J1第36節 vs名古屋0-0 draw(Home/ 2024.11.9@DAZN)
スタメン
今節はジーコ御大の引退30周年記念試合ということで、レオナルドを招き、試合前には記念セレモニーが行われました。御大の記念試合を勝利で飾りたい鹿島のスタメンは前節から変更なし。ベンチにはライコに代わってすっちゃんが初のベンチ入り。9年ぶりというアウェイ等々力での勝利の勢いを継続して今節にも臨みたいところです。
一方、先週ルヴァンを制してチャンピオンとなった名古屋はスタメンをDF内田→FW山岸と1人変更。山岸をシャドーの位置で起用し、前節シャドーだった和泉をWB、WBだった野上をRHVと1列ずつ下ろして起用して来ました。
(※細かいフォーメーションなどはJ公式又はスポナビ参照下さい↓)
試合概要
試合は序盤から鹿島が保持し、名古屋はブロックを組んで迎え撃つ、という構図に。名古屋はハイプレスも自重し、プレスもハーフウェーライン辺りから開始とかなり後ろ重心だったため鹿島はなかなかシュートまで持ち込めません。それでも焦れずにミスなくボールを繋ぎながらチャンスを伺うと、サイドを起点に時にはクロス、時にはショートパスを繋いで中央に踏み込むなど、数は少ないながらもゴールの匂いは漂わせます。守っても、パスミスをせず、リスク管理を徹底して名古屋得意のカウンターを発動させる事なく危なげなく守ります。結果的に両チームとも中々シュートシーンを作ることが出来ず、0-0で試合を折り返します。
後半に入っても大勢は変わりませんでしたが、13分に試合が大きく動きます。前半から再三ファールを受けてきた優磨が稲垣、椎橋から連続して悪質なファールを受けて倒され激怒。特にアフターで後ろから顔に腕を入れながら足を削ってきた椎橋を胸で押して倒すと、この行為にレッドカードが提示されて一発退場。鹿島はエースを欠いた上に残りの時間を10人で戦わなくてはならなくなります。これにより、試合は名古屋が保持し鹿島がブロックで構えて守りカウンターを狙う構図に。しかし本来はカウンターが主体の名古屋はボールを握っても鹿島のブロックを崩せず、また試合後の監督コメントによると勝点1が持ち帰れれば御の字という指示で戦っていたらしくあまり攻撃を仕掛けて来ません。そんな中でも鹿島は数少ない機会にカウンターやそれで得たセットプレーでゴールを狙いますが得点は生まれず。試合はこのまま0-0終了という結果となりました。
感想
1.優磨は駆け引きの方法を見つめ直した方が良いかも知れない
試合の結果を大きく左右したのは、なんと言っても優磨の退場だと思います。恐らく、優磨はを駆け引きやチームメイトを鼓舞する意図もあってやったのだと思います。振り返れば過去の選手たちも同様に一種のパフォーマンスとしてカードと引き換えにその後の試合の流れを自チームに引き寄せたりしていました。
しかし時代は変わり、ルールも変わって来ました。近年は報復行為や異議に対しての罰則が厳しくなっています。(また判定も、その試合の流れなどはあまり考慮されず「ある瞬間にある行為があったかどうか」を重視する、機械的な方向になっていると個人的には感じています。)
個人的にはこういう駆け引きは好きなのですが、違反行為に対するリスクが大きくなっている中、今までの駆け引きなどのやり方は本当に利益が大きいか?を冷静に見極めてやっていって欲しいと思います。
2.王道の采配
試合中や試合直後は私も興奮していて、なんでもっと攻撃的な采配をしないんだ!と思っていたのですが。
冷静になって考えれば、後半13分にエースを退場で失って残り時間10人で戦わなくてはならなあ試合、最低限引き分け、運良くセットプレーがハマれば勝点3、という戦い方は当然の選択だったと思います。
空気に流されず、奇を衒わず、王道の選択をした中後監督の采配は中々だと思いました。
3.王道といえば
采配についてもそうですが、中後監督に代わって3試合を見ての感想として「バランスが良くなったな?」と感じます。相手の配置によって若干の調整はあるのでしょうが、攻守において極端に圧縮することもオーバーロードすることもなく、バランスよく戦っているように見えます。
そもそも「奇策」は力の劣ったものが勝つための策で、リスクを伴います。鹿島に所属する選手の「質」はリーグの中でも上位だと思うので、相手チームからすればバランス良く戦われるのが一番厄介で、特殊な戦術で自分達からバランスを崩してくれるならラッキーと思われていたのかも知れません。
「鹿島の戦術はこう」みたいな分かりやすい色は出ないかも知れませんが、鹿島がタイトルを奪還するには戦い方も王道を目指すのが実は一番の近道なのかも知れないな、などと思いました。
まとめ
いよいよこれでリーグ優勝は本当のギリギリ崖っぷちに追い込まれました。この感想を書いているのが11/10の昼なので、この後の試合で神戸が引き分け以上か広島が勝った時点で優勝の可能性は無くなってしまいます。
しかし、今の時点で可能性は0ではない。それは引き分けて勝点1を得ることが出来たから、とも言えます。
シーズン終了後に「この試合で10人になっても耐えて勝点1を取ったから」と言えるように選手にはこの後の試合頑張って欲しいと思います。町田とのACLE枠争いもあるので!