救急病院_akizouaさんの写真

これでばっちり医療保険!わかりやすい図解付き

ファイナンシャルプランナーの吉岡奈美です。
FPとして、誤解がでないか心配しているニュースがあります。それは、郵便局員による不正保険販売での悪質な手口の一つとして「新旧契約の保険料が二重取りされていた」と表現されていることです。じつは、保険を見直すとき、あえて「保険料を二重に払っておいてください」とアドバイスすることがあります。

まず、医療保険をわかりやすく図解しましょう。

”医療保険”の守備範囲はとっても広い

例えば、日額5000円の医療保険だったとすると「どんな病気やケガでも、その治療を目的に入院したとき1日あたり5,000円の給付金を受けとれる保険」と表現することができます。「どんな病気やケガでも」がポイント!要するに保障の範囲は『すべての病気やけが』なので、入院したときの金銭的なリスクに備えるには、実は一番 守備範囲が広い、優れものなのです。

図で表すと こんなイメージ↓↓↓

黄色の矢印で拡大してある部分を見てください。ガン女性疾病を表す円が重なりあっているところは、例えば、乳ガン子宮ガンなどで入院した場合を表しています。

このように図解して見ると、よくパンフレットに書いてあるガンや女性疾病の保障というのは、一番大きな水色の枠外に仲間はずれになっているわけではなく、あくまでも「すべての病気」の中の1つであることがわかりやすいと思います。

あなたの医療保険がなにも特約のついていないシンプルなものであっても、いわゆる三大疾病『がん・心疾患・脳血管疾患』、そして、骨折などのケガや、女性疾病に含まれる病気、どんな病名で入院をしたとしてもすべてカバーされるということです。

ちなみに『先進医療特約』は、守備範囲の広い医療保険につけておきたいところです。

"ガン保険"は
ガン治療だけに備える特化型

一方、ガン保険はこんなイメージです↓↓↓

医療保険でカバーされていたすべての病気の中の、ガンという1つの病気に限定して保障する。というのが、いわゆるガン保険です。

このように、カバーできる範囲が狭いということは、保険会社からみると給付金を支払う可能性が低いということでもあるので、仮に同じ日額で保険料を比較するとガン保険の方が安くなります。

"ガン"は治療方法が他と違う

ところで、同じ三大疾病の仲間なのに「心疾患保険」とか「脳疾患保険」なんて聞いたことないですよね?なぜガンだけ特別な保険が必要なのかというと医療技術の進化によって、他の病気と違う治療方法が一般的になったからです。

ガンの三大治療といえば「手術療法」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤)」で、放射線や抗がん剤の治療する場合、入院せずに通院で行われることが多いのです。そうなると入院したとき1日いくらで給付される医療保険では金銭的な負担をカバーできないので、ガンと診断されたらまず一時金を治療にさきがけてお渡ししましょう。と、ガン診断給付金の保障が生まれたのです。

ガン診断給付金には、免責期間がある

入院や手術のあとで、診断書や領収書などの証明書類を提出して始めて受け取れる入院給付金と違って、診断給付金は、ガンがみつかったという医師の診断書だけで治療をしなくても受けとれるため、保険会社は「90日の免責期間(支払い対象にならない期間)」を設けているのが一般的です。

ガンが心配だからガンに手厚い保障に変えたい。という保険の見直しニーズの場合、もともと持っている医療保険に追加して、新たなガン保険に入るのであれば問題ありません。

でも、もし「今の保険料負担が厳しいので見直したい。ガンになった時だけが心配だから、医療保険をやめて、保険料の安いガン保険だけに入りたい」というニーズだったらどうでしょう?

ガン保険加入と同時にそれまで入っていた医療保険を解約し、その1か月後にガンが発見されたとすると、新たに申し込んだガン保険は無効になり、この人は無保険状態でガン告知を受けることになってしまうのです。

見直し内容によっては、
二重の保険料が必要なケースもある

ニュースの中の悪質な郵便局員のように騙すことは絶対にしてはいけないけれど、ガンについての保障が絡む場合、あえて保険を2つ重ねて持つ期間が必要なケースもあるのです。

「保険料負担が大きくなりすぎるから迷うわね」と、お客様と一緒に悩むこともよくあります。これは、大手生保によくある生命保険と医療保険がセットになっているような保険を見直す場合に起こるのですが、生命保険部分に三大疾病特約などがついていると、それもガンと診断されたら一時金が受け取れたりするので免責期間が過ぎるまではできれば保険を重ねておきたいところです。

保険を解約するのは簡単ですが、その直後に事故にあったり、病気が発覚したりしてしまうと大変なので、新しい保険が有効になってから古い保険は解約しましょう。

まとめ

”特約”はあくまで上乗せの保障であることを頭の片隅に置いておいてください。それだけでも 無駄な保険加入の予防にはなるはずです。

だれかに勧められたまま保険に入ってしまうと、いざというとき困ることになります。どんな時にいくら受け取れるのか?ぜひ一度チェックしてみてください。

保険の見直しをする時は、新しい保険を進めてくる人ではなく「今どんな保険に入っているかを見せてください」と足りない保障を見極めて、プランを選んでくれる人に相談しましょう。

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