所長アシミレーション前夜

こんばんは。Change AgentのMasamiです。

前夜と言いながら、寝かしつけ中に寝落ちしてしまい、実際に書いているのは当日朝です。でも、タイトルは前夜。そういう形で記録は残したいと思います。(この気持ち分かっていただけるでしょうか)

さて、現在私は従業数が社員1000名、関係会社の方々を含めれば約2000名となる事業所に勤務しています。MBAを取得してから本社のビジネス側にすぐには行かず、モノづくり現場の事業所に帰任した理由はどこかで書きましたが、その理由の1つである”スモールステップ型の組織開発の取組み実践”がいよいよ、事業所全体のものとなりました。

組織開発は、まずはもっとも身近な家族(5名)からはじめて、次に所属グループ(10人)、所属センター(40名)、所属部(300名)そして所属事業所(2000名)と徐々に活動の輪を広げ、自身の影響の輪も広げていきました。ちょうど昨年の今頃は所属センターのアシミレーションを外部のODコンサルタントを招いて実施していました。その初期の取り組み様子はこちらのマガジン(全28記事)に記録しています。

現在の事業所全体の活動は、本社役員にも認知される活動となり、いずれは国内15,000名そして海外を含めると40,000名を超える会社のモデルケースとして広まることを期待しております。

さて、現在我が事業所では、次の5カ年計画の立案する時期を迎えており、このビジョン策定を、従来のトップ(幹部)単独によるものではなく、少なくとも課長層まで巻き込んだプロセスを経て構築することにしました。

まず最初の一歩として、トップの事業所長の想いを幹部(部長)で受け止め、理解を深めながら当事者意識を深める必要があります。このプログラムをアシミレーションと呼びます。このアシミレーションでは、ファシリテーターの役割が非常に重要なのですが、この役を拝命させていただくことになりました。

(アシミレーションについてはこちらの記事を参照ください。https://jobhack.jp/3001)



べき論ではなく、当事者として2025年のありたい姿を考え、具体的なマイルストーンを組み上げていく。
「この事業所を、非線形な未来に対しても挑戦できるメンタルモデルに変える」
と1年半前に宣言しましたが、私をファシリテーターに任命して頂いた時点で既に変化は生じています。
以下決意について書き記します。

今回、所長アシミレーションでのファシリテーションを通じて、私が浸透させたい項目は次の3つです。

1.後任育成意識の醸成
2.部分最適に陥らない為のミッション・ビジョン・バリューズの共有
3.モード毎での情報伝達ネットワークの使い分け

1→2→3の順に一般性は失われていき、3は製造業特有の留意ポイントです。

1. 後任者育成意識の醸成

あえて一番最初に伝えたいのは、この内容です。年間計画ならまだしも、5ヶ年という比較的長期のビジョンとマイルストーンを立てる上では、いま策定している貴方自身が途中で異動する場合がほとんどになるでしょう。まだの方は今このタイミングから、後任者の育成を意識して欲しいと思います。

これから作り上げる内容のアウトプットは、何かしらの絵となり言葉となります。しかし、このプロセスを共有していない第三者にとっては、残念ながら心に響きません。
似たような経験はないでしょうか?
後任者の方々にどのようなプロセスでこのアウトプットが作り上げられたのか、しっかり巻き込み伝えてほしいと思います。

真のグローバル企業は、コーチングの文化が浸透しています。それは部下が上司をヨイショする文化ではなく、上司が部下を引き上げる文化です。部下を引き上げてはじめて、次の高みに登って欲しいと思います。そうでなければ、持続的な組織は生まれません。今この機会がコーチングを根付かせるチャンスです。

2. 部分最適に陥らない為のミッション・ビジョン・バリューズの共有

機能分離が進み、10を超える部門が存在する現組織は、えてして部分最適に陥っており、特定の部門に負荷が大きく偏っています。それぞれが存在意義を主張するために、正論で押し通す先は、仕事量は減らず、ただ上積みされていくのが現状です。

今、我々がまず向き合うことは、負荷に押しつぶされそうになりながらも、使命と責任感で耐え凌いでいる製造現場のスタッフ達の負担緩和だと考えます。これは事業所全体のビジョンと価値観を各部門で共有によってはじめて実現されます。特に間接部門と製造部門の関係性向上が肝で、その掛け渡し役が幹部の皆さんです。

3. モード毎での情報伝達ネットワークの使い分け

組織の形は様々あるが、安全を第一とする製造所では、非常事態に備え、縦割りの命令系統を持つことは必要不可欠です。そして、多くの情報は、末端の現場社員に多階層を経て伝わり、その”構造”に従業員も慣れてしまっています。ITツールの発達に関わらず。

つまり、日頃の仕事に関連する情報しか触れていません。どれだけ全社掲示板に情報が載っていても、自らは習慣として情報を取りに行かず、意外にも歯車の一部であることで心のポテンシャルエネルギーを安定化させている方々が一定数存在します。しかし、このままで、目指す事業所の姿は実現できるのでしょうか?

ITツールが発達した今、多くの情報は公平に従業員に届けられています。平時には対話の場の構築を意識し、情報を有機的につなぎ合わせて仕事の価値を高められる層を創出していきたい。逆に有事には、明確な指示系統のもと迅速な行動を取れるように訓練を積む。そのようなリーダーシップを求めたいと思います。


と以上3点、ファシリテーションを行いながら滲み出すような形で表現したいと思います。ファシリテーターは会議の中では中立です。主役は所長と部長幹部の皆さま。

30代若手が、10名の50代の幹部の皆さんにファシリテートする姿を想像しながら今日の本番の成功を祈ってください。

では行って参ります!

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