見出し画像

【連載1】結婚したくてしょーがない20代女から、大恋愛を経て、結婚なんてどーでもいい30代女になったはなし

初めて恋人ができたのは20歳のとき。同じ学校のサークルのひと。とても誠実で優しかった。尊敬してたし、頼りにしてた。

互いに就職して25歳のときプロポーズされたけど、なぜだかピンとこなくて、すったもんだあったけど、断って、別れた。

そのあと職場の人と付き合った。この人のことはピンときた。運命の人!絶対この人と結婚する!この人と出会うために今までの私の人生があったんだ!と心から思った。彼も私を好きでいてくれた。

同じ職場の同じフロアで働いて、一緒にしゃべりながら私の家に帰って、一緒にご飯作って食べて寝て、一緒に起きて、一緒に出勤して、働いて、の日々が5年続いた。

彼はお父さんを病気で早く亡くしていてお母さんと二人で住んでいたので、一人暮らしの私の家にきて、半同棲のようにずっと二人でいた。

彼といるとずっと話してて、いっつも笑ってた。夜はいつも話が盛り上がって爆笑して、夜中の2時、3時にも話が終わらなくて、次の日寝不足になることも度々あった。とても人望のある人なのに、女性にもモテるのに、なぜか人付き合いに飽きたようなところがあって、彼は仕事以外のほとんどの時間を私に割いてくれた。

精神的に強い彼といるとほっとして、強くなった気がした。判断力のある彼を慕っていたし、頼りにしていた。私達は世界一幸せなカップルだから、世界中にこの幸せを自慢して祝福されたい、とっても変なんだけど毎日そう思っていた。

いつの間にか会社の人々にも知られて、仲のいい職場の、なんとなく公認の仲みたいになった。

でもふたつだけ、ふたつだけ不満があった。

ひとつは結婚に何も動いてくれないこと。親に会ってくれない。親に紹介もしてくれない。友人にも誰にも会わせてくれない。いつ結婚するかの話も何もしてくれない。

何回も話をしようとした。問い詰めた。こんだけうちに居座るなら家賃払ってくれよとも言った。でも、それなら来ないよとかいって、全然向き合ってくれなかった。結婚がどうなるか、全く先が見えなかった。

じゃあ、結婚してくれないなら、キャリアアップと成長のためにしばらく東京に出て働く、などと言うと、それなら別れると言って応援してくれず、間接的に私の挑戦を阻めた。

やりとりをしているうちに、私は結婚してもらえるような女じゃないのかなと、自信がなくなっていった。泣いても怒っても、全然聞いてくれなかったし、話をしてくれなかった。尊敬する彼の判断力とブレなさも、ここでは憎らしかった。

もうひとつの不満は、性的なこと。いつも彼のペースは早くて痛かった。準備が足りないまま入れるから女は痛い。そして例のごとく、ゆっくりしてといっても聞いてもらえない。最初はキスするだけでもドキドキした時期はあったのに、そんなんだから、するのがどんどん苦痛になっていった。2年も経ったら、私はまったく不感症になってしまっていた。

でも好きだったから。彼のことが好きだったから、いつも我慢してた。歯を食いしばって、痛みを耐えた。断ると心から悲しそうな顔をする。それを見たくなくて、耐えてた。

結婚も。彼のことが好きだったから。信じて待っていた。

そんなある日。付き合い始めて5年近く経っていた。私が29歳のときだった。職場にある男性が中途入社してきた。私は彼氏一筋だったから、同い年だしまあ話が合いそうな人だな、くらいでそこまで興味がなかった。

はずだった。

続き↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?