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私の備忘録#8 お米、9月には、足りなくなるんじゃない?

コメの卸売価格 コロナ前上回る
訪日客増で外食回復/昨年の猛暑影響も

農林水産省は、2023年産のコメについて、今年6月分の卸売価格(相対取引価格)を発表した。60キログラムあたり1万5865円で、6月分の価格としては、新型コロナ禍前となる18年産や19年産を上回った。昨年9月分の発表以降、価格がコロナ禍前を上回るのは初めて。

朝日新聞2024年7月30日
経済9

お米が9月には足りなくなる???

お米の値段が上がりました。農林水産省によると、農協や卸売業者などが保有する主食用のコメの6月末時点の在庫が、過去最低の156万トンになったそうです。

2024年7月31日の朝日新聞の小さな記事ですが、ちょっと待って。。。
この数字から計算すると、「お米、9月には、足りなくなるんじゃない?」という心配が起きました。

農林水産省が発表している2022年度の国民一人あたりのコメの消費量は50.9㎏でした。日本の人口(1.251億人)をかけ、年間のコメ消費量を計算すると、約637万tとなります。月平均で約53万t。
6月末で主食用の米の残りが156万tですから、9月末まで3カ月あるんですね。お米の量は丁度ということになります。

でも、たぶん大丈夫。。。
政府は備蓄米100万tを保有しています。
ざっくりですが、備蓄米は毎年約20万tを買い取り5年間備蓄し、5年を超えたものから飼料米として売却しているそうです。
この100万tという数字ですが、農林水産省は次のように説明しています。
「10年に一度の不作にも供給できる量」の目安だそうですが、
100万tは日本国民全体が約2カ月で食べきる量です。。。

政府の備蓄米について

政府としては、以前から、国民の主食であるお米について、不作の時でも国民が安定的に食べられるようにしていたところですが、1993年にはお米が大凶作(だいきょうさく)となり、消費者の方々がお米を求めてスーパーに殺到(さっとう)しました。

この経験を踏まえ、いつでもお米を供給できるよう、1995年からは、法律により、国によるお米の備蓄を制度化しました。

現在は、100万トン(10年に一度の不作にも供給できる量)を備蓄しています。

農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0012/07.html

私は以前取材したことのある米農家の方に、「お米は農家さんから直接購入できる」ということを教えていただきました。

都会に住んでいる方は難しいかと思いますが、地方の方でしたら、いざという時のために、お米農家さんとの交流があるとよいですね。

ちなみにですが、年配の方のお話しでよく聞くのが、戦後の食料難の話です。
都会では食料供給が不足し、着物などを持って地方の農家に食べ物をわけてもらいに行ったそうです。
ヤミ米を取り締まる裁判官が職業上の倫理観から餓死したという記事もよんだことがあります。。。つらい時代でした。。。

さて、今日は記事の冒頭に引用している朝日新聞7月30日より、「コメの卸売価格 コロナ前上回る」というタイトルの小さな記事から、疑問に思ったこと「コメの値段はどう決まる?」について調べてみました。

「相対取引価格」がキーワードなんですが、私にはわかりにくかったです。つまり、市場で取引されていなくて、全農等の出荷業者と卸売業者等販売業者が決めているんですね。
それでは適正価格かどうか判断できないということで、2023年10月にプラットホーム「みらい米市場」が開設されたようです。。。

調べた結果ですが、結局、お米の値段がどうやって決まっているのか、よくわからなかったので、引き続き、調べる必要がありの備忘録です。

お米のことを調べると、日本の食料自給率が低い事、その問題点、指標の違い(カロリーベースか生産額ベースか)について、食品ロスのこと、などに繋がっていきました。

日本のコメを海外へ輸出していることを今回初めて知りました。
どうして価格があがったのかを調べるため、「日本食人気のおかげでコメの海外需要を満たすために輸出した結果、国内が品薄になり、価格があがっているのではないか」という仮説を立て、資料をさがしてみましたが、価格が上がったこととの因果関係が見つけられませんでした。

お米の値段はどうやって決めているのか

お米の値段ってどうやって決められているのかわからなかったのでしらべてみましたが、農林水産省の資料で次の3通りの取引があることがわかりました。うち、①のコメ価格センターは国内唯一の公的な米現物市場だったそうですが、2011年3月末に廃止となりました。ちなみに私は③で、知り合いのお米農家さんからお米を買っています。

米の流通が原則自由化され、多様なルートを通じて、様々な価格で取引されている。
① コメ価格センターにおける入札取引(2011年3月末で解散)
② 全国出荷団体の相対取引
③ 単協等や生産者の直接販売

https://www.maff.go.jp/j/nousei_kaikaku/n_kaigou/05/pdf/data2.pdf
米の取引価格について
農林水産省 平成21年3月

相対取引価格とは

相対(あいたい)取引価格とは
米については、全農等の出荷業者と卸売業者等との間で、年間を通じて「相対取引」が行われています。
このため、農林水産省では、年間の玄米仕入量5,000㌧以上の全国出荷団体等を対象に、指標となる各産地の上位2~3銘柄(令和5年産米:118産地品種銘柄)について、出荷業者と卸売業者等との間で数量と価格が決定された主食用の相対取引契約の価格・数量を毎月調査し、米の取引価格の代表となる指標の一つとして公表しています。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/attach/pdf/mr-821.pdf
米に関するマンスリーレポート(令和6年7月号)
農林水産省

国内のコメ流通は、JAが農家から買い上げたコメを卸に売るルートが主体だ。JAがコメを買う際に払う「概算金」など集荷価格の動向が、卸や小売りの価格にも影響を与える。集荷価格は需給より生産コストや品種、銘柄に左右されやすい。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB133RN0T10C23A9000000/
「みらい米市場」10月に取引開始 神明など16社出資
日本経済新聞 2023年9月26日 21:49

みらい米市場 2023年10月に開設

お米の価格が適正価格かどうかわからないため、現物のコメをインターネット上の市場で販売する「みらい米市場」が昨年10月に開設しました。

https://rice-market.jp/

米の価格は、農協が発表する概算金や、農水省が調査・発表を行う米の相対取引価格などを基準としつつ、販売者と購入者間での個別の取引の中で決められてきました。以前は、大きな流れとして将来の価格動向が分かる「先物市場(将来の米の取引権利を売買する市場)」が試験的に大阪の堂島取引所に開設されていましたが、2021年8月に廃止になってしまいました。その結果、米の売買を行う事業者が共通で参考にできる価格の指標が無くなってしまいました。

つまり、基本的に米は生産者などの売り手と、米卸等の買い手の個別の商談結果にもとづき取引されているものの、その価格が適正なのかどうかは指標が無いため分からない、というのが現状だと言えます。そのため米の現物を卸売市場として透明性をもって売買できるプラットフォームが米の適正な価格検討において求められてきました。
(中略)
このような背景を踏まえ、開設されたのが「みらい米市場」であり、以下の機能を持つオンラインの米の現物市場です。

・ 生産者が「自分で価格(最低落札価格)を決めて」、競り(オークション)で米を売ることができる機能

・ 米の需要者(卸売業・実需者)が、「スペックを指定するなど、ニーズに合ったコメ(基本的に玄米)を探して、価格交渉して調達できる」機能

・ 「産地×品種銘柄」だけではない基準(品質・付加価値)で米が評価できる機能。例えば、小ロットの高付加価値米(特別栽培、減農薬、有機など)を評価して、オークションなどで価格を決めて取引できる機能

https://agrijournal.jp/aj-market/74336/
AGRI JOURNAL
農業が日本を元気にする

調べる力不足でお米の値段がどう決められているのかたどり着けませんでしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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