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飲酒のススメ


わたしはお酒がすきです。


どれくらいすきかと言うと、
「お酒やめますか?それとも、人間やめますか?」と聞かれたら
「人間やめます!」と即答するくらいにはすきです。


もともと人見知りで出不精なわたしは、
お酒を飲むことで通常より物事が上手くいったり、楽しく過ごせたことがたくさんあるのです。

ただ、
思い出したくないくらいの失敗も数限りなくありますが・・


わかりやすい失敗でいうと、
大学生のときバイト帰りに泥酔して、
帰宅途中で力尽きてしまい、
家の近くの墓地の中で寝てしまったことがあります。

そのまま一晩すごしたので、
目が覚めたら空が明るくて、
それはそれは驚きました・・


後日、その話を聞いた友人からは
「妖怪」というあだ名をつけられ、
「お墓から通学している」という噂まで流され、わりと最近まで本気でわたしの実家が墓地だと信じている同級生がいたりしました。

春先だったので凍死することもなく、
持ち物を盗まれたり、
誰かに怪しまれて通報されたりすることもなく、
気持ちよく墓地で朝を迎えられたので
これは逆に上手くいった話ですかね?


ほかにお酒で上手くいったことといえばなんだろう・・

社会人になってからは、
お酒が飲めることで取引先や上司から飲み会に誘われることが増えて、
酔った勢いで打ち解けて仕事がしやすくなったりということは何度かあります。


いろいろな飲み会に顔を出すことで交流する人の幅も広がって、
成人してからの方が友人が増えたような。
気もする・・

もともと友人が少ないのでたかが知れていますが。


あとは20代のころ付き合っていた彼と別れ話になったときに、
どうしても別れたくなかったわたしは、
酔いに任せて土砂降りの雨の中1時間くらいすがりついて(物理的に)別れを阻止したこともあります。

イヤダー!と泣き叫びながら背中に全力でしがみついて相手の体力と思考能力を奪い、
結果的にお別れを回避することができました。

お酒の力がなければ、
あそこまでのガッツは発揮できなかったと思います。

その後、1年位はお付き合いしていたので、
これもお酒で上手くいった話としておきましょう。


30代に突入してからは、
お酒で失敗することはだいぶ少なくなりました。
周りの友人たちが結婚したり妊娠したりして、
なかなか気軽に飲みに行けなくなってしまったからです。

そのため、
最近はもっぱら「1人飲み」をする機会が増えています。


わたしの1人飲みの流儀は、
「なるべく他者と交流せず、
店員さんとの接触も最小限であること」です。


誰にも気付かれず、
なんならお冷やおしぼりも出てこないほど放置されるくらいが丁度いいので、
カウンターがあるおしゃれなバーや、
老若男女で賑わっている都心の立ち飲み屋は絶対に選びません。


わたしが30代にして見つけた1人飲み史上最高のオアシスは、
ずばり「日高屋」です。



1人客に優しいカウンター席多めの店内、
細かいことは気にしない多国籍な店員さんたち、声を出さずともスムーズに注文が可能なタッチパネル方式。

こんなに1人飲みに適した環境はほかにありません。

(とくに、声が通らないわたしとしては、
タッチパネルがあることがありがたすぎる。)


20代と違って大人になったわたしは、
日高屋ではまず「ホッピーセット白」
を頼みます。

(日高屋の「ナカ」はウォッカなので、
飲むスピードに気を付けないと、
1杯目からわりと楽しくなってしまいます。)

あとは餃子とメンマをいっしょに頼めば、
訪れるのはただただハッピーな時間です。

外国人店員さんのカタコトな案内や、
となりのおじさんがラーメンをすする音につつまれていると、
まわりの友人たちが次々と新しいライフステージに進んでいく寂しさや、
取り残された劣等感も、
そのときだけは忘れることができます・・


「通常の日高屋」でも、
このように計り知れないほどの満足度を得ることができますが、

「焼鳥日高」
よりわたしを高みへと導いてくれます。
店舗数が少ないところも、レア度が増して、
お店の看板を見つけたときの喜びはひとしおです。

あまり見かけない「焼鳥日高」



「焼鳥日高」とは、
「日高屋」にはない焼鳥メニューを楽しむことができる店です。
立ち飲み形式のところが多いですが、
座れる席もあります。

鳥と豚串を選べるところもいいですし、
この「焼鳥日高」以外で見たことがない、
懐かしのゲーム「ピコ」みたいな注文方式もしびれます。

なぜこれで注文ができるのか不思議です


焼鳥ももちろん美味しいのですが、
わたしはこの「玉子焼き」が大すきです。

はじっこをすでに食べてしまってます


店舗(作る人?)によって微妙に味が異なるので、
淡白な味ですが毎回新鮮な気持ちで楽しむことができます。

ほかにもうどんやおいなりさんなど、
「通常の日高屋」では見かけないラインナップもあります。

なぜか熱々だったおいなりさん


わたしにとって日高屋は、
日常にうるおいを与えくれる唯一無二の存在になりつつあります。

この文章を書いていて、
20代から現在まで、
根本的にお酒に対する向き合い方は変わっていないな、と感じました。


お墓で寝ていたころのわたしに、
「あなたは10年後、
日高屋での1人飲みにはまっているよ。」
と教えてあげたら、
果たして泣くのでしょうか、
笑うのでしょうか。

30代後半戦に向けて、
わたしも友人たちのように新たな人生のステージへ進むため、
本気でハイデイ日高の株を買うかどうか迷っている今日この頃です。

#創作大賞2024
#エッセイ部門
#1人飲み
#日高屋

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