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『おくのほそ道』イントロ01(ゆるい解説 & 雑記)

 この『おくのほそ道』は江戸時代の元禄15年(1702年)に世に出た紀行文です。俳句が中に入っているのでひょっとしたら俳文として扱ってもいいかもしれません。
「おくのほそ」までが平仮名なのは、中学生の教科書に準拠しています。『おくの細道』のバージョンもありますが、『奥の細道』とは原題に書かれていなかったようです。

「表記なんて、どうでもいいじゃん」

 わたしもそう思います。
 しかしかつて某公立中学校のテストで『おくのほそ道』以外の表記はすべて不正解にした先生がいらっしゃいましたから、気になる人には気になるのでしょう。でもその先生、『學問ノスヽメ』とは書いていないそうですが。


 著者はもちろん松尾芭蕉(まつおばしょう)。弟子の曾良と一緒に東北から北陸の各地を巡りました。150日くらいで江戸に戻ってきたそうで。
 どうでもいいですが、実芭蕉と書くとこれはバナナのことを指します。

 出発の地は隅田川のほとりなのですが、これがなかなか厄介で、北岸(足立区側)なのか南岸(荒川区側)なのかがはっきりしていません。いわゆる「千住論争」です。足立区にも荒川区にも出発の石碑があるようですから、興味のある人はどちらもめぐってみてはどうでしょうか?

 他にも、「松尾芭蕉=スパイ忍者」説とか、「芭蕉が中を見て感激したと書いてある奥州平泉の経堂と光堂、実は光堂しか開帳していなかった」説など、古典の中では江戸時代とわりに新しいほうなのに、けっこう正誤がふわふわした書物ではあります。

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