」また、提案する。マインドとしては「今、解決した方がいいじゃん」という考え方(鈴木さん)
A そんなに低い人はいない。労務担当者は給与ソフト、PC業務を使うので問題がない。BtoBtoEのEの活用支援の方が大変。担当者ベースでしくることはあまりない(高橋さん)
Q おいなりさん美味しかったです。
A 一回も食べたことがないちくしょう!(小林さん)
Q 機能説明を簡潔にすることはオンボーディングのためには合理的と思いますが、その後のサポートの負荷が上がりませんか?(いわゆるくだらない質問が大量に来ない?)
A 人は7個以上覚えられないので、結局、どんだけ詰め込んでもしょうがないので、サポートの負荷は上がらない(鈴木さん)
Q 1対1のオンボから1対nで、同じトレーニングを何社からに一気にやる。
A トレーニングしてから10分の1くらい楽になった(高橋さん)動画・トレーニングで十分成果が出せた(高橋さん)
Q オンボーディング成功率とチャーンレートの関係について、(可能な範囲で)知りたいです
A オンボ成功したら、チャーンレート下がる。チャーンしているほとんどがオンボ失敗!オンボの成功率がめちゃくちゃ大事。外部にオンボをお願いしていると、成功率は低い。LTVが低くなる。だから、オンボは外部に出しちゃダメ!!!社員がバリューが出せることは内部で。(鈴木さん)
Q オンボこけた顧客を再オンボーディングする?
A 書けない(会場では話していただきました。衝撃的でした。)(鈴木さん)
A チャーンの理由にオンボまでいきつかないこともがある。オンボしきれないことが課題(高橋さん)
Q 相手方でオンボーディングが止まるときどのくらいプッシュしますか?
A 4日間たったらPushする。「やりますと意思表示>やる>止まる」を3回繰り返したら諦める(鈴木さん)
A 予定より2週間過ぎたらメールでPush>さらにその1週間たったらメールでPush>だめならすぐ電話>それでもだめなら営業から連絡>それでもだめなら営業に戻す(高橋さん)
Q 営業さんにオンボ設定を営業さんにあげなおす。その時の最終責任は?
A 僕です(高橋さん)
Q 宿題やらない子は、どうやってすすめるのでしょうか?そのケースはそもそもセールスの手違いでご契約(セールスが無理やり)したので、放置プレイでしょうか?それともライザップ方式でしょうか?
A 動画を見なくても、普通にオンボがスタートします。動画を見ないからといって、オンボ成功率が低いかといえば、そうでもない。宿題やってる方々は、めちゃくちゃスムーズで楽。(鈴木さん)
A 早いタイミングで従業員さんにスマートHRを告知できている組織は、サクセスするには大事。巻き込める人かどうかが大事。(高橋さん)
A 会社でのコミュニケーションがうまくとれている成熟度はオンボに結構関わっている(鈴木さん)
Q 動画の後の宿題って、どんな質問を出してますか?
A 宿題がちゃんと終わっていれば、定着に向けてのフォローの質問になる。「どうですか?」くらいしか聞かない。宿題をやっている人はめちゃくちゃ具体的な質問をしてくれる(鈴木さん)
Q 動画は何かツール使ってますか??
A 正式なリリースの場合は制作会社に委託。自社で作成の場合はパワーポイントで作って、動画で書き出している。(鈴木さん)
A ScreenFlowというアプリを使って、動画を作成している。gifアニメも作れるよ!ナレーションもいれられる。おすすめです。(高橋さん)
Q トレタさんのハイタッチCSとインサイドCSのアクション内容を知りたいです
A ハイタッチは決裁者とのコミュニケーション、インサイドCSは導入推進者とコミュニケーションをとる。お店ごとにコミュニケーションをとるのを、訪問ではなくインサイドでやっている。(鈴木さん)
Q チャーンの7割はオンボーディングの失敗とのことでしたが、オンボーディングが失敗するときの1番の例とその原因を知りたいです。
A いろんなツールが同時に入った時、忙しくてそっちに手が回らない。決裁者の人を巻き込む(高橋さん)
A チャーンの原因は細かく見ている。その時の施策で毎回変わる。店長が異動して辞めていなくなるとか。相手が外国人のときもあり、ポケトークでオンボーディング〜アップセルまでやった。セールスの引き継ぎなくても、オンボーディングできる(鈴木さん)
Q 担当者変更はどうやって察知?
A 常に考えている。定期的なタッチで?機械的にやりたい。。。(高橋さん)
A 止まって4日間たったら、必ずコミュニケーションをとるので、店長が変わっていたことが発覚したりする。入力が止まったらすぐ連絡する。予約入力を見ていて、おかしなところがあれば、すぐ連絡。(鈴木さん)


以上です!
何より、鈴木さんの話がめちゃくちゃ面白くて、多くの名言が頭に残りました。お話の仕方も、勉強になった。
次回の登壇者はSaleceforceさん、ABEJAさんあたりかも!とのことでした!楽しみだ。



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