見出し画像

自分をさがす旅 part38 種は空を舞う

私は、健常者ではない。多くの病をバランス調整しながら生活している。これは、私と母が三年かけて辿り着いた奇跡のライフスタイルだ。

20代前半の楽しみを一瞬で搾り取られた悔しさは、計り知れない。甘いものは問答無用で禁止。理由は、白砂糖が多くを含むから。過敏な私には、小麦粉も牛乳も消化酵素が足りず、食べるのを禁じられた。

自分の体調を守るためには、絶対条件とはいえ、カフェができない。スイーツが食べられない。大好きなコーヒーが飲めない。これから、たくさん飲み比べ、食べ比べしたかった。

食べるの大好きな人間には厳しい現実だった。お酒も好き。それも我慢。

それをうじうじ悩むことは止めた。身体を安定させるために食生活を徹底するため、調味料を見直した。現代では忘れがちになっていた食生活を基本とする「不便な食生活」をすることにした。

その覚悟を消さないようインスタグラムに自分が美味しいと実感したこと、出かけた先で見つけた思い出を載せて、自分のレシピ集を製作し始めた。

私は食べることが大好き。ひとつハマると永遠に食べてしまう執着心のかたまりだった。しかし、料理はめっきりアカン人だった。

高校生の終盤になってから、裁縫と料理どちらかを習得してから卒業をしてほしいという母の言葉によって、料理というままごとではない練習時間を貰った。物心ついてから包丁を本格的に扱うのは、これが初めてだと思う。

それくらい料理やお菓子作りは苦手だった。特に、普通科でありながら料理やお菓子作りが得意な男女、先輩が多くて肝が冷付く。食べるのは幸せなのに、渡すのは心苦しかった。毎年やってくるスイーツイベントは難題だった。

現在は「ていねいな暮らし」という言葉で注目を浴びている。乾物や和食を中心にした日本人に合った食事を心がけること。忘れてしまった。忘れてはいけない習慣のひとつ。

なんでも簡単に注げばできる食べ物ではなくて、時間をかけたおいしさ。
時が経てば、染み込む母の味。子どものころから食べている落ち着く味。

しかし、弱みの種は空を舞った。

食べ物への執着は、調味料への興味に変わり、多くの調味料と食材のかけ算に魅了された。実験して、体験して、口にした瞬間の驚きは未知だった。これが、料理人の求める境地なのだろうか。美味しさと不味さの二択では計り知れない境地をさぐる旅が生まれた。

私の周りには、精神疾患に詳しい方や料理にまつわる知識や仕事にしている方と交流する機会が増えてきている。それは、自分の新しい興味と趣味の世界が広がった証拠だった。

自分を健康という道に戻すためのストイックさは、今では自分の魅力として誰かを喜ばせる楽しみを創る道具になっている。それが嬉しい。

ユーキャンを利用して、薬膳の知識を勉強したがやはり難しい。だが、食材も薬膳になることを知り、自分の身体は食事でほとんどが出来ていることを知った。以前に大学で学んだ授業の中に興味深い言葉があった。

「自分の身体は食べ物出来ている。現在の食べているものが健康に影響されたかを知るのは10年後の自分の身体の状態。今、元気なのは10年前の食生活がよかった結果を示している」と言われたことだった。

それほどまでに食生活とは、自分に影響を与える力がある。特に女性は、拒みたくなる生理周期があり、私も同じくだが月経痛が酷くて起き上がれない人もいる。それは著しく深刻な問題だ。

最近、男性の前でも打ち明けることが出来るようになったこともあり、女性は苦しみを抱えひとりでに悩まなくて済んでいるのは喜ばしいことだ。生理痛は、始まる前と終わりで体調の変動や気持ちの変動、どちらもバランスを調整するのが困難だ。だからこそ、女性は優しさを実感しやすく、行動に反映されやすいのだと思う。

健康は簡単には戻らない。特に精神は。健康の奥深さを知るには経験の山。


きなこは、どんな感情や経験した人生だけでなく、名前も愛しています💓そんなピュアな愛情を隠さずに、たくさんの人たちに届けます!!よかったら、一緒に人生のネタを探しに行きませんか😊?