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やさしい洋書で笑って覚える!英単語の核となる意味(コアイメージ)

なみのリズムのアサコです。

このブログでは、リスニング力向上のための学習法について主に紹介しています。

リスニング力UPに必要な力。それは、音そのものを聞き取る力と、言葉の意味を瞬時に理解する力です。

(詳細は下記の記事を参照してください)
英語リスニング勉強法の全体像―リスニングにだって適切な学習の流れがある!|なみのリズム英語★リスニングができれば全てうまくいく!|note

今日は後者の力を高めるためのヒントとして、英単語のコアイメージについてご紹介します。

1.英単語のコアイメージをおさえよう。

まず、コアイメージとは何かについて説明します。

単語を覚えていると気付くことですが、ひとつの単語に、意味が大抵いくつもありますよね。「ひとつ覚えるのにも精いっぱいなのに、2つ、3つと覚えないといけないなんて、大変だ…!」と思ってしまいます。

例えば、fix。"fix my car"というフレーズがあり、最初に「(車を)修理する」という意味で暗記したとします。でも、のちに、"fix lunch"という言い方を見つけて、混乱したりします。

え、「ランチを修理する?」

「そんなわけない…!」ということで、辞書を調べてみると、「用意する」という意味があることに気づきます。

「用意する」と「修理する」。更には、「固定する」という意味もあったりして、「覚えるのが、面倒くさい…!」なんて状況になってしまいますね。

一見、それぞれが全く別の意味に思えますが、ここで「コアイメージ(単語の核となる意味)」という考え方を用いると、こうした状況にも対応でき、すんなりと暗記ができたりします

fixのコアイメージは、「バラバラなものをひとつにまとめる」ということ。

「修理する」というのは、壊れた状態(バラバラなイメージ)のものを、部品を固定してきちんと機能するようにするという意味合いですし、

「料理を用意する・作る」ということは、バラバラの材料を、ひとつの品に作り上げるというイメージでとらえることができます。

結果としての訳は全く違うのですが、それぞれ共通した意味合いがあるので、この核心の部分であるコアイメージを覚えておくと、暗記がスムーズになります。更に、日本語訳よりも、イメージ化して覚えておくことで、その単語を聞いた時に一瞬で意味が思い浮かぶようになります。

ここからわかるように、単語の意味をコアイメージで理解するのってとっても大事な事なんです。

2.洋書で単語のコアイメージを学ぼう。

「でも、コアイメージってどうやって学べばいいの?」と思いますよね。方法はいろいろあるのですが、今日は、コアイメージを学ぶのに絵本を使う方法を紹介します。

日本語訳をただ丸暗記するのではなく、その言葉が伝える基本的なイメージをつかむことで、多義語に強くなることができます!

コアイメージを学ぶのに最適な絵本。それは、”Amelia Bedelia”という絵本です。

Amelia Bedelia (I Can Read Level 2)
ちょっとクスッと笑ってしまう、家政婦さんのおとぼけストーリーです。


音声はこちらから聴けます!(絵本の中身も見れます)
Amelia Bedelia Kids Books Read Aloud

ネイティブであれば小学校低学年くらいのレベル。日本人だったら中学生くらいの知識があれば読めるやさしい絵本なんですが、言葉の使い方は意外に高度です。

というのも、多義語を使った言葉遊びがあるから。でもその分、いい勉強になります!

文脈から単語の適切な意味を選ぶ設問って、TOEICでも増えているんですね。こうした絵本を使えば、TOEICにも強くなれるんですよ^^

3. Amelia Bedeliaのストーリー

Ameliaはちょっと天然ボケな感じの家政婦さん。ある日ある家族に雇われ、家事の手伝いに行くことになりました。

家に着いてみると、裕福そうなおばさんが言います。「仕事をリストアップしたから、それを見て仕事をしてくれ」とのこと。そう言って、おばさんはだんなさんと出かけていきました。

夫婦が出かけるのを見届けてから、Ameliaはリストを見て、早速ひとつずつ仕事に取り掛かります。

しかし、ここでハプニングが。

Ameliaは、リストに書いてあることをことごとくカンチガイしてしまうのです…!

4. ああ、仕事をカンチガイ^^;

リストにはこう書いてあります(ネタバレになりすぎないよう、少しだけピックアップします)。

・Change the towels in the green bathroom.
・Draw the drapes when the sun comes in. ※drapes 厚手のカーテン
・Please dress the chicken.

まず、英文を読んで意味を考えてみてください。(解説は以下)






さて、Change the towelsは普通に考えれば、「タオルを交換しなさい」という意味ですよね。

でも、なんとAmeliaは…

タオルを文字通りchangeしてしまうのです!ハサミを使って。そう、別の物に(笑)


残りの仕事についても、Ameliaは同じように言葉の意味を勘違いしてしまいます。

下線部の単語を、Ameliaがどう「カンチガイ」したのかを考えてみてください。辞書を調べてもOKです。考えてから下の解説を読んでくださいね。↓↓↓

drawのコアイメージ
では、drawの単語の意味を考えてみましょう。

draw the drapesの意味は、カーテンを「引く」、つまり閉めるということ。

なのに、ここでAmeliaはなんと、カーテンの絵を描き始めてしまいました^^;


drawには「描く」という意味もあります。これは、絵の具を使わず、えんぴつなどを使って線を「引く」ことから来ています。ちなみに、「地図を書く」は"draw a map"です("×write a map")。

「引き分け」もdrawですよね。ここは偶然で面白いのですが、drawのコアイメージは、日本語の「引く」という言葉とかなり近いものがあります。

dressのコアイメージ
“Dress the chicken.”ってどんな意味か分かりますか?

実は私もこの絵本に出会うまで、この文脈でのdressの意味を知りませんでした。

Ameliaの勘違いの方がわかりやすいかもしれません。Ameliaは、チキンに服を着せてしまうんですよ^^;もちろん、そういう意味じゃあないですよね…!


get dressedと言ったら「着替える」という意味です。dressには名詞に「正装」という意味もあるように、「整える」というコアイメージがあります。

dressing(ドレッシング)も、料理にかけることで味付けをする=味を「整える」というふうに考えることもできますね。

さて、dress the chickenは「鶏肉の下ごしらえをする」という意味です。下ごしらえというのは、実際に具材をいためたり、煮込んだりする前に、材料を「整えておく」ということです。

こう考えると、わかりやすくはないでしょうか?

***

さて、とんでもないことばかりをしてしまったAmelia。

最後に夫婦が帰ってきて家の惨状を見たら、どうなることやら…?それは、読んでからのお楽しみ^^

***

Amelia Bedeliaには、他にも言葉遊びが含まれています。

自力で読んでみて、文脈で単語の意味をつかむ力をつけてみてはいかがでしょうか?

こういう本を使って調べたり覚えたりした言葉は、なかなか忘れないですよ!

Amelia Bedelia (I Can Read Level 2)

この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
それではまた。

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