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慣れ親しんだ感覚から遠い「人、物、事」を選んでみる

前回の記事「感情の可動域」で、生きづらさを手放す際には順序がある、というお話しをさせて頂きました。

大まかな流れは、

①自分が生きづらいという事に気がつく

②自分と向き合い原因となった出来事を探し見据える

③原因となった出来事が起きた時の自分の感情を探し味わい尽くす

④出来事によって生じた思い込みの意味を書き変える

しかし、これは流れとしてという事で、心は定規で測った様な、四角四面の理屈には合わない事柄が大半の様な気がします。

①の「生きづらさに気づく」と間髪入れずに②の原因となった出来事が見えたり、

逆に①から②に移るのに何年も、場合によってはもっと長くかかったり、

③の出来事が起きた時の感情がありありとよみがえった為に②の出来事を思い出し、そこから①の「自分は生きづらかった」んだと腑に落ちる事だってあります。

そして、心の事は一つの変化が起き始めると、同時多発的に色々な変化が起きる様です。

例えば、
④の「出来事によって生じた思い込みの意味を書き変える」段階で、
「自分なんかに価値は無い」と言う思い込みを、「自分には揺るぎない価値がある」と書き換えたとします。

すると、
「思い込みが書き変わる」
「【自分】が出て来る」
「自他の感情の境界線がハッキリして来る」

と言う三つの事が、ワンセットで同時に起こります。

そして「無価値」が無くなった分だけ、「自分は有価値だ」と言う感覚も現れます。
同時にです。

この様に、心の事はきっちりと測れない事だらけです。

同時に様々な変化が起こるので、強烈な気づきが起きると、「一瞬」で全てが変わる訳です。


とは言え、自転車は停まった状態からの一漕ぎ目のペダルが一番重い様に、

「生きづらさ」を手放す事に取り組み始めた時が最も変化が緩やかな場合が少なくありません。

過酷な環境を生き抜いた為に、感情が固く動き難くなっています。

前回記事で、その場合日常に転がる「好きな物」「好きな事」を探すことから始めて、感情を動き易くする事も有効だとお話ししました。

「好きな事」「好きな物」を探す事が不得手であれば、

「嫌いな事」「嫌いな物」「やりたくない事」等から極力離れる事から始めるのが良いのでは?とお話ししました。

なぜなら、生きづらい人は泣きたい時に笑わねばならなかった人だからです。

なぜなら、生きづらい人は好きな事を諦め、嫌いな事ばかりをしなくてはならなかった人だからです。

そして、嫌いな事から離れてみても、恐れる「困った状況」には、得てして陥らないともお話ししました。

日常に「好き」を見つける事も、「嫌い」を見つける事も、子供じみて聞こえるかも知れません。

しかし、いい大人であっても、「好き」がわからない人の、なんと多いことか。

「嫌い」を生涯やり続ける人がどれ程居ることか。

私は40歳を過ぎてから、この子供じみた取り組みを始めました。

すると、如何に自分には【自分】が無いのかという事を思い知ったのです。

「好き」は、
好きな色はなんだろう?
好きな数字はなんだろう?
山が好きか?海が好きか?
どこの山が好きか?どの海が好きか?
お菓子はどれが好き?
お酒は何が飲みたい?
つまみはどうする?

なんともボヤけているんです。

「嫌い」もそうです。
仕事を頼まれれば、なんとなく受ける。
飲みに誘われれば、なんとなく付き合う。
楽しくない集まりに、なんとなく最後まで居る。

ボヤけています。

この子供じみた取り組みが、様々な事を教えてくれました。

私が育った家庭は機能不全家庭です。
そこでは自分の感情は捨てて、親を100%尊重しなくてはなりませんでした。

その影響はあまりにも大きく、私は好きも嫌いもない、ボヤけた大人になり、ボヤけた人生を歩んでいた様です。

それを打破したくて、生きづらさを手放したくて、始めた子供じみた取り組みです。

それでも、少しづつ感情が動き始めたのを、いつしか意識しました。

そんな中、発見がありました。

人との出会いで、なんとなく懐かしい、なんとなく気が許せる人は、私の両親と似た奪う人、欺く人、不誠実な人が少なく無かったのです。

勿論、100%ではありませんが、この見極めに助けられたのは片手の指では収まりません。

母は私が育った機能不全家庭を「暖かい」と言います。
私も40歳までそう思っていました。
今は信じ込んでいた事が、信じられません。


「好き」や「嫌い」を探す事から始める人がいたならば、

慣れ親しんだ感覚から離れている「人、物、事」を選んでみたり、選ばないまでも意識し観察してみる事をおすすめします。

特に人間関係においては、優しい人を遠ざけ、
自ら、欺く冷たい人を招き入れている可能性は有ります。

自分の人生に、

同じ様な望まない事が繰り返し起こり、

欺く人が繰り返し現れる人は、

重要なチェックポイントだと思います。


「好き」を諦め、

「嫌い」を生きた人は

「逆が真」は少なく無いと思っています。


読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。


NAMIDAサポート協会カウンセラー
伴走者ノゾム


NAMIDAサポート協会カウンセラー
伴走者ノゾム








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