勝手に返歌2:名刺代わりの一句へ返歌。
十六夜杯が近づいてまいりまして、また新しいプレ企画が出されております。
プレ企画「名刺代わりの一句」から私なりの返歌をまた返させていただきたいと思います。
ヘッダーはMiteiNaricoさんのもので飾らせていただきました:)
今回は…人じゃない物の気持ちにもなってみました。ふふふ。
先日返歌をいくつか詠ませていただきましたところ、私のリクエストに応えてくださった片思いさんの名刺からどうぞ。
◎片思いさんの名刺より
【七田の返歌①】
秋霖の落つる心はぬかるめど
君立つ地にて秘花咲くらむ
(しゅうりんのおつるこころはぬかれども
きみたつちにてひばなさくらむ)
季語:秋霖 ‐ 秋 (*秋の長雨)
文語
意味:秋の長雨が降り頻る心はぬかるむ事だろうけれど、
時を経て、その雨をもって
あなたの立つその場所に見たこともない美しい花が咲くことでしょう。
【七田の返歌②】
何処へとも行かず行けずの恋心
巡る中にも歩みあんなり
(どこへともゆかずゆけずのこいごころ
めぐるなかにもあゆみあんなり)
季語:無
自由?
意味:たどり着く場所があるわけも無しに
踏み出さなければ 踏み出せもしない そんな窮屈な想い
そんな巡る想いの中にも 「歩み」はあるようです。
どうでしょう片思いさん:)ふふふ。
片思いは雨に打たれる気持ちでも、雨なしでは花は咲かない。
片思いに限らずも、天降りものを沈みととるか、恵みととるか。。。
恵みにして見せると…そんな気持ちで未来の花を夢見て。
それが叶い花でも、破れ花であっても
どんな花であったとしても多分見たこともない美しい花として
人生の一頁を飾ってくれるはずです:)
◎とのむらのりこさんの名刺より
【七田の追い歌】
ママ見ずも丸目笑顔が背中押す
(ままみずもまるめえがおがせなかおす)
大きく見開かれた真ん丸おめめの下に ぐーんと引き伸ばされる母のくちもと…母の顔を見なくとも、母のそんな笑顔がある事をきちんと分かっているから、ママスルーできちゃうんですよね お子様もきっと:)
◎ゆずさんの名刺より
【七田の返歌】
逆さ吹き君を運びし風になり
~ 秋風より。(笑)
(さかさぶききみをはこびしかぜになり)
逆上がり…出来た時、鉄棒から眺める空に、髪を揺らす風。最高に気持ちいんですよね:)その秋風もまた、ちょいと逆さに吹くことで、「君」の追い風・運び風になれた事…きっと嬉しく思っているのではないのかなと詠ませていただきました。
◎月子さんの名刺より
【七田の返歌】
寄合の卓上ぽつんと残橙
誰かワシにも糖混ぜとくれ
ー 人参より。(笑)
(よりあいのたくじょうぽつんとざんだいだい
だれかわしにもとうまぜとくれ)
字余り。しかも2字…(笑)
残橙…勝手に言葉を作ってしまいました。ふふふ。
寄合の席でテーブルの上にぽつんと残る橙色のにんじんさん。。。
きっと”ワシもデザートにしておくれよぉ~”と叫んでいるに違いないと。。。(笑)。
◎これでも母さんの名刺より
【七田の返歌】
泪枯れ流すものをも無き者は
笑うのみぞと鈴が鳴る
(なみだかれながすものをもなきものは
わらうのみぞとすずがなる)
鈴が鳴く…この表現にグッときました:)
返歌では、鈴には「鳴く」でなく「鳴って」もらいましたが。。。ふふふ。
涙が枯れはてて、弱さを見つけたものは必ずそこから強さを生み出せるとそう思います。泣きつくした者の強さ…それは「あとは笑うっきゃない!」と気づくこと。それに気づけたときに きっとリンと鈴が心に鳴る事でしょう:)。
全てをカバーすることは出来ませんでしたが、十六夜杯で沢山返歌を詠めると嬉しいなと思っております:)
十六夜杯は9月25日から!!
今回もお読みいただきありがとうございました:)
七田 苗子