【精神#9】思考ラベリングをしてみよう
誰にでも思考パターンのクセがあります。
それは人生経験や教育、あるいは持って生まれた性質によって無意識に行われるものであり、多くの人はもう性格だから変えようがないと思っていますが、本当にそうでしょうか?
二流、一流、達人のそれぞれの思考のクセを知り、自分が今どんな思考をしているのかをまず自分で認識してみましょう。
自分の思い通りに思考をコントロールするための第一歩です。
まずは「過去」「現在」「未来」に分けて思考のクセを見ていきます。
■ 二流の思考(凶)
二流の思考は凶の思想です。
しかし、残念ながら多くの人がこの思考にはまっているのも事実であり、しかもそのほとんどが自分が凶い運命へと結びつく悪い思考をしていることに気づいていません。
過去……後悔
タイムマシンは理論的に可能なのだそうです。
もし光の速さを超えることができれば、人間は未来に行くことができます。しかし、過去に戻ることはできません。
人は誰でも過去には戻れないし、起きてしまったことを後から変えることができないことを知っています。
二流の人はそれを知っていながら過去の出来事に関して自分自身や他者を攻撃し続けます。
過去が変わらない以上思考のクセを変えない限りその攻撃は止むことはありません。
現在……悩
「悩」という字のツは親鳥の爪を表す象形文字です。
巣の中から出られず逃げ場のない雛鳥に、親鳥によって次から次へと悪いものが上から降ってくるようではたまったものではありません。
この次から次へと降ってくるのが、悩みです。
悩みとは答えがないことを考えることです。
というように、今ここで考えても出口がないことをいくら考えても脳の中で延々とジャグリングしているようなものです。
しかもさらに悪いことに、そういった悩みを繰り返す間に思考がレコード化されて潜在意識に刷り込まれていきます。
未来……不安
なぜ私たちは未来に対して不安になるのでしょうか?
それは未来を悲観的なものとして捉えているからです。
この先に恐ろしいライオンが口を開けて待っていると思ったら誰でも足がすくみますよね。
新たにこれから起きることや出会う人が自分にとって恐ろしいものだと考えると、人は新しいことに挑戦したり行動を起こすことはできません。
そればかりか目的を持つことさえ放棄してしまいます。ネグレクトによって十分なスキンシップを得られていない赤ちゃんは新しい刺激に対して反応が鈍くなります。
どんなものかわからないから、今の状態から何も変えたくないという自己防衛本能です。
■ 一流の思考(吉)
一流の思考は基本的には吉い運命へと結びつく良い思考と言っていいでしょう。
二流の思考が常に負に向かっているとしたら、一流の思考は正の方向に向かいます。
過去……認
誰でも失敗はします。
失敗をしない人はいません。
しかし、同じ失敗をしてもそれに対する受け止め方=思考によって、失敗が糧にも足かせにもなります。
これが二流と一流の違いです。
一流は悔やんでも変えられない過去の出来事や失敗をまず認めます。
そして認めた上でそれを教えとして成長しようとします。
二流の人は過去の変えられないことで自分や他者に怒りや後悔を抱き続ける、あるいは過去の自分の失敗から目をそらし続けます。
でも、怒っても悲しんでも無視しても、過去は既にそこにあり、消したり変えたりすることはできません。
いいんです、失敗しても。それを認めること。
そうすれば過去の失敗した自分も未来の成長のためだった、と肯定することができます。
だめだった自分、恥ずかしいことをしてしまった自分、間違った自分、すべてがあなた自身です。認めてあげましょう。
現在……考
一流も二流も思考はしますが、二流が答えのないことを延々と考えて頭の中で堂々巡りしているのに対して、一流の思考は実にシンプルです。
なぜなら、一流は答えがあることを考えるからです。
人間が生きている上で迷いに答えを出そうと思ったら、その悩みの本質は何なのか、極限までシンプル化していく作業が必要です。
今自分が何を悩んでいるのか答えを求めていくと、究極的にはイエスかノーか、AかBかという選択になります。
二流の頭の中がごちゃごちゃモヤモヤの糸玉だとしたら、一流はそれをほどいて一本の糸にし、どこをつなぎ合わせればいいのかがわかるのです。
もちろん二択で間違ってしまうこともあるでしょう。
また、最初は「この選択は失敗かな?」と思っても長期的には「あれで良かったんだ」と思えることもあります。もちろん逆になることも。
しかし、
とやけくそや運任せではなく、考えて選択をするのであれば、決断力とやり抜く意思の強さが必ず必要になります。
たとえ悪い選択をしていたとしても、それによって成功へとつながることもあるのです。
未来……信
一流は未来に対して希望的に思考します。
そして希望的、楽観的に考えることの大切さを説いた偉人たちの言葉は枚挙に暇がありません。
これはヘレン・ケラーの言葉です。
では、彼らはなぜ楽観的に未来を信じることができるのでしょうか?
それは彼らに自信があるからです。確かに彼らには過去に成し遂げてきたという実績も自負もあるでしょう。
しかし、実は自信はそういった過去には一切関係がありません。
何の実績もなくても自信を持てる人はたくさんおり、ほんの一握りだけが本物の成功を手に入れることができます。
エルヴィス・プレスリーは工員やトラックドライバーとして働きながら音楽活動を続けました。
「白人のくせに黒人みたいな歌を歌う」と激しく非難されることもありましたが、彼の自分の音楽に対する自信は揺らぐことはありませんでした。
また、「オレはロックで成り上がる」と宣言し、周囲に「頭大丈夫か?」と心配された少年が矢沢永吉になるなんて誰も信じなかったでしょう。
本人以外は。
希望的な思考をし、それを実現させるのには信じ続ける意思の力と、そこに至るために考えることが重要なのです。
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