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教える人のハニラミメソッド

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私は英語教師です。自分の運営する教室、生涯学習センター、親子サークル、小学校などでほとんど全部の年齢の皆さんに英語をご指導しながら見つけたアイデアや考え方をシェアします。 もし…
運営しているクリエイター

#自分

手を伸ばしたらいつでも

 私は小さな英語教室を運営していて、週に一度小学校に英語指導のお手伝いに出かけ、一ヶ月に数回大人の方の英会話、また毎週オンラインで遠くに住む人たちの英会話や日本語の伴走をする。そこで心がけていることは、 「その人をその学びから遠ざけないこと」 その人が嫌になる程に私が頑張らないことだ。先生というのは、どれだけ熱意を持って生徒に教え込むかが大切、みたいな感覚があるけれど。実際は生徒を手取り足取り学ばせるという行為こそが、間違いであると今は断言出来る。教育者としてすべきことは、ズ

英語力を伸ばす秘訣

 私の英語教室に体験に来られたら必ず言うことがあります。それは「うちの教室のモットーは『英語を嫌いにさせないこと』です」   「は?」ですよね。○歳までに英検○級取らせます!とか小学校で必要な英単語○語をここでカバーします!とかじゃなくて、「嫌いにさせない」ってなんやねん?と。  でもこれは私が15年(携わり始めてからは30年)いろんな現場で数千人単位の子どもを見てきて観察して、導き出した言葉。実は深いんです。  小学校で「どうしたら先生みたいに英語がペラペラになりますか

みんなで幸せになろう

 私は自分のコラムで、よく「大人はこどもの邪魔をしないでおこう」と書く。それは何より自分へのメッセージ。私たちは長く生きている分賢くなっていると言えるかも知れないけれど、その経験やそこから得た影響によっては退化していると言わざるを得ないケースも多い。そして最近残念な方の大人をよく見るからこそ、これはやはり声を大にして「こどもの邪魔をしないでおこう」と言わなければいけないと思う。 教育ビジネス=shit  私は教育を主な生業としている。いわゆる教育ビジネス界の端っこにいる人

reborn

 "Standing on the shoulders of giants." 巨人の肩の上に立つ  最初にこの言葉を聴いたのは、とある講演会でのこと。 海外で学んできた人のその話に私は魅了された。そしてこの「巨人の肩の上に立つ」という表現がとても気に入った。 それからいろいろな本で度々目にする様になった。  一番最近では『成功する家庭教育 最強の教科書 世界基準の子どもを育てる』という話題の本を読んだ時にもその言葉を見つけた。一人の人が経験出来ることは限りがある。

自由って

 よくよく考えたら、働き過ぎてるね...な一日。 朝から午後まで小学校で5時間授業。夕方自分の教室で2つ授業。トータル7授業。それでもなんとなく心地良いのは、きっと楽しかったからだな。「楽しい」ってすごいぞ。  今日は4年生5クラス160人くらいと「学校の中の好きな場所」とか「ここがファミレスだったら今何食べたい?(一応既習事項 I want...の復習)」とか答えのない質問をたくさん投げかけて、たくさん話を聴いた。今の気持ち、自分の好きなもの、そんな話をしている時、聞いて

自分の働き方は自分で決める

 7年前。さて、いよいよしっかり仕事しようかな、と思った時に勤めに出るかその時にあった小さな教室を頑張って自分のボスになるかを考えた。まずボスになろう。私の性格上、多分フリーが合ってる。でも、それで立ち行かなくなったら、プランB。それも考えた。  お陰様で、7年後の今でも自分の好きなことを好きな様にさせてもらってる。どうせするなら、と自分の教室は全く自分色にした。それに共感してくれる素敵なスタッフも集まった。  そして何よりも私が発信する教室のこだわりを探して来てくださる

評価地獄の住人たち

やり方が強引な方、圧力に頼る方を見ていると、自信がない方が多い。だからこそ、余計に人を寄せ付けない厳しさや説得力のない圧力になって、人を遠ざける。 教育者を追い詰めると、危険。 子どもたちに寄り添うどころか、力任せに動かす方を選んでしまう。そこで育つ子どもたちは苦しそうだ。 まずは大人が周りからの評価から距離を置かないと、自分の評価で潰れてしまう。 特に先生、特に親。 自分がうまくやっているかどうか、よりも目の前の子ども。 私も苦い想いをたくさんしてきたし、反省する

繊細さんに響く"裏メッセージ

 私はいわゆる「繊細さん」だ。気付いたのは40代半ば。でも生まれてこの方ずーっと繊細さんとして生きてきた。「繊細」は特徴ではなく短所だと思っていたから、ずっと生き辛かったけれど。今ではこの性質に感謝している。この超敏感なセンサーが感じる「裏メッセージ」に気付くことが出来たから。  子どもの頃から人の口調や表情、言葉からいろいろなものを感じ取っていた。その人の感情、その人が自分をどう見ているか、その人の中で私はどういう立ち位置になっているのか。それが透けて見えてどうしようもな

したい人だけすれば良い

 あぁ、新鮮な言葉。 「したい人だけすれば良い」  学校に行きたい人が行けば良い。 勉強をしたい人がすれば良い。 仕事をしたい人がすれば良い。 恋愛も結婚もしたい人がすれば良い。  これは「人」を分けているのではなく、「時」を分けている。 勉強大嫌いだった人が、ある時ふと「勉強したい人」になることだってあるし、仕事したかった人が「したくなくなる人」になることだってあるから。  要はその人のタイミングでいいんじゃない?ってこと。  今多くの「したくない」でこの国が溢れて

 今年はキュウリの苗が二度、病気と虫にやられた。去年は大豊作で食べきれない程だったのに、今年は二度も。三度目は種を撒くことにした。5つの芽が出た。ある程度育った時に、虫がたくさんつくようになった。 いろいろ調べて、換気扇カバーの不織布で覆ってみた。虫に食われた葉がレースみたいになって瀕死状態だった苗たちは数日後、不織布をググッと持ち上げてそこから顔を出した。彼らは青々とたくさんの葉をつけて「見て見て〜!」と言っている様。可愛い。  オクラの花を見てホクホクしながら、ふと小学

同じ価値観の中にどっぷり浸かってたら、ものすごく視野が狭くなるし、その価値観の中でしか動けなくなる。 自分がダメだの良いだのを、たった小さな集団の中の価値観だけで決めつけるなんて、もったいない。 この国に生まれ育ったからこそ、違う価値観に触れて欲しい。 #1good4kids

日本の若者はグローバル社会を生き抜けるか

世界の若者たち  先日ウクライナから日本に来ている学生たちと話す機会があった。18-19歳の学生たちは日本語も勉強中ではあるが、主な意思の疎通は英語を使って行った。彼らが話す英語を聞きながら、「話している」と感じた。自分自身のことや、日本に来て感じたこと。ウクライナという国のこと。表情豊かに話す彼らの言葉から言葉以上のものを感じて、更には一人一人の人柄や経験もよくわかった。聴いていて楽しかったし、彼らにとても興味を持った。  大変な状況下だが、こうして磨いてきた語学を使って

人生は実験

心を凪にするための試行錯誤  なんとなく悶々とすることってある。元々心が揺さぶられやすく気性が荒い性質を持つ私。今は自分のため、愛する人たちのために心を凪に保つように心がけている。それが出来るだけ自分の負担や無理にならないように…いろいろな方法を試してみたけれど、「理解」「納得」「反応」を大切にすると良いことがわかった。要は、頭で心をコントロールしている感じ。全く無理がないと言えば嘘になるけれど、これが今のところは一番うまくいっている。  例えば、教えているクラスに挑発的

「やらせれば出来る」もんなのか?

英語教育の迷走  そもそも私の専門は児童英語および英語教育だから、英語の切り口一つ取ってみても、その舵取りの酷さは目を覆わんばかりだ。そりゃ「小学校でも英語してくれる」ってなると「英語教室に通わせなくてもチャンスがある」と喜ぶご家庭もあるだろう。でもプールと同じ。以前我が子の懇談会である保護者が「学校の水泳の授業では、泳げる様になるんですか」と先生に尋ねていて、先生が口籠もったのを思い出した。  みんなそれを思い出すべきだ。英語もプログラミングも。学校でちらっと見せてもら