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140字小説

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140字以内で書く超短編。
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#犯人

【140字小説】幸福のブラインド

辿る度溢れる思い出が邪魔で仕方ない。
どれも幸せで曇りない日々に見えてしまう。
「やはり心当たりはないですか」
警官の問いに唇を噛み締めて頷いた。
自分の無力さに腹が立つ。
なぜ僕は幸せな記憶しか思い出せないんだ。
彼女を殺した犯人の手がかりがこんな記憶にあるはずないのに。