【140字小説】殺人犯の栄誉

「あなたは大量殺人犯です」
手紙の一通には力強い筆跡でそう書かれていた。
確かに沢山殺したが……。
糾弾されるいわれはない。
むしろ栄誉なことだろう。
並べた著作の背表紙を撫でる。
私の65年分。
どれも珠玉のミステリ小説だ。

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