ほぼ毎日要約64

(小論文練習)

石油輸出機構(OPEC)と、ロシアなど非加盟国の有力産油国で構成するOPECプラスは、11月から日量200万バレルの減産を決めた。石油消費の減少を警戒し、一段の値崩れを回避するためだ。この減産を、どう受け止めるべきか。

何より、この決定による産油国と日米欧の消費国との分断を懸念する。原油価格が上がれば、高いインフレが続く米欧ではさらに物価上昇が強まる。日本でも円安と原油高がガソリンなどの価格を押し上げるだろう。サウジは、急激な物価上昇に苦慮する米国のバイデン大統領から、7月に石油の増産要請を受けていたにも関わらず、今回の減産を主導した。両国関係の悪化による中東の安定に影響が出ることは必須だ。

原油の輸出収入に依存する産油国が、財政収支を均衡させるために最低限必要な価格を下回りかねない現在の状況に危機感を強めたことに、一定の理解はできる。しかし、目先の高値で歳入が増えても、中長期では原油高と供給不安は消費国の石油離れを加速することになりねない。

産油国と消費国が協調し、供給の安定と双方が納得する価格水準を探る努力を尽くすことが必要だ。




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