前代未聞ジャンル“カリスマ”っていいな

カリスマとは？

　正式名称は「超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』」。YouTubeでのボイスドラマ、楽曲の配信を主軸に展開されている、カリスマ男性キャラクター7人のシェアハウスコメディです。キャラクターたちはそれぞれ、服従、反逆、自愛など、さまざまな概念のカリスマとして存在しています。

　カリスマと聞くと、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか？かっこいい、最先端、圧倒的な魅力、人間離れした存在…。カリスマ”に登場する彼らもまた、突出した個性の持ち主です。一般的には、カリスマはいい意味でのみ使われる言葉かもしれません。けれど、“カリスマ”に登場する彼らは、いい意味ではもちろん、悪い意味でも周りを圧倒する存在なのです。

カリスマな彼らの魅力

　彼らの行動理念は、普通の人とかけ離れています。私がカリスマを代表すると考えているいおくんこと本橋依央利（モトハシイオリ）くんを例にあげましょう。

　いおくんは服従のカリスマです。カリスマの七人はシェアハウスで共同生活をしていますが、そこでの家事はすべて、いおくんが担当しています。24時間365日毎日、いおくんは“負荷”を求めて奉仕します。

　カリスマにはもちろん、理性的で（家事分担については）常識的な感性を持つ子もいます。けれど、いおくんにはそんなこと関係ありません。自分が奉仕したいから相手に負荷を要求するのです。手が簡単な料理でいいから早く食べたいと言っているのに自分を酷使する料理を作ると言って聞かなかったり、すぐにズボンを履きたいのにアイロン掛けがしっかりできてないから洗濯物を返さなかったり。果てには奴隷契約を半強制的に結んだりします。もちろん、奴隷はいおくんです。

　こんなツッコミどころしかないいおくんですが、カリスマはそれだけでは終わりません。他のキャラクターに対してはツッコミに回ることもあるのです。例えば、自愛のカリスマのテラくんのナルシストぶりに突っ込んだり、性のカリスマの天彦さんの自由奔放振りに振り回されたり。カリスマはひとりではただの個性的過ぎる人間です。けれど他のカリスマと関わることによって、その個性の明るい部分や欠点的な部分などあらゆる方面からの魅力が浮かび上がるのです。

カリスマチャージ、そしてカリスマブレイク

　ボイスドラマでカリスマ感溢れる振る舞いをした子は、カリスマチャージします。なにがなんだかわからないと思いますが、あっているのでご安心を。半年経ってもわかりません。とにかく、カリスマチャージというポイントが貯まるのです。

　そして100%までカリスマチャージされると、カリスマブレイクが発生します。これも何がなにやらなのですが、溢れるカリスマ性が爆発して、プリキュアさながらの変身シーンを経てめちゃくちゃかっこいい衣装にフォームチェンジするのです。変身バンクもしっかりあります。

　カリスマブレイクした子は、ソロ曲が出ます。ソロ曲もそれぞれが司るカリスマに合わせた素晴らしい出来のものです。第一弾のカリスマブレイクでは、国ごとのミュージックに合ったものになっています。カリスマの曲は有名なもののパロディやオマージュが多いのですが、それぞれの国の音楽文化へのリスペクトをきちんと感じられるものになっています。

中毒性溢れる楽曲、MV

　そして忘れてはいけないのが、衝撃的過ぎる全員で歌う曲です。

　全員曲ではキャラクターのお面箱を被った雑なポリゴンが、音楽に合わせてヌルヌルヌルヌル踊ります。絶対もっと丁寧に作られているポリゴンを、おそらく敢えて粗く作って、その上で滑らかに躍らせる。発想がめちゃくちゃです。

　歌詞もめちゃくちゃで、最初の曲に至っては「俺たちはめちゃめちゃカリスマ」というワードを、牧伸二さんの「あーあ、やんなっちゃった」で有名な民謡の音楽に合わせて繰り返し歌うのです。耳に馴染んだメロディで訳がわからない言葉を何度も何度も聞かされ、終わる頃にはカリスマが頭から離れなくなってしまいます。

　さらに自己紹介も兼ねた曲なので、カリスマたちが己の個性を大爆発させています。意味がわからなさすぎて頭がいっぱいになって目眩がするほどです。布教した友人には「風邪を引いた時に見る悪夢」とまで言われてしまいました。恐ろしい。

改めて、カリスマとは？

　これは限りなく哲学的な問いかけです。カリスマという沼に触れてからおよそ半年、それでも彼らをどう説明したらいいのか、端的な言葉は見つかりません。

　けれど彼らに圧倒的な魅力があることは確かです。一度見たら決して忘れることはできません。そこから彼らが気になってしまい、気付いたら沼の中にいるのです。

　カリスマはYouTubeでボイスドラマ全編が聞けて、曲もほとんどをフルで聞くことができます。9/21には1stアルバムが発売、そして10/30には初のリアルイベントのカリスマワールドエキスポがあります。いま走り出してもまだまだ間に合うジャンルなのです。

　これを読んで気になったあなた、まずは一曲、聞いてみてはいかがでしょうか？カリスマに圧倒されること間違いなしです。