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【感情#3】インナーチャイルドとの対話  

あなたの中のインナーチャイルドは何をあなたに語りかけてくるでしょうか? 


彼/彼女が話しかけてきたら、それに答えてあげましょう。


たとえば「ペコペコ」にお腹が空いたと言ってきたら、何かお腹に入れてあげます。


ズキズキ」頭が痛いと言ってきたら頭痛薬を飲んだり寝るなどの対処をします。
これらはすぐに応えてあげられるオノマトペです。  


このように原因と対処がすぐにわかるものならいいのですが、多くの場合インナーチャイルドは「イライラ」などオノマトペを言うだけで、なぜそうなっているのか、どうして欲しいのかは言葉にできません。


そこであなたに必要なのはインナーチャイルドに語りかけ、話を聞いて対話をしてあげることです。  


たとえば「イライラ」と言ってきたら「どうしたの?」と理由を聞いてその理由をあなた自身の言葉に翻訳します。


「自分に関する嫌な噂を耳にした」
「子どもが言うことを聞いてくれない」
「ボーナスが思ったより少なかった」


など、イライラの原因はあるはずです。


その感情の原因をつきつめていくと、多くは次の三パターンになります。


・思い通りにならない
・思っていたのと違う
・何回言わせるの  


彼/彼女のイライラの原因が判明したところで、あなたがしてあげるべきことも次の三パターンになります。


A 認知・許容・共感  


あなたの中のインナーチャイルドは、この気持ちを誰にも(誰にもといっても相手はあなたしかいないわけですが)理解されないとかこういう感情を持っていることすら否定されてしまっていることを悲しみ、不安に思っています。


私のことを少しはわかってよ!」と叫んでいるのです。


そこでまずは対話の第一歩として彼/彼女の感情に気づき、その感情を持つことを許容してあげます。


相手は三歳の子どもですから、「そんなことを思っちゃだめ!」なんて通じません。


なるべく相手の感情に対して前向きな言葉をかけ、「わかるよ」などと共感してあげます。


B 深掘り  



彼/彼女のオノマトペの理由が判明したところで、さらにその理由を深く掘り下げて聞いてみます。


言葉が話せない赤ちゃんが泣いていると新米の親はオロオロしてしまいますが、赤ちゃんが泣くには泣く理由があります。


インナーチャイルドの彼/彼女は赤ちゃんではありませんから、あなたが根気強く問いかけ、対話している間に自分の気持ちを少しずつ話してくれるようになります。


消極的な負の感情は誰かに話すことで楽になるものです。



そして彼/彼女がぽつぽつと語り始めたら、その感情を否定しないようにしてください。


もしそれが積極的な感情ならあなたは何もする必要はありません。
一緒に喜び、良い気分を一緒に楽しみましょう。


それがイライラやモヤモヤなど消極的な感情であったら「どうしたの?」「本当はどうしたかったの?」など、彼/彼女の感情を深掘りします。


C 論点のすり替え  


もし彼/彼女のオノマトペの理由があなたにはどうしようもないことだったら? 


たとえば好きな人が別の人のことを好きになってどうやらその人と付き合いだしたらしい。


これはあなたにはどうすることもできませんよね。


そっかあ」と共感してあげた後は「何かスイーツでも食べに行こうよ」と論点をすり替えます。


中国の軽食「点心」も、「心を点じる」から来ているという説があり、お腹が少し空いたときに小腹を満たしてあげるように、心の栄養補給の意味もあったのかもしれません。


点心のメニューに「開口笑」や「寿桃」など、名前からして縁起が良さそうなものが多いのはそういうことかもしれませんよね。  


インナーチャイルドは対話を繰り返すことによってどんどんあなたに心を開き、近づいてきます。


インナーチャイルドとの対話によって何かに結論を出す、悩みを吹き飛ばすというように一足飛びに結果を出そうとするのではなく、対話してインナーチャイルドがあなたという存在を素直に認めてくれることが重要なのです。


素直になったインナーチャイルドは「」と同一化し、あなたはリラックスした状態になります。


これが人生における究極の感情です。


心に曇りがあれば人はリラックスできません。


積極的な感情が溢れ、消極的な感情がない状態が最上のリラックスです。


時間が忙しなく流れていく現代、多くの人はインナーチャイルドが発するオノマトペに耳を傾けません。


「そんなことを考えてはいけない」
「空気を読まないと仲間はずれにされる」
「大人としての振る舞いをしなければならない」


など、多くの制約がインナーチャイルドの存在に蓋をしてしまうのです。


この人に話しかけても無駄だな」と諦めてしまったインナーチャイルドはいなくなることはありませんが、姿を隠してしまい、いざ対話をしようとしても見つからなくなってしまうこともあります。


そうなる前にインナーチャイルドの言葉には敏感になり、何かあればすぐに話しかけるクセをつけましょう。  


インナーチャイルドに話しかけるイメージがしにくい人は、ぬいぐるみをインナーチャイルドに見立てて話しかけるのも一つの手です(図10)。


目の前に対象物があるほうが会話はしやすいですからね。  


どうしてもインナーチャイルドが見つからなくなってしまった人でも、夢でインナーチャイルドと会話ができることもあります。


覚醒している間はインナーチャイルドの存在に蓋をしてしまっている人も、眠っているときには瞑想状態にあり、インナーチャイルドにアクセスしやすくなります。  


夢には、あなたが認識していないものは出てきませんから「いることはわかっているけれども所在不明でアクセス不可」のインナーチャイルドに会うことができるのです。


夢に登場するインナーチャイルドはあなた自身の形を持っていることもあれば、まったく違う第三者のこともあり、また知っている誰かの形をとっていることもあります。


彼/彼女は幼い子どもですが、あなたが知らなかった、あるいは気づかないふりをしていた自分自身のココロを教えてくれることもあり、夢に現れたインナーチャイルドが問題の解決につながったという例も多いのです。



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