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私の私による私のための旅(長崎編)②自分との足並み揃えるDay1前半

 いよいよ旅当日のお話。はじまりはじまり。
(ここに上がっているお店等の名前や営業時間等は2024年8月時点の話なので、時間が経って読んでおられる方はご注意をば)

成長し続けるバックパッカー

 私のバックパッカー歴は20代のころの数年。海外を何ヵ国か行き、寝袋を担いで歩いていた時もあるけれど、毎回手探りから始まる。そもそも私がバックパッカーを好むのは、アクシデントや失敗も含めてアドベンチャーな気がするからだ。ラグジュアリーな旅を期待していたら、「お湯が出ない」とか「フォークがないんですけど」みたいにマイナスに注目しがち。でも最初から失敗ありきの旅、最高ですやん。ノープレッシャー。しかもバディが自分自身ならば余計にありがたい。私は自分の失敗にも人の失敗にも寛大だから、ネガティブになり得ない。

 そんなこんなで、息子の大きめバックパックを借りて夫と息子に3度見送られて出発。娘たちからも「気をつけて」「楽しんで」とLINEが届いた。子どもたちと出会ってからは初めての一人旅だもんね。そりゃみんな心配だろう。
 夫と息子に3度見送られたのは、私が3度忘れ物をしたから。鍵、財布、鍵の順番で3度。先が思いやられるけど、ようやく出発。

 最寄駅からJRで博多駅へ。博多駅バスセンターに行ってバスの予約画面を見せると「これ、予約はされてますが決済がまだですね」と。カード払いをしたと思い込んでた!慌ててその場で現金払い。危うくバスを逃すところだったぜ。

 バスの席は行きも帰りも運転手さんの真後ろの席の窓際。バスは「スーパーノンストップ九州号」とプレッシャーが凄そうな名前。旅の手段は飛行機や新幹線、とぼんやり考えてたけど、バスも良い。かなり良い。コンセントとwifi完備の上、窓はピカピカで広くてトイレ付き。車窓を楽しみつつ、スマホで韓流ドラマを見ていたら夢の中へ。

 再び目を開けたら、海が見えていた。自分で運転するのも好きだけど、こうしてうたた寝したり、何も考えずにただ車窓をぼんやり眺めてても誰かがどこかに連れて行ってくれるなんて。「なんだこの贅沢は!」と叫びたくなる。お姫様になった様な気持ちを歯茎が痛くなるほど噛み締めている間に、バスは長崎市内へ。

Hello, Nagasaki.

 久しぶりの長崎。駅前が随分と変わってる。そうか、新幹線が停まる駅になったんだもんね。駅の建物がとっても素敵になっていた。駅前は工事中だったけどきっとこれもいい感じに整うんだろうな。海外の駅みたいな雰囲気。
 そもそも長崎って、同じ九州にあるけれどかなり独特な印象。長崎だけの文化がある感じで、海外に来た様な気持ちになる。そして実際海外からの旅行客が信じられないくらい多い。街中で外国語の方がたくさん聞こえてくるくらい。随分と遠いところに来た様な気持ちになる。

 「路面電車の乗り放題チケットなんてね、歩けばいい話なんだから買わなくて結構」と乗り込んだ電車が目的地と反対側に走り出した。早速乗る電車を間違った。
 次の駅で降りて戻る電車に乗る間に、オンラインで24時間乗り放題チケットをゲットした。「歩けばいい」なんて言ってられないくらい暑いし、私のことだから、きっとまた間違える。私の長崎滞在は丁度24時間。こうなりゃ、短距離でも路面電車を使い倒すぜ。
 「汗が出た」とかいうレベルじゃないくらい汗が流れ続ける。だんだんそれも気にならなくなってきた。

 ゲストハウスにチェックインしてバックパックを降ろしたら、身軽になって出かける。この旅のメインである出島はこの宿の目の前。本当に徒歩1-2分。なんなら窓からバッチリ出島が見える。
 出島は入場料が520円で、年間パスポートが830円。二度来たら元が取れる。絶対なるじゃん、「出島商館員」(年間パスポート保持者の名称)。入口で早速年間パスポートを申し込んで、出島の中に入りトイレを借りる。昔っぽい街並みがたまらん。少し歩き回って、出口へ。何度でも入れるんだから、トイレを借りて出るなんてことも出来るんだもんね。なんという贅沢。
 今夜ライトアップされた様子を見たいし、明日は朝の散歩に来よう。そうしよう。滞在24時間中、出島にあと2回来ることを心に誓う。

 出島の出口付近にいた「ちりんちりんアイス」を自分に買ってやる。暑い日に必要に迫られるようにして食べるアイスって最高。体が欲してるものを躊躇なく与えられる幸せ。アイス一つで踊り出すほど嬉しい、自分が真ん中。自分メインの旅。

 事前にYouTubeで誰かの旅ログを見て、私も九州最古の喫茶店「ツル茶ん」で名物トルコライスとミルクセーキをいただく、と決めていたけど店に着いたのが3時をわずかに過ぎていて、トルコライスは逃してしまった。(3時から5時は喫茶のみ)昼食前に遊び過ぎたな。Never mind. ミルクセーキをいただくぜ。
 ミルクセーキは、かき氷みたいで卵の味がとっても美味。口の中からひんやりと体を冷やす。暑い中歩き回った後だったから、なんとも幸せな気持ちになった。周りを見渡すと老若男女みんなミルクセーキを食べていた。
 ツル茶んは懐かしい気持ちになれる昔ながらの喫茶店。壁一面にいろいろな人のサイン色紙が飾ってある。街歩きの途中にふぅっと一息つきに来るのに丁度良い。

 お昼を食べ損なったけど、チェーンのレストランとかで済ますのは嫌だし…と以前から気になっていた「角煮まんじゅう」(岩崎本舗)を街角で買って歩きながら食べた。蒸し立てホカホカの饅頭をはふはふ言いながら、炎天下汗を流しながらいただく。夏の蒸し立て饅頭は絶対間違ってる。暑い×熱いはおかしい。けど美味しい。お肉がほろほろでバンズ(?)がフカフカで。シンプルだけど味わい深い。

長くなったので、Day 1後半はまたいずれ。

 

 


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