ほぼ毎日要約67

(小論文練習)

1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件など重大な少年事件の記録を、家庭裁判所が廃棄していたことが明らかになった。史料価値のある記録の永久保存を求めた最高裁の内規に反する可能性があり、見過ごすことはできない。

この事件は当時14歳の少年が小学生2人を殺害し「挑戦状」を残すなど、異様な犯行の手口が社会に大きな衝撃を与え、少年法厳罰化のきっかけになった。後世に残すべき対象であることは明らかであろう。少年裁判は原則非公開で行われるため、記録が廃棄されれば同種事案の再発防止に役立てることも難しくなる。

最高裁や各家裁は今回の廃棄について経緯や理由を調べる考えはないという。あまりに無責任だ。「裁判や審判の記録は国民の共有財産」という意識が希薄だと言わざるを得ない。

今後はデジタル化で記録の保存が容易になるとはいえ、適切な保存方法について明確なルール作りを検討すべきである。


--------------------------------以下、自己流

1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件など重大な少年事件の記録を、家庭裁判所が廃棄していたことが明らかになった。家裁は廃棄の理由を説明し、今後の資料保存法について早急に検討すべきだ。

最高裁の規定では、少年事件の記録は本人が26歳になるまで保存するよう規定。さらに「史料的価値の高いもの」「全国的に社会の耳目を集めた事件」などは永久保存を求めている。

今回の事件は当時14歳の少年が小学生2人を殺害し「挑戦状」を残すなど、異様な犯行の手口が社会に大きな衝撃を与え、少年法厳罰化のきっかけになった。後世に残すべき対象であることは明らかであろう。最高裁や各家裁は今回の廃棄について経緯や理由を調べる考えはないというが、あまりに無責任だ。家裁は資料を廃棄した理由をきちんと説明すべきだ。

また、この廃棄による後世への影響が懸念される。少年裁判は原則非公開で行われるため、記録が廃棄されれば同種事案の再発防止に役立てることも難しくなるだろう。被害者遺族が憤るのも当然だ。

司法の分野ではIT化の動きが加速している。デジタル化で記録の保存が容易になるとはいえ、適切な保存方法について明確なルール作りを早急に検討すべきである。





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