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【翻訳】相互扶助グループってどうやって作るの?

原文(英語):Answers to your questions and resources relating to starting and maintaining your local group.(COVID-19 Mutual Aid UK)
*訳者より:イギリスの地域相互扶助グループの一覧サイトCOVID-19 Mutual Aid UKから、相互扶助グループを作るにはどうすればよいのかのHOWTOが書かれたページを翻訳しました。もちろんこれはイギリスにいる人のために書かれたもので、中には日本では通用しない部分も多くあるはずです。またリンク先はすべて英語です。しかし、少しでも、ウイルスが拡大する中で何かこういったグループを組織したいけどもどうすればいいのか分からないという人の参考になればと思い、ここに紹介します。

1.「COVID-19相互扶助グループ」とは何か?

「COVID-19相互扶助地域グループ COVID-19 Mutual Aid Local Groups」とは、感染拡大が広がるなかで、弱い立場に立たされ困っている人たちを支えるために各地で自主的に結成されている小規模グループのことです。
こういったグループは画一的に設立されている訳ではなく、各コミュニティが自分たちにとって一番良いやりかたで運営するべきものです。ここにはそのためのアドバイスや運営方法に関する情報を集めました。これらのグループは「COVID-19 Mutual Aid UK(イギリスCOVID-19相互扶助)」に公式に属しているというわけではありませんし、また「COVID-19 Mutual Aid UK」がなにかの公的な組織だという訳でもありません。
ボランティアには、元気で歩き回ってお使いに行ける状態でももちろん、自宅隔離中であっても参加できます。グループをまとめるためにFacebookやWhatsAppグループが使われていることが多いですから、もし自宅隔離中でもある程度元気なら、ほかのメンバーが外で物理的な活動をしている間にも自分の地域のグループの組織化を手伝うということができます。 

2.何をするグループか?

どのグループも自律的で、多岐にわたる活動を行っていますが、今活動している多くのグループに共通する活動は:
• チラシを作って配り、みんなにグループの存在を知らせる。以下にチラシ作りに役立つ情報をまとめました。(チラシ配りをするときは、衛生には本当によく気を配ってください。ドアをノックしたり、不必要に顔を合わせたりしないように)
• 地域で弱い立場に置かれ困っている人が、必要な時に掛けられる電話番号を用意する。
• 弱い立場にあり困っている人や自宅隔離中の人のためにお使い・買い物に行く。
• コミュニティのなかの自宅隔離している人や、パンデミックに圧倒されている人たちの話を聞いて、友人として感情的サポートをする。

3.私の地域で活動しているグループはありますか?

現在最新のリストはこれ。(イギリスのリストです。)
常に新しいグループが追加されています。登録はこちらのグーグルフォームからできます。(COVID-19 Mutual Aid UK)
地域グループを運営しているなら、学びや資源、支援をシェアできるように、メンバーの誰かひとりをこのFacebookグループに参加させてください。
また地域の相互扶助グループの結成とは別に、この危機に対応して懸命に動いてくれる既存のコミュニティのプロジェクトや支援サービスがあなたの地域にあり、いま追加の支援や資源を提供してくれるかもしれません。

4.自分の地域グループを結成しよう。

もしあなたがこの活動を気に入ったけれど自分の住む場所に地域グループがないならば、ぜひあなたがグループを作ってください。自分の町内全部をカバーする必要はありません。むしろ、狭い地域ならその方が良いでしょう。一つの通りのなかで互いを助け合う方が、町全部でやるより効率がいいのです。
これは誰かを「救う」なんて話ではありません。近隣の人どうし、コミュニティに属する人どうしが助け合うというのは人間が当たり前に大事にすべきことです。私たちはウイルスの拡散を抑え、同時に最もリスクに晒される人たちを支えたいのです。
自分たちにとって一番やりやすい方法でグループを設立するのが良いですが、WhatsAppグループ、Facebookグループといったプラットフォームを使ってボランティアとコミュニケーションをとることはお勧めです。
また地域グループを結成する前に、すでに危機に対応して動いているコミュニティ・プロジェクトや支援サービスがあるかもしれないことを知っておいて下さい。自分のグループにはボランティア活動をする条件がそろっているという場合でも、何もないところから活動を始めようとするより先にそういったプロジェクトやサービスの知恵や彼らが今必要としていることを調べたり、聞いてみてください。

地域グループを運営しているなら、あなたの学び、資源、支援をシェアできるようにメンバーの誰かがこのFacebookグループ(前述COVID-19 Mutual Aid UK)に参加してみてください。

FacebookやWhatsAppはグループを運営するのに便利なプラットフォームであることは確かですが、あなたの地域で今困っている人たちにとって一番アクセスしやすい方法ではない可能性があることを心に留めておいて。最もリスクに晒されている人はスマートフォンを持っていかもしれないし、ソーシャルメディアのアカウントを持つのは苦手だとか不安だと感じているかもしれません。あなたの助けを必要とする人が連絡を取るために、メールか電話の窓口を加えることはできませんか?

自分の情報を公開することが不安なら、グループのメールアドレスや電話番号を作って交代で対応しているグループもあります。
詳しい情報はCOVID-19 Mutual Aid UKのFAQページへ(英語)。 

5.支援リクエストと個人データを管理する方法

リクエストの管理はなるべくシンプルにしておくのがお勧めです。理想は、ウェブサイトの申請フォームを通したりせず、直通電話かメールで連絡できること。
リクエストを安全に、誰にも漏れないようにしておくことはとても重要です。データ管理に関する法的理由もそうですが、最も弱い立場の人を守らねばならないからです。家庭内暴力の被害にあっている人、弱い移民の立場にある人、その他不安定な状況にある人は、データの集め方のセキュリティが弱かったら、あなたに連絡するのは無理だと感じるかもしれません。可能なかぎり、不必要にスプレッドシートを使ったりデータを保存するのは避け、直接で一対一の対応をベースに支援を行いましょう。
申請フォームやスプレッドシートを使う場合には、必ずパスワードでデータを保護し、信用できるごく少数のグループメンバーだけがアクセスできるようにしてください。
データ保存についての詳しいアドバイスはこちら。(英語)

6.チラシを作ろう

手書きのメモやチラシであなたが提供している支援の情報を知らせるのは、あなたの地域でリスクに晒されている人たちと繋がるのにとても良い方法です。
チラシを作る際は、これが困っている人とコミュニケートするためのものだということを忘れないで。なかには視覚障害を持つひともいるかもしれません。読みやすいチラシを心掛けてください。 視覚障害を持つ人のために情報提供をバリアフリーにするための方法はこちら

■ チラシを作るなら載せたい情報:
・ あなたのグループがどんなもので、何を提供するかの説明。どの地域で、どんな支援をするか?
・ 連絡方法。例えば参加してほしいFacebook/WhatsAppグループやかけてほしい電話番号など。ただし、FacebookやWhatsAppを使うのに不安を感じる人がいることを忘れないで。電話かメールが一番効果的でしょう。
・ 希望と支援のメッセージ! 多くの人にとって、このパンデミックの一番いやなところは打ちのめされ、孤立してしまったと感じることです。郵便箱から友人としてのメッセージを届けて、それをひっくり返しましょう。

■チラシに載せてはいけない情報:
・ 医療的なアドバイス!医学的にこうした方が良いというようなことはチラシに書かず、プロにまかせよう。
・ 誤った情報。たくさんのうわさや誤情報がSNSにあふれています。あなたのチラシは支援の提供と希望のメッセージをシェアするための基地であるようにしよう。

チラシのテンプレートのアイデアは、こちら(google documents, 英語)や、こちら(pdf, google drive, 英語)にあります。

7.オンラインで会議する方法

コロナウイルスの拡散を防ぐため、可能な限り色々な連絡はオンラインで行うのがよいでしょう。
多くのグループがWhatsApp、Facebookメッセンジャーや電話での会話を通して組織化を行っています。けれどももし会議の必要が出てきたら、Zoomなどパソコンやスマートフォンから参加できるオンライン・プラットフォームを利用してみてください。
Zoomでの通話をセットアップする詳しい方法はここ(英語)。
通話に人を招待する方法はここです(英語)。

■ オンライン会議のヒント:
• 会議を主催するときには、技術的問題がないか確かめるために少し早めにログインする。
• 会議の司会をするか人、文字チャットを追う人のを決めて、役割を分担する。
• 参加者は、喋っていないときにはミュートするようにする。
• 音質が悪くなっても議論を追えるように、誰かが議事録をとる。
• ミーティングが2,3人以上になるなら、話したいときチャットボックスに何か書いて合図するようにするのがおすすめ。参加者にチャットボックスで記号か何かそれに近いものを使ってもらうと、質問や発言をどういう順番で受け付ければいいかわかります。

私たちは誰もがビデオ会議にアクセスできるわけではないことを認識しています。グループを作る際には、誰をも排除しないように、ボランティアに参加したい誰もがグループの中心にコンタクトでき、会議の情報を受け取れる過程をぜひとも作り上げてください。

8.安全対策とデータ保護

・安全対策:地域グループをやるならばNational Food Serviceの「相互扶助グループのための安全ガイドライン」(google docs, 英語)を読むべきでしょう。
・データ保護:ボランティアや助けを求めてきた人の個人情報を誰にも、とくに他の組織や機関に絶対に渡さないこと。情報を渡してはいけない相手というのは、地元の地方議会や行政機関も含まれます。地方議会はあなたがどこの誰を支援しているかの詳細を直接知らなくても、あなたのグループを支援することはできるはずですよね。
同じくNational Food Serviceの相互扶助グループのためのデータ保護基本ガイドはこちら(google docs, 英語)です。

9.ウイルスの拡散を避けるには?

■ 誰かを支援するとき:どの地域相互扶助グループも安全を何より大事にすべきです。コミュニティ・ケアとは、COVID19の拡大を防ぎ、最も困っている人たちに支援を提供するということです。どのグループも、感染を広めずに他者を支援する方法についてはこのクィアケア・ガイドライン(英語)に従うべきでしょう。

■ チラシを配るとき:
 - チラシを印刷する
・プリンターから出てきたチラシを手に取る前に手をきっちりと洗うこと。チラシは40枚ほどに分けてすぐにジップロックに入れる。
・余ったチラシをためておかないこと。

 - チラシを配る
チラシを配るときには、誰もウイルスに晒すことがないように、また誰にも害を与えないように、可能な限り安全のためのガイドラインに従うようにすることが重要です。チラシを配るときに従うべきガイドラインを示しておきます。
・少しでも体調不良を感じたら、軽い症状であろうが、チラシ配りをしないこと。
・チラシは少しずつまとめてジップロックに入れて保管すること。
・社会的距離のガイドラインをよく理解し、大規模なグループにビラまきをしないこと。
・チラシは小規模グループ内で配布し、身体接触やモノを交換することは避けること。
・配布を始める前によく手を洗い、定期的に手を殺菌すること。
・できる限り接触を少なくするために、リーフレットを扱うのは一つのジップロックにつき一人だけに限定し、袋から出してドアを通して直接それぞれの家に届ける。
・配り終わった後も必ず手を洗う。

 - ポスターを張る
啓発を広げるために、地域にポスターを張るのも良いかもしれません。例えばこんなところに張ってみるのはどうでしょうか?

・お店やカフェの窓や掲示板(持ち主の許可を取って!)
・地域コミュニティの掲示板(宗教施設、図書館、公民館・区民センター、アパートの建物など)

10.テンプレートなど、その他役に立つ材料

ここ(英語、google docs)、あるいはここ(英語、google drive, pdf)にあるようなリーフレットのテンプレートのほかにも、いろいろな地域グループが役に立ちそうな文書を公開しています:

1. ボランティア応募フォーム(ルーイシャム、シデナム区のグループが作成)(google form, 英語) グーグル・フォームで自分のグループに必要な応募フォームが作れます。質問事項を空欄に入れるだけ。
2. 重要データの保護についての文書(google drive, 英語)。ユックフィールドのコロナウイルス・サポート・グループが作成(プライバシーについての文書、データ保護ポリシーとデータ登録など)

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