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野草食日記 70 カキドオシとしゃぶしゃぶサラダ

昨秋、息子が一人暮らしを始めて、私のご飯作りの幅が格段に広がりました。
というのも、偏食気味の息子は食べられる食材や調理方法がほぼ決まっていたからです。
そのおかげと言ってはおかしいけれど、色々工夫して新しい組み合わせや食べ方を発見できる楽しみもありました。
でも、これだけは絶対ダメというものもありまして。

それは生野菜。
シャキシャキした歯ごたえがどうも好きではないらしく、レタス、きゅうり、玉ねぎなど、サラダに使うようなものは一切ダメ。
トマトや大根など火を通せば食べられるけれど、生は無理。
・・・とそんな調子でしたので、表題のしゃぶしゃぶサラダなんてこの20うん年間夢のまた夢的なメニューでありました。

夏の気配を感じるある日のこと、豚肉を鍋物や煮物でなく、サラダに乗せて食べよう!そう思い立ち。
さっそく八百屋で切り口が新鮮なレタスを買ってきて、近所のお友達が無農薬で育てた新玉ねぎ、庭のシソと細ネギ、お茶室の庭のカキドオシとともにお皿に盛り付けます。
そして豚バラを茹でて冷まして、野菜の上に乗せ、彩りにトマトを。
中華風のタレは向田邦子さんのレシピを参考にうちにあるものでアレンジしました。

ずっとずっと食べたかった料理は、夫婦2人だけになった寂しさとこの春に新しく出会ったカキドオシの香りがアクセントです。

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。