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女性MBAホルダーのお悩み7選

今日、MBAホルダーの女性のためのキャリアセミナーに登壇しました。

45分という短い時間にも関わらず、たくさん質問をいただきました!ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。その場でこたえきれなかった点もありましたので、こちらに補足をしていきたいと思います。

MBAで学んだことがどのように仕事に役に立ったか

グロービスの場合は、ほとんどがケーススタディで、レポートもプレゼンテーションも、自分がケースの主人公だったときにどう意思決定するか、というテーマに尽きます。オプションを出し切るだけではなく、オプションを絞り込む価値判断やリスクヘッジの仕方などをシュミレーションできたことは、非常にためになりました。

執行役員になってからは、まさにケーススタディの中にいるような毎日です。断片的な情報でベターな判断に持ち込む、リスクエリアを特定する、とうことにとどまらず、自分の専門領域外の財務や人事の知識があると、経営陣の一員として、全体の意思決定に貢献できるわけです。

一方、部長の時には、「経営判断をどう解釈して部門に落とし込むか」という点で、非常にメリットがありました。経営判断というのは、外部環境や自社の置かれている状況、競合のリアクションなどで、振り子のように揺れるものです。それを知らないと「経営陣が一貫性のない方針を出している」「上層部がぶれている」と思いがちで、疲弊してしまいますよね。そうではなく、どういう状況を元にどういう判断をしているのか、MBAの知識があると、解釈をしやすくなります。それを踏まえて部下に落とし込みをすると、納得感が増えるわけですね。

具体的には、こちらに詳細の記事を書いています。

リーダーになるための自信をどうやってつけたか

私自身、これに何年も費やしてきたのですが、逆に、そんなに悩む必要はないと思っています。発想の転換をするということですね。ポイントをあげていきます。

1)初日から完璧なリーダーになる必要はないです。必ず猶予期間があるので60点から始めてもよいとハードルを下げましょう。

2)自信がつくまでリーダーになるのを待つ必要はないのです。自信がないけどやってみる。それによって自信がついていく、というサイクルがあります。サポートしてくれる人などセーフティネットを作って小さくチャレンジしていったらどうでしょうか。

3) 自分が何を恐れているのを知る。「無能であることがばれるのが怖い」と漠然と思っていないでしょうか?失敗をしても、全人格が否定されるわけではないので、自分が恐れている「失敗」の解像度を上げてみましょう。

4) 完璧でない人が頑張っているから応援したくなる、というのが人間の心理。虚勢を張らずに、真摯に頑張っている姿を見せることで、サポーターが自然に増えていくわけです。周りを信頼してみてはどうでしょうか。

高いポジションを狙う決心をしたいきさつ

平たく言うと、「上司のやりたいことを実行する係であることに、うんざりした」ということですね。上司がリスペクトできる人かどうかは運次第。場合によっては自分の方が能力が高いケースもありえます。では、何故、自分自身が部下でいつづけるのか。それは自分から高いポジションを狙いにいっていないことの結果でもあるわけです。上司の教育をするような状況に陥るのであれば、管理職の能力は十分に備わっているわけで、単に意志の問題だ、と気づいたという経緯ですね。こちらの記事に詳細を書いてます。

周りからの嫉妬にどう対応するか

嫉妬される立場になる・・・管理職になるときに、大きな障害になるポイントですね。私はこんな考え方をしています。

1)嫉妬する方も苦しい、ということを知る。そもそも、これまでの人生で一回も嫉妬したことが無い方はいらっしゃるでしょうか?嫉妬したくないのに、勝手に嫉妬心が湧いてしまう。そんな自分に罪悪感を感じる・・。実は、多くの場合、嫉妬したくてしているわけではないのですよね。嫉妬心は嫉妬する側の欲求やコンプレックスの裏返しですので、嫉妬される側の在り方とは独立したものです。そのように分離してみると、少し寛容になれるのではないでしょうか。

2)自分と同レベルの人が優遇されている、という事実が嫉妬心の構造だそうです。ビジネススキルを高めてプロフェッショナルとしての強みが伝わっていくと、先方の嫉妬心が和らいで認めようと思ってもらえるように思います。また、嫉妬している人自身が抱えている業務上の課題を、こちらから解決してあげる。ビジネススキルや影響力・折衝力が高ければこんなことも可能です。「敵ながらあっぱれ」という風に「よいライバルだ」と気持ちを転化できる状況を作れるとベターです。

3) 職場はサークルではないので、まんべんなく仲良くなる必要はない。そういう風にドライにとらえるのは必須のマインドセットです。嫌われるのが怖い、という気持ちを克服するのは難しいですが、プライベートを充実させることで、職場に依存せずに自分の感情のお世話ができるようなセーフティネットを作っておくと良いと思います。ちなみに、嫌われる恐怖をどう乗り越えたか、こちらの記事に詳細を書いてます。

飲み二ケーションやタバコ部屋など、男性が得意なスタイルが取れない場合にどうするか?

男性が得意とする、昔ながらの飲み二ケーションやタバコ部屋のネットワーキングができない、というのは、心配するポイントかと思います。ただ、あくまでも「あれば尚よし」というものであって、業務内でコミュニケーションが取れていなければ、そういう古いやり方で補完しようとしても限界があるのではないでしょうか。

むしろ、そうした古いコミュニケーションでどんな期待効果があったのか、少し分解してみると、違うやり方が見えてきます。

1)お酒が入ると、仕事について熱く語る、というモードになり、参加者の仕事への想いや矜持を知ることができる

私自身も若手のころに飲み会にはよく参加していましたが、仕事上の人となりを知ることができるというのは、飲み会のメリットだったと思います。今は、コロナ禍でリモートワークで男女限らずこういった話を聞く機会は減っていますね。だからこそone on one meetingで、それぞれの人が仕事の責任感や善意をどこに置いているかを知ることが大切です。この人は、こういうとことを頑張っていたんだなぁというのを絵面がイメージできるレベルまで質もして掘り下げる。それをしっかり受け止めて承認する言葉をかける。そうすると信頼関係が築きやすくなると思います。

2)プライベート情報を知っていることは必須ではない

マネジメント論として「上司や部下のプライベート情報をくまなく知っているべし」という話があります。かつては有効だったこのマネジメントスタイル。ただ、社会の変化とともに有効性が薄らいできています。これからはダイバーシティを尊重する社会に向かっているわけで、プライベート情報をどこまで開示するかは発信者にゆだねられるわけですね。マネジメント論をたてに開示をせまったところで、むしろ不要なプレッシャーをかけてしまう結果になります。

一方、プライベート情報を知っておく必要性でいうと、仕事のパフォーマンスが落ちたときに、プライベートの困りごとが影響している場合や、ワークライフバランスを取りたいステージの方とのやりとりなど、ますます目的や範囲が明解になっていくはずです。ここで大事なのは、そういう話をフラットに受け止めてくれる上司であるか、というポイントですね。プライベート情報を知る機会がないことを過大におそれず、必要な時にニュートラルに聞き出す。そのうえで業務上の解決策につなげていく。そんなスタンスが良いのではないかと思います。

ロジカルシンキングを鍛えるコツは?

そもそも人間は、「自分はロジカルだ」と思っているものですよね。ただ、思考の癖や好みはあります。例えば私の場合、ひねりのある着想が大好きなので、いろいろ考えて気づいたポイントを過大評価する傾向があります。ですので、自分がアウトプットしたものを他人に評価してもらえるような機会を設けて、癖を自覚するのが大事です。

今すぐ使えるコツとしては、網羅性を意識する、というポイントがあります。ロジカルであることはいくつかの要素から成り立っていますが、まず、網羅性を持たせることができると、ロジカルさが格段にあがります。具体的には、「三脚をイメージする」と良いです。根拠が一つだとそもそも直立しませんし、2脚でも難しいですよね。違うベクトルに向いた根拠を3つ用意する、そんなイメージで幅広く考えてみることです。

特に、強い感情があって説得したい場合はなおさら、複数の判断軸や根拠をあえて探してみる、それによってクールダウンできますし、さらに説得力が増す、という効能がありますね。

「女の子でいたい」など女性としてありたい自己イメージと、高いポジションでの自己イメージをどうやって折り合いをつけるか

「エグゼクティブらしい佇まい」。これが、高いポジションを狙うためには必須である、というお話をしました。一方で、か弱い女子として見られたい・・・守ってもらえる存在でいたい・・・個人としての女性の本音として、間違いなく存在するものですよね。ただ、大きい責任を担う立場になりたいのであれば、職場という舞台の上では、プロフェッショナルとしてのセルフイメージをつける方が得策です。では、どうやって折り合いをつけるのか。

1)男気のある女性、姉御っぽさ、サバサバ感・・・そんな、ステレオタイプを演じる必要はありません。リーダー=男性らしさというのは、先入観に過ぎないわけです。必要な時に意志を示す、明解に発信する、など、男女限らずリーダーシップの型があるわけですので、プロフェッショナルとして忠実に行動に移す、と考えると良いと思います。

2)自分が女性らしいと思い込んでいる特性は、リーダーとしてもそのまま使える場合があります。例えば、優しい雰囲気、話を聞いてくれそう、無邪気さ、天真爛漫さ、脆さ・・といった、女性らしいとされる特性。このような女性らしさは、「傾聴」「感情への配慮」「やわらかさ」「明るさ」といった、リーダーシップの要素として転換できます。さらに、こういった資質は、人間らしい魅力といえますよね。虚勢を張って打ち消さなくても、人間らしさが垣間見れる方が、親近感が湧くと思いませんか

プロフェッショナルらしい振る舞い、今の自分の行動とどう違うのか、という観点では、「大人の女はどう働くか? ―絶対に知っておくべき考え方、ふるまい方、装い方」という本が参考になります。これは必読書ですね。

壁打ちをしてもらう機会を活用しよう

今日、セミナーを主催されたA&COさんは人材紹介業の企業です。女性MBAホルダーに向けて、「Renew」というキャリア支援サービスを提供されています。

1 on 1 のインタビューの企画もあるそうです。自分の話を口に出して、壁打ちをしてもらうだけでも、自分の頭が整理されたりしますので、キャリアアップを悩んでいる方は、コンタクトを取ってみてはいかがでしょうか

今日は、素晴らしい機会をありがとうございました!!









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