マガジンのカバー画像

教える人のハニラミメソッド

138
私は英語教師です。自分の運営する教室、生涯学習センター、親子サークル、小学校などでほとんど全部の年齢の皆さんに英語をご指導しながら見つけたアイデアや考え方をシェアします。 もし…
運営しているクリエイター

#学び

私の教室 こだわりの場所

 私は小さな英語教室を運営しています。 最初は家族だけで生徒は5人。15年経った今ではその数倍の子どもたちが通ってくれています。  「楽しむ」ことだけを掲げている教室なので、世間では目的が変わってくる中学生になると、自動的に卒業です。中学生になるとみんな、他の目的のために英語を頑張り始める。テストで良い点を取りたい、希望する進路に就くために英語力を高めたい。とても素敵なことです。  でも、それはしばしば私の「楽しむ」という目的から外れてしまうので、私は出しゃばらず私の範疇で

先生

 ある本に「先生が何を教えなくても、モゴモゴ言ってるだけでも、響く生徒には響く。その子は先生の表情や言葉から何かを感じ取って「ということは、〜ですよね」と教えてもないことまで学び取る、というのがあってとても好きだと思った。内田樹さんの本だったと思う。  そしてこの記事も大好きだった。やっぱり指導者大事。  え?前のと後の、内容逆やんって思うでしょう? 私も自分の中のこの2つの考えが対立してる気がしてずっと気分悪かったけど、まさにさっきこの記事読んでて気付きました。  大

手を伸ばしたらいつでも

 私は小さな英語教室を運営していて、週に一度小学校に英語指導のお手伝いに出かけ、一ヶ月に数回大人の方の英会話、また毎週オンラインで遠くに住む人たちの英会話や日本語の伴走をする。そこで心がけていることは、 「その人をその学びから遠ざけないこと」 その人が嫌になる程に私が頑張らないことだ。先生というのは、どれだけ熱意を持って生徒に教え込むかが大切、みたいな感覚があるけれど。実際は生徒を手取り足取り学ばせるという行為こそが、間違いであると今は断言出来る。教育者としてすべきことは、ズ

Help me.

 今日は小学校英語で、あるゲームをした。 そのゲームでは、わからない子は助けてもらわなければいけない。私が困った子の役をして「私は何をすれば良いと思う?」と尋ねると、子どもたちは「助けてあげたらいい!」と。  いや、周りの人が、じゃなくて「私は」何をすれば良い?  誰かが"Help me!"と小さな声で言った。そう。それなの。 日本語でもいい。とにかくわからないよ、教えて。助けて。そう周りに助けを求めるの。助けてもらって言える様になったら、それでOK。  みんなが完

reborn

 "Standing on the shoulders of giants." 巨人の肩の上に立つ  最初にこの言葉を聴いたのは、とある講演会でのこと。 海外で学んできた人のその話に私は魅了された。そしてこの「巨人の肩の上に立つ」という表現がとても気に入った。 それからいろいろな本で度々目にする様になった。  一番最近では『成功する家庭教育 最強の教科書 世界基準の子どもを育てる』という話題の本を読んだ時にもその言葉を見つけた。一人の人が経験出来ることは限りがある。

生きる意味はそこら中

 私は「問い」の多い人生を歩んできた。多分生まれた時から私は問い続けている。幼い頃から母や父に兄弟に、思いつくことは何でも尋ね続けていた。兄弟の会話の中では「もし〜だったらどうする?」という話が多かったし、食後にもずっと食卓に残って家族でそんな話をしていた。  あの時間が大好きだった。  学校や公の場では時間の流れや他の人の心ない言葉が怖くて、「問い」は心に押し込んだ。そして大人になって海外に行ったら、「問い」はそこら中だった。世界中から集まってきたバックパッカーたちと毎

Don't stop thinking.

 小学校英語、4年生の教室。今日のトピックは文具。Do you have ...?という表現がキーフレーズで、それに伴い文具の単語を学ぶ。  私は補助の英語講師だから、英語的指導を請け負っている体。日本語は極力話さず音声教材でいて欲しい、という立場ではあるが「英語教育専門」としてそこにいるならば、私にはもっと伝えておかなければいけないこともある。誤解されがちだが、語学は音声や表現、語彙だけではない。むしろその背景や考え方、文化を知らない限りその言語を通したコミュケーションは歪

試行錯誤しない・させない不思議

自由な教育者  私はフリーの英語講師。自分の教室を持ち、週に数回は小学校で英語の授業をしたりオンラインで英語を教えたり、未就園児と英語で遊んだり、大人の方々と一緒に学んだりしている。そんな私の毎日は試行錯誤。 もうこの仕事をし始めて15年が経とうとしているが、それでも毎日が新鮮で毎日が発見。生徒はどんどん変わっていき、同じ生徒だとしても環境や成長でどんどん変わっていく。その時のその人の横を一緒に歩んでいると自分から見えるのとはまた全然違う景色が見えるし感情が見える。  私は

「会話の時間がもったいない」

 あなたが英語を学んでいるのは、なぜですか。 英検を自分の資格として取りたい。自分の記録として1級にチャレンジしたい、そんな風にコツコツと試験などを取るのも素敵。それも外国語の楽しみ方の一つ。学びにはいろいろな目的や楽しみ方がある。  いろいろな学びがある中で、私が自分の教室で特化しているのは「会話」です。レッスンの中でも会話を重視するし、それを公言しているので教室に来る人は「会話」目的の人。にも関わらず私が会話を始めると『先生、時間がもったいないです。早く授業しましょう』と

英語の生徒になってみた

英会話レッスン受講初日 ふと見つけたホームページに釘付けになった。大人向けの英語教室か。 若い頃会社勤めの時に週に一度会社の近くの英語教室に通ってたけど、それ以来。実に二十数年振りの英語グループレッスンに、飛び込むことに決めた。  私の目的はもちろん英語力のブラッシュアップ。そしてもう一つは大人の方を指導しているので、大人の英語学習者と一緒に学んでみたいということ。ある程度英語での会話が出来る皆さんは、どんな風にして話せるようになったのか。どんな感じで英語と向き合っているか

東京オリンピック2020に学ぶ

 先日、成人間近の我が子と昔のテレビ番組を観ていた。私は懐かしさもあって笑って観ていたが、子は明らかな嫌悪感。言われて気付いたけど、80年代のテレビは今には通用しない笑いや会話の宝庫なのだ。改めて私は自分の中にあった「だってさ、そういう時代だったから」を感じて悲しくなった。  子どもの頃大好きだった「ちびくろさんぼ」が問題視された時、ピンとこなかった。あの頃日本ではそれがわかりやすく議論されることはなかったし、あったとしても私たちには届かなかった。その点で言えばこうして日本

発信はトイレから

 定期的に何か書いたりyoutube動画を作っては発信している私に、友人たちは「よく発信しようって気になるね」と感心しているのか、呆れているのか。確かに私自身は「これは良い」と思ったら人に伝えたくなる性分の様。でもそれをわざわざ「発信する」という一手間もふた手間もいる様なことがなぜ出来るのか、と言われると確かになぜだろうかと考える。  日本の教育でも、これからは「数ある情報の中から自分に必要なものを抽出し、その内容を読み取り自分の中でしっかり理解して、それを新たな情報として発

勉強嫌いではない

SNSでいい言葉を見つけた。最近私の中で「?」だったことの答えだ。  ストンと心に落ちる言葉。 私の英語教室の生徒の多くは「勉強、嫌いなんすよ」と言いながら英語の新しい表現をバンバン使って話すし、出来るだけ人と被らない様に面白いオリジナルの回答を考えていたりする。それも「勉強」じゃないのか、と思っていたけど、そういうことね。  彼らが嫌いなのは「作業」だ。  そして私が見てきた中で特に「クリエイティブ」な要素が強い子たちは、学校で言われる「姿勢」「おしゃべり」「もう止め

コミュニケーションって何

 先日地元に新しく出来たキャンプ場を見に行った。かなり良い環境で施設も整っていると話題だったので心躍らせて行ってみたが、行ったのが連休の中日だったからか人の多さに愕然とした。  私にとってキャンプとは、人との距離よりも自然との距離を縮めて自然と一体化する手段。こんなに密集してテントを張ってすぐ隣の家族の寝息が聞こえてきそうなキャンプは私の中ではまったくキャンプではない。  今まで行ったキャンプはいつでもフリーサイト。その中でも一番チャレンジングなサイトを選ぶ。斜面だけれど、ど