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20,07,21。私の愛したアルバム㉕

期間限定で交換したギターを手に家に帰り早速未体験のストラトキャスターを試してみる事に。

当時エーストーンの安いアンプとディストーションペダルは所持していましたから気分だけはRitchieです。実際歪ませたストラトは自分が使っていたレスポールのコピーとは明らかに違う音で「なるほどこれがシングルサウンドか…」などと悦に入っていました。

今まで使ってみたことが無かった所為で楽しみで仕方が無かったアーミングを試すと予想以上にギュインギュインです。交換した友人からは「あまり無茶な事はしないように」と釘を刺されていましたが、ギター小僧にそんなことを言っても無理に決まっています。

一通りアーミングを堪能してから少しばかり覚えているリフを弾いてみて唖然としました。チューニングが滅茶苦茶です(笑)

ストラトキャスターのトレモロユニットはきちんと調整してやらないとチューニングが狂いやすかったのです。

今でこそ「ストラトキャスター 調整」等で検索すればトレモロの調整法は簡単にヒットしますが、当時はインターネットなど影も形もありません。
ギター専門誌はまだ出ていなかったように記憶していますからトレモロユニットの調整法は音楽誌に載っているミュージシャンのインタビューなどを参考にしなければいけませんでした。

使ったことが無かった自分にそんな情報は知るよしも無く、ましてや他人のギターですからいじる訳にもいかないのでストラトの印象は急転直下。
「なんだかやたらチューニングが狂うギター」というイメージになってしまったのです。

「きっとRitchieが使っているオリジナルのFenderであれば狂ったりしないんだろうな…」などと思いましたがもちろんそれも勘違いです。

予定より早くギター交換を終了させ友人には「めっちゃチューニング狂うじゃん!」と文句を言いましたが友人は「それは仕方ないんだよ…」とあきらめたようなことを言う始末。これではいかにRitchieのソロが魅力的でもストラトを使ってみたくはなりません。

後にVan Halenの登場で弦をロックしてしまうFloyd Roseが広く出回るようになるのですが大枚をはたいて搭載したギターを購入した友人の「チューニングが超面倒…」という感想もあって試す気にならず、自分でストラトを入手したのは40を過ぎてからでしかも貰い物でした。

現在所有しているストラトは流石にきっちり調整を施し、かなり極端にアームを使ってもさほどチューニングが狂う事はありません。

中学生の頃にRainbow/On Stageに出会った事で魅了されたストラトサウンドではあるのですが、若き日の勘違いが原因で実際に自分で堪能するまでには長い長い時間が掛ってしまったのでした。




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