あの頃の私へ
何かが少しでも狂っていたら私の人生はどん底だっただろうと最近度々思う。
引きこもり界隈ならどこに出しても恥ずかしくないポンコツ引きこもり無職の私、それでも時代とは時に恐ろしいもので20年前の自分が今の自分を見たら「幸せで良かった!」と引きこもっていることに1ミリの疑問も持たなそう。専業主婦が今よりは市民権があったからね。
まず一つ目のミスを回避できたのは夫の前に付き合ってた人と結婚しなかったこと。今思えばどう考えても結婚にはならんよ?という関係性だったが年齢的に友達はみんな結婚していきかなり焦っていた。
数々のモラハラに目をつむり「専業主婦なんかさせない、通帳なんか渡すわけないと言われてるけど一緒にいるのは楽しいから」と「この人と結婚かな〜」とボンヤリ思っていた。でもある時目が覚めて別れることになる。まずここはほんとグッジョブだった。
二つ目のミスの回避は結婚10年目くらいの頃。私はひどいパニック障害で入院経験もある。発作がひどいと布団からも出られず家事も育児もできない、なんならトイレすら這ってしかいけない。家事は大嫌いだけど一応育児はまあまあ好きな私にとって育児がままならないことはガリガリ心を削っていった。その数ヶ月の記憶がごそっと抜けているくらいきついものだった。
もう離婚したい、親権は夫に渡して自分は生活保護なりで暮らそう。というか子どもを夫に渡して自殺しよう。私は子どもを捨てることを考えているような人間失格者だ。もう頭のことはそのことばかりだった。
あの時もし離婚を決行したとして、自殺もできなくてなんとか生きていたとする。その後どうなるのかなど想像しただけでおぞましい。
ひどい外出恐怖で徒歩3分のコンビニすら行けない私が職につけるわけない。生活保護ももらえなかったとする。当時の私ならお金のために再婚できないかなどと末恐ろしいことを考えたとしても不思議じゃない。
子どもを捨てた女が再婚?どの口がそれ言ってるんだ子ども捨てたんだろう?いいから死んでも働けいい加減にしろと言いたくなるがそのくらいまで地に堕ちていたのではないかと思うんだ。当然そんな魂胆で再婚してもうまくいくわけなかろう。さらなる地獄を見ただろうことは火を見るより明らか。
自殺できた方が百万倍マシな人生になったに違いない。
私は夫でなければ離婚していたタイプの人間だと思う。夫の根性とちょっとだけかっこよく言えば夫の深い愛で無事に息子も成人して結婚20年になり熟年夫婦となった。
精神疾患は癌とは違い同情はなかなか得られない。癌罹患後はお姫様のように扱ってくれる夫も当時はいつよくなるの?いつまでそうしてるの?とかなり罵られた。
けれども私も家族に食らいついた。息子が成人するまでは自分が死んでも育てきらなければ。もうやめたい、もう終わりにしたい。という本音と息子を育てる責任感とでいつもいつも交錯していた。
あの時の私に言いたい。あんたは褒められた人間じゃないけど、最低な人間だけど今やっている努力は必ず身を結ぶ。そしてその選択が一番正しいよ。と。
さわやかな秋晴れの中積丹ブルーを見ながら私は心から「今が一番幸せ」と胸を張っていえることに、支えてくれた家族に心から感謝したい。
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