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登園自粛の園児たちへ、先生からのビデオレター

田園風景にポツンとたたずむ、ちいさなちいさな保育園。

2歳ちゃんは、4月に入園。コロナ禍の中、ひっそりと入園。

小学校が休校している中、入園式の欠席、登園自粛するべきか。Twitterには、ママパパたちの苦しい声にあふれていた。親だからこそ、子どもを守る気持ちがあるのは当然だ。

でも、「●●●すべき」と断定するのに、どんなに迷いのある時期なんだろう。誰もひとりひとりの決断を批判することなどできない。

週1回一般に開放していた「こそだて広場」は、3月いっぱい中止になっていた。3月中頃は「入園式をしない方向性で考えている」と、お手紙で知らせを受けた。だから、入園式はしないものだと割り切っていた。

いつも冷静沈着な私も、内心はがっかり、とてもさみしかった。
先生方だって、知らせを出しても、煮え切らない思いを抱えておられたことだろう。

縮小した形ではありますが、1部2部と分けて、簡易な入園式を行うことにしました。参加するかどうかはおまかせします。

3月4週目のはじめ、電話で「入園式開催」のお知らせをいただいた。

入園式の日は、緊急事態宣言の発出される1週間前。悩みに悩んだけれど、ちいさな保育園だからと、参加することにした。

当日は、先生方も親子も、ソーシャルディスタンスをとって参加。

例年なら、在園児が歌や手遊びで盛大に歓迎してくれただろう。
でも、コロナ禍でもと用意してくださった入園式。「入園おめでとう」の大きなポスターで出迎えてくださった。

じゅうぶんに心が伝わるあたたかな会だった。思わず涙があふれた。

入園して、風邪ひきで休園したものの、合計4回ほど登園させていただいた。もちろん私とて葛藤はあった。「だいじょうぶだろうか、だいじょうぶだろうか」と悩みながら通わせた。

4月7日に、緊急事態宣言が7都府県に発令。私の住む地域も入っている。4月10日から保育園開園の縮小措置をとる、とお便りをいただく。

医療従事者やインフラを支えているサービス業に務める保護者の、どうしても自宅保育が叶わない子どもだけを預かる「特別保育」がはじまった。

ニコニコと笑顔で接してくださった先生方は、想像を絶する緊張感の中、命がけで子どもたちを保育してくださった。「感染させないように、しないように」と。

「特別保育」の措置が出てから約1週間。保育園からメールが届いた。

緊急事態宣言による自粛の中、特別保育にかわり、ご理解とご協力に感謝し、子どもたちが少しでも楽しめるように、園で歌っている歌や、体操を入れた動画をつくりました。

親子で一緒に楽しんでください。

保育園に通う子どもたちと保護者だけが見られる限定動画。
先生方がピアノの伴奏に合わせて、笑顔で手遊び歌を歌い、体操をしてくださっていた。

マスクをしても、満面の笑顔はすーっと伝わってくる。

コロナ禍の状況をまだ理解できない2歳になったばかりの娘は、動画を再生した瞬間、しばらくかたまって、ちょっとパニックになった。

少ししたら、一緒に体をゆらゆら動かして、ニコニコし始めた。

3回再生したあと、動画を指さして、「ほいくえん いきたい」と大声をあげて泣きじゃくった。

先生方、子どもたちに心を寄せてくださってありがとうございます。ほんの少し通っただけでも、2歳の娘が大好きになった場所。

・発信してくれること
・思いを伝えてくれること
・気持ちに寄り添ってくれること

これらのあたたかさを身にしみて感じる。自分たちにできる範囲で、小さくてもいいから繋がりを持っていきたい。

先生方の動画で、手遊びと体操を楽しむのを毎日の日課にしよう。
保育園の先生方にお手紙を書こう。感謝の思いを伝えよう。










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