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読書記録『不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で』

不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で  / 零雫



この作品との出会い

以前、GA文庫編集者の応募作品感想ツイートを見るというnote記事を書いた時に、この作品を知りました。
その後、作中に「読者への挑戦」があったことで購入を決めました。

感想

まさしくライトノベル+ミステリといった作品。ラノベ特有の軽快なテンポと、密室殺人という本格的なミステリです。

個人的には愛ちゃん推し。可愛いおっとり巨乳で、可哀想なところが琴線に触れる人もいるかも思います。(現実にいたら可哀想過ぎますが…)
冷堂さんも名前のイメージとは裏腹に、クールというより可愛い系です。
全方面に優しいギャルもいるので、ギャルに優しくされたいオタクも安心。チートメイドも出ます。

この作品を読むなら「ラノベ好き」が前提にあった方が良いと思います。他のラノベよろしく異能が出てくるので、ミステリじゃないと感じる人もいるかもしれません。
私はタイムリープしながら事件の捜査をするADVみたいな作品だなと思いました。近年ラノベを読んでいなかったのでわかりませんが、タイムリープするたびに情報が増えてゆくゲームみたいな感覚です。

結論、ラノベ好きにミステリに興味を持ってもらうのに良い作品だと思います。


以下、ネタバレ有り




感想
※トリックのネタバレはなし

冷堂さんが実は年上とわかった時から、読みやすくなりました。それまでは男性向けラノベ特有の女性を胸など身体で見る感じが少し苦手でした。(未成年の少女をそういう目で見るのは忌避感を感じる歳になりました…)(でも近年のラノベってタイトルからしてそれが普通かもしれない)
トリックにブラが関わってくるとはいえ、女性受けはどうなんだろう…という感じです。

推理に関しては、密室トリックはわかりませんでしたが、ラノベという特性上、犯人はわかりやすかったように思います。ラノベは対象読者が若く、爽快感が求められるので、読者ウケしそうなキャラは犯人になり得ないというメタ推理です。途中から圧倒的にヘイト稼ぎに行っている子がいるので、察しの悪い人でも動機まで何となくわかると思います。

ただ、犯人や被害者が読者の好きなキャラであるという確率が低いのは良いことかもしれません。かつて『金田一少年の事件簿』という漫画で、友人ポジイケメンの人気キャラが犯人で阿鼻叫喚するファンを思い出しました。あれはあれで好きなんですけどね。

気になったところ

一つだけ、カルバンの他キャラの呼び方が気になりました。ラノベではキャラ立ちを意識するのはわかりますが、単純に読みにくかったです。愛ちゃんも冷堂さんのこと「ひやどうさん」と呼ぶし、固有名詞が多いのはラノベでは仕方ないのでしょうか……。

ただ、ラノベ界隈では会話文以外読み飛ばす人もいると聞いたことがあります。そう考えると、「会話文一つ」だけでキャラがわかるように、これでもかという程やらなくてはならないというのが現実なのかもしれません…。
小説とは…そんなことを考えて少しだけ悲しくなった夏です。

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