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ともこちゃんの友達


私は藤沢市立湘洋中学校に通う中学2年生。

名前はリエ。そして私の友達ともこちゃん。
これは、そんな私たちの物語。


私と、ともこちゃんは小学校からの幼なじみ。

ともこちゃんには軽い知的障害があった。

全然普通なんだけど、人より物を覚えるのが遅か

ったり、複数での会話が苦手だったり、少し話し方

に特徴があるくらいで、私は全然気にならなかっ

た。しかし、ともこちゃんはその事を凄く気にして

いた。私が「わからないし、全然普通だよ」と言っ

ても、本人の中では納得がいかず、苦しんでいるように

見えた。女子はグループを作りたがる生き物。

ともこちゃんはそんなクラスでの中心的グループか

ら、嫌われていた。『リエ、ともこと仲いいよ

ね?』それはグループの子だった。。私はとっ

さに「仲良くないよ」と、言ってしまっていた。と

もこちゃんはその時、教室にはいない。私は

「ともこちゃんと一緒にいるところ見られたら、私

がクラスでイジメられる」そんな危惧を抱いた。

私は翌日から、ともこちゃんの事を無視するよ

うにした。無視と言っても完全無色は出来ないか

ら、95%位の無視。ともこちゃんが『おはよう』と言

ってきても、会釈くらいで済ませた。だんだん事態

の変化に気づいたのだろうか、ともこちゃんから話

しかけられる事が減った。私はなんだか申し訳ない

気持ちでいっぱいだった。決してともこちゃんのこ

どを嫌いな訳じゃない。自分がイジメられるのが怖

いから。

ともこちゃんに謝ろう。携帯じゃなく、

ちゃんと口で謝ろう。放課後、ともこちゃんが

まだ教室にいた。私は近寄って「ともこちゃんごめ

ん!無視したりして」と、謝った。『わたし、トロ

いから。気にしてないよ』と言われてしまった。

気づいたら、私泣いていた。ともこちゃんは

驚ろいている。「なんでもないよ、ただ泣けてきちゃ

ったの」逆にともこちゃんに謝られる格好となった。

「ともこちゃん、自転車で一緒に帰ろうよ!」

ともここちゃんは笑って頷いてくれて、私たちは自転車

2人乗りして、浜辺をどこまでも走った。あの頃の私た

ちは、走れば届くと思っていた。何かに届くたような

気がしていた。

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