見出し画像

命のスープから思う、私が大切にしたいこと

みなさんには、お気に入りのお店ってありますか?
私には「ここに行けば、もう大丈夫」と思える、お守りのような大切なお店があります。「もう無理かも…」「疲れ果てた…」そんな時、どうにか時間を無理やり作ってでも行くフレンチのレストラン。

この1週間我が家の双子の体調不良が続き、私も疲れがピークだった昨日。身体の疲れはもちろんだけど、心の疲弊の方がしんどい、という心境でした。どうしたら自分の心が回復するのか、それを考えあぐねてまた疲れてしまうこともあるのですが、「そうだ、あそこがある…!」と私の中に一筋の光が。

自分の中で、心の病院のような感じなのです。
こじんまりとしていて、いつも清潔で、自分にちょっとご褒美をあげたい時に手が届く価格で、スタッフさんはさりげない自然なおもてなしで出迎えてくれる、そんなお店です。

このお店はランチにスープを選べるのですが、このスープを初めて飲んだ時、反射的にじわっと目頭が熱くなってしまったことがありました。
ものすごく丁寧に作られていることが分かって、届ける人の想いってこんなにダイレクトに伝わるんだ…と、とても感動したんですよね。

昨日はさつまいものスープでした🍲

いつも頭で考えがちなので、味覚とか嗅覚、聴覚などの「感覚」のダイレクトさにはっとさせられることがあります。
私はこのスープを自分の中で「命のスープ」と呼んでいて、そのレストランを「あの場所があるから、大丈夫」と思うような存在になっています。

どうして、こんなにこのレストランが居心地がよいのだろう…と考えてみると、自分自身が大切にしたいことがみえてきました。

以前お店に行った時、2席並びのカウンター席に座りました。」空いている隣の椅子にお荷物置いてくださいね」とスタッフさんが声をかけてくれました。

「他の方がいらしたらどけますね」とお返事すると、
「いえいえ、ゆっくり召し上がっていいただきたいのでお隣にはお客様をいれませんので」とお伝えいただいて。

このレストランは、多くのお客さんを入れたり回転を速くすることではなくて、”ゆったりとした空間で、ゆっくり食事を楽しんでもらう”を届けているのだなあと感じました。

調理場には、60代と30代くらいのシェフが、言葉は交わさずとも阿吽の呼吸で動いていて、その姿を見るのも何だか落ち着くんですよね。丁寧に盛り付けがされていくその様子を見ていると、いつも心の固くなっていたものがとけていくような感覚を覚えます。

一度、誕生日のお祝いで大切な人と一緒に訪れた時には、誕生花を事前に調べてくれていて、チョコレートでそのお花を描いてくれていたこともありました。そこには、届ける人への想いと、ひと手間を大切にする気持ちを感じました。

そういったすべてが、何だかあのスープの味に凝縮されている気がして、毎回と言っていいほど、私はあの命のスープを口に運ぶ度にじんわり涙がでてしまう。

”ひと手間” ”さりげない優しさ” ”感覚で伝える” そのレストランから感じるキーワードは、私自身が大切にしたいことばかり。
自分との対話を大事にしていますが、時に、自分の中の迷路にはまりこんでしまうこともあります。そんな時、「ここなら、フラットになれる」そんな外側の場所を持つことって大切だなと感じます。

知らずに行ったのですが、たまたま昨日はそのレストランの10周年だったそうで(奇跡!)、帰り際に焼き菓子をいただきました。あまりに嬉しくて、思わず「私はこちらがあるから生きていけてます…!」と壮大なコメントを述べてしまいちょっと恥ずかしかったのですが、私にとっては、本当にそんな存在。

外の世界からもらう心地よさを、自分に還元していく。その心地よさは自分を通して他の誰かをあたためることにもなる。そんなまあるい循環を大切にしたいです。

*私が運営する小さなブランド「voice seed」では、現在、2024年上半期を振り返って声の手紙を受けとるモニター企画を開催しています。
(6/14現在 残り1枠です)良かったら🌱




この記事が参加している募集

#今こんな気分

75,935件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?