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統合失調症についてのちょっとした話

【想定している読者層】
・統合失調症に興味がある方
・症状に興味がある方
・心理支援に関心がある方


1. 結論

統合失調症の理解は難しいです。やはり「決めつけないこと」が大切だと、改めて考えさせられます。

2. 心理支援と統合失調症

 カウンセリングを行う際、まずいくつかの可能性を頭の中に置いておくことが大切です。
 例えば、普通、自殺念慮の有無を確認しますが、他に、うつ病、境界性パーソナリティー障害、統合失調症、服薬している薬等があります。これらの情報を基にカウンセリングを進めていく事になります。

 念のため、カウンセリングと聞くと「寄り添う」等の「否定しようのない善」みたいなイメージがあるかもしれませんが、実際には、いくつかの定型文がありますので、それをクライエントに投げかけてることが多いと思います。

 だからこそ、「技術」なわけです。例えば、「もし~だったとしたら、どうですか?」等があります。具体的には、「もし、今のあなたから、気分の波がすっかりなくなったとしたら、何ができるようになりそうですか?」といった具合です。

 そして、この定型文が、クライエントにとってマイナスになる場合がありまして、それが、上記「いくつかの可能性」だったりします。

 自分の内側に目を向けると、病理が悪化し、症状が出て、カウンセリングどころではなくなる、ということになっています。実際に、うつ病であれば聴けるのですが、統合失調症であれば、まず具体的な状況の確認が必要になるでしょう。
 そして、できるだけ医療につなげていくことが大切です。

3. 統合失調症と奇異

 統合失調症の目立つ症状の一つとして、妄想があります。なお、この記事では専門用語として厳密に妄想というワードを使いません。一般的に、妄想と聞いてイメージできるものとして考えています。

 どんな妄想があるかによって、パーソナリティー的な問題なのか、統合失調症なのか、ある程度、想定することができます。
 ちなみに、この妄想によっては、他害行為に及ぶ方もいまして、悲しい出来事に発展してしまう事がありますよね。残念ながら「よくある事」なんですね。

 さて、ではどのような妄想なのか、架空のものを書いてみます。

【妄想】
 ある姉は、妹に包丁を突き付けたり、お風呂に沈めたりする等、危険な行動が目立っていた。母が理由を尋ねても、暴れたり、逃げたり、大声を出したりするので、理由はよくわからなかった。
 ある日、姉は少し落ち着いていた。母がその時に、妹を殺そうとする理由を尋ねると、「妹は死ななければならない」、「家が燃えてしまう」、「私が悪いんだ」と言っていた。
 以上。

 さて、少し、支離滅裂な感じがあると思いますが、理由はもう少し聞けそうな感じがするかなと思います。ただ、理由を聞いたとしても、かなりの程度、どうにもできなかったり、理解不可能だったりします。
 では、理由を記載します。

【理由】
姉「どこかから、誰かが、私に声をかけてくるんです。たぶん、悪魔か何かだと思います。『おまえが妹をころせ』と言うんです。そうしないと、家族みんな燃やされてしまうんです。」

 さて、統合失調症の妄想の奇異さはこんなイメージで、暫定的に理解できると思います。

4.難しい支援

 こんな感じで、統合失調症の心理支援は難しいなと思います。その苦しみや傷つきに共感する事が難しいです。

 統合失調症に対して無理解な心理職はあまりいないと思いたい所ですが、実際のところ、どうなんでしょう。たぶん、あまりいないと思います。ロールシャッハをやった帰り道に自殺されることもあり得るので、多分、感度は相当高いと思われます。

 ただ、一般の方々にとっては、なかなかしんどいことなんじゃないかなと、考えています。

 妄想があったからと言って、すぐに病気だと言うのは、人としてどうかと思いますが、そう言ってしまいたくなるほどの衝撃があるんだろうとも思います。

 なお、この記事はあくまでも「誰かの興味」に応えるための記事として書いています。あまり深読みされませんよう、お願い申し上げます。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。