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アンメット|こうすると、影が消えます

光を当てると、影ができます。
人間は暗いところに光を当てて、良いことをしたと思ってる。新しくできた影には気付かずに。

『アンメット』

直訳すると、「満たされない」という意味です。
できた影に光を当てても、
また新しい影ができて満たされない人が生まれてしまう。
どうすれば隈なく照らしてアンメットをなくせるのか、
その答えをずっと探しています。

アンメット第6話 三瓶友治

いつも飄々としていて、
努力に裏付けられた自信を覗かせる三瓶先生が漏らした心の声。
障害を抱えた兄を見えないところへ追いやって、
本人の言葉に耳を傾けようともしなかった。
聞きたいと願っても、もう聞くことも叶わない。

そんな後悔を抱える三瓶先生の、贖罪ともいえる永遠のテーマ
「アンメットのない世界」

心の中に影を抱える三瓶先生へミヤビ先生が出した答えに
きっと救われた人がたくさんいる。

こうすると、影が消えます。
自分の中に光があったら、暗闇も明るく見えるんじゃないかなって

アンメット回想場面 川内ミヤビ

目の前に暗闇があるとき
懐中電灯や松明でその場を明るく照らすこともいいけれど
そうではない灯し方がある
それは、言葉の力だったり、温もりだったり、愛だったり。

自分の中に優しさや思いやりを強くもつことで、
誰かの心に光を灯すことができる


人って本当はできることが多いから
嫉妬したり妬んだり、そういうことにエネルギーを使ってしまうことがある
でもそうではなくて、
誰かの心に光を灯したり、優しさで包み込んであげたりできるような
そんなことにエネルギーを使っていきたいし
そういう人が増えたら世界はすこし丸くなるだろうな


わたしには重度知的障害をもつ家族がいて
つい最近、グループホームに入居したばかり。
これが正しいと思ってやっているけど、
正しさってなんなんだろう。どこにあるんだろう。
人の分だけ、正しさがあるような気もしていて。

三瓶先生の家族は泣いてばかりだったといっていたけど
本人が泣いてばかりいるなら、正しいのかわからなくなるよな…

幸いというかなんというか、
わたしの家族は飄々と、すんなりと、いまの生活を受け入れている。
ように見える。
だって自分のことを自分で表現する言葉をもたないから
本当のところは誰にもわからない。
三瓶先生の家族だって、本当のところは誰にもわからないんだ

ひとつの考え方だけれど
わたしの両親は、自分の子どもに障害があると知ったとき
「家から出すこと」を
ひとつのゴールにしていたらしい。

障害があるから、
一人で生きていくことはできないから、
必ず誰か他人の支えを必要とするから、

排泄とか着替えとか、
日常生活でこなさなければならない最低限のことは
自分でできるようになる必要があるけれど
それ以外は、「助けてあげたい」と思ってもらえる人を目指そう。
「愛される自閉症」を目指そう。と
そう思ってここまでやってきたらしい。

今、障害があるとかないとか関係なく、
人から愛される力って大事だなとおもう。
いつも笑顔でいることなのか、上手に人を頼れることなのか、
正解は人の価値観の数だけあると思うけれど
人を愛し、愛され、
辛い思いをしている人に手を差し伸べられる人でありたい。

心の中に影ができている人に、
「こうすると、影が消えます。」
そう声をかけてあげられる人でありたいと強く思う。



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