ボディポジティブまでの長く暗いトンネルにひとりぼっち。
サイズや形、肌の色や身体的特徴に関係なく、
自分の身体も他人の身体も
ありのままに愛そうとする運動、ボディポジティブ。
イラストレーターであり漫画家の
haraさん(@hara_atsume)が
ご自身の摂食障害や体型へのコンプレックスのなかで
ボディポジティブという考え方に出会い、
変化した価値観や生活を
漫画やTwitterで発信されていたことで知った。
なかでも印象的だったのは
プラスサイズの人が運動しようとすると
「痩せたいんだ」「細くなりたいのね」と一概に解釈されてしまう風潮があること、
でも本当は、
痩せるためとか美しくなるためだけではなく、
自分の身体を愛するために
気持ちよく運動したっていい、ということ。
同じように体型にコンプレックスがあり
“痩せていなければ人としての価値がない”とさえ
考えて鏡に映る自分の姿を嫌悪していたわたしを
ボディポジティブはとても優しく包み込んでくれた。
ボディポジティブという考え方を知り
自分自身へも他人へもそうありたいと思う一方で、
プラスサイズのわたしは、自分の身体を好きになることはまだできない。
これまでの経験が、押し固められてきた価値観が、
日々積み重なる小さな出来事が、
コンプレックスへの呪縛から解放させてくれない。
テレビやSNSで見聞きする太っている人に対する見下した言葉やいじり、増えた体重を嘆き痩せることを目指す広告、雑誌、サプリの数々。
衣料品店のマネキンはみんな痩せていて、脚が長くて背が高い。洋服のサイズはSとかMがたくさん並んでいて、大きめサイズは奥の方にあったり店舗には置いてなかったり。
太っていることで、優しそう、落ち着きがある、なんて中身も知らないのに勝手なイメージを持たれる。
自分に向けられているわけでもない言葉や、
普通に受け取ったら嬉しいはずの言葉でさえも、
コンプレックスだらけの自分の心にすべてが刺さる。
目に映るもの、耳に入るもの全てが
自分の身体を嘲笑っているように感じてしまう。
わたしがボディポジティブという言葉に惹かれるのは
新しい時代に進んでいきたいからではなく、
ただ単に“痩せられない弱い自分”を
心地よく肯定してくれるからではないのか。
そんな考えが頭の中を巡り続け、
一筋の光は遠くに見えているのに
歩いても歩いても出口に近づくことができない
途方もないトンネルの中。
それでも、“進んでいきたい”と思える方向は
なんとなく見つかった気がする。
わたしは自分を守るために抵抗したり
自分の身体を大切にすることはまだ苦手だけれど、
自分を傷つけるものから回避して
誰かのために苦しさに溺れるのではなく
なりたい自分になって、自分を愛していくために
できることを少しずつ、続けていきたいと思う。
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